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    東京まちかど通信

    第3走者 狩野貴志さん

    野口茉衣さん第2走者
    豊島区民社会福祉協議会
    野口茉衣さん
    狩野貴志さん第3走者
    足立区地域包括支援センター一ツ家
    狩野貴志さん

    地域福祉の仕事に就くまでに経験した沢山のことが、今の仕事に生きています‼

    ——仕事について教えてください。

    地域の高齢者の総合相談窓口です。具体的には介護保険に関する相談や手続き、高齢者の見守りネットワーク形成、地域ケア会議の運営、介護予防支援、ケアマネージャー支援、高齢者虐待の対応、認知症予防事業などです。相談を受けたら何でも受けるというスタンスですが、最近あった珍しい相談としては、「パソコンを買ったけれども、使い方が分からないから手伝ってほしい。」という相談もありました(笑)。

    ——この仕事についたきっかけは何ですか?

    大学の専攻が文学部史学科で、なかなか就職先が見つからず、いろいろ就活をしてやっと入社できたのが調剤薬局でした。薬局アシスタントとしてレジ業務や商品管理もしていましたが、地域の往診に同行させて頂く機会があり、そのとき医療や介護の世界を知りました。独居で耳が遠い方もいましたし、ゴミであふれている家もありました。その後、工場の作業員やメーカーの営業、ヘルパー等様々な仕事についたのですが、やはり地域福祉の仕事に就きたいと考えて、通信課程で社会福祉士の資格を取ってからは病院の相談員となりました。ただ、病院で患者さんを受け入れてケアするよりも、患者さんのベースとなっている地域で仕事をやりたいと思って、現在の仕事を始めました。地域で関係機関がカンファレンスをやりながら連携をとって、地域課題を解決していきたいと思っています。

    ——この仕事のどんなところにやりがいを感じますか?

    地域ケア会議の運営が好きで、事例のアセスメントから司会進行まで一連の流れに携われるのにとてもやりがいを感じています。顔が見える関係者がコミュニケーションしていく中で、ダイナミックに議論が展開していき、地域が動いていくことを実感します。合意が得られるかいつも不安ではありますが、自分なりに工夫していることとしては、大事なタイミングで重要なことを言っていただく方をあらかじめ決めておき、その方を中心に皆の意見を聞くということです。その中で活発な議論が行われて、思わぬ視点から有益な結果が生み出された時には、充実感を持つことができます。

    ——ほかにやりがいや楽しみを感じるのはどういったときですか?

    今やっている仕事は何でも好きなのですが、特に支援困難ケースを色々な機関の方とチームを作って連携を図りながら解決していくというのが楽しいです。以前、親子で課題を抱えていて、こちら側も誰がイニシアティブをとるか混乱しているケースがありました。そこで、まずは関係者が顔を合わせるカンファレンスで支援方針を決めて、高齢者チームと障害者チームで役割分担をしつつ、それぞれのチームで連携して課題にあたりました。

    ——普段の狩野さんはどんな方ですか?

    6歳と4歳の娘がいるので、今は子育てに奮闘中です。一緒に児童館などに行って遊ぶのが楽しいですね。趣味としては、本を読むことです。特に歴史小説が好きで、作家になりたいと思って文学部に入ったぐらいです。音楽を聴くのも好きです。学生時代はコミックバントを組んでいたのですが、今はマーラーやブルックナーなど19世紀から20世紀にかけてのクラシックが好きです。その曲が作曲された背景などを想像しながら聞いています。あとは、最近職場の方に誘われてランニングを始めまして、この前、皇居のリレーマラソンに職場の方と出ました。大会まで毎日3~4㎞走って備えましたが、結構ハードでしたね(笑)。

    ——本記事を見る地域福祉の担い手の方へのメッセージをお願いします。

    地域福祉の仕事をしていると、みんな仲間だと思えるのがとても好きなところです。特に、地域ケア会議は関係する機関同士で仲間になるための場であって、意見が対立しても着地点をみんなで探していけるチームを作りたいと思います。私の理想は「制度の隙間を地域社会で埋められる社会」ですが、普段から地域住民の方と顔をあわせてつきあう関係をつくって、地域の力をうまく引き出していきたいです。そのためにも、多様性を認め合う仲間をこれからももっと増やしていきたいです。

    ——この仕事を目指している方へのメッセージをお願いします。

    私個人の経験ですが、個別のケースで困難に突き当たると、今自分がどこに立っているのか、何を目指しているのかわからなくなってしまうことがあります。そんな時には基本に立ち返って、テキストから復習するようにしています。そうすると目指す方向が羅針盤のように見えてくることがあります。今学んでいることは現場では役に立たないということはないと思います。勉強が苦しい時も、後々の糧になると思っていただければと思います。私が特に振り返るのは、ソーシャルワークという概念が出来始めたときの箇所です。人を見るときに社会的背景をみて個別ケースに対応することが重要で、そういう考え方は重要であるとともに出発点だなと感じています。

    職場の方から見た狩野さん

    原田センター長原田センター長

    経験が豊富なので、色々なことに対応できますし、対応が柔らかいので、地域にすぐ溶け込んでしまいますね。あと、会議などの資料作りがすごく好きみたいで、私どものセンターで年4回出している「ひとつや通信」というものも担当してもらっています。これからは後輩を引っ張っていく人材になっていただきたいなあと思います。

     

    城島さん、澁江さん城島さん、澁江さん

    真面目で勉強家ですね。質問するとすぐに答えてくれますし、こちらが困っていると、狩野さんから話しかけてくれて、とても頼もしいです。

     

    インタビューを終えて

    今の仕事以外にも沢山の経験をされた方だけあって、1つの話を聞くとそれに派生した沢山のことを話していただきました。その話題の豊富さと人あたりの良さで、地域に溶け込んでいらっしゃるのがよく分かりました。

    狩野さんの職場はこちら

    足立区地域包括支援センター一ツ家(http://www.jiseikai-phcc.jp/facilities/hitotsuya/)

    地域包括支援センターは、足立区から委託を受けた公的な高齢者の総合相談窓口です。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らしていけるよう支援する目的で設置されています。高齢者にかかる健康や福祉、医療、介護に関する様々なご相談に応じ、迅速に対応します。

    (公開:2015年10月14日)

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