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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    地域包括ケア×プロボノセミナー
    開催レポート


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    【東京ホームタウンプロジェクト 事例紹介】

    (1)【文京区】「地域の困り事なら何でも応える!コミュニティカフェを効果的にPRするには?」
    文京区千石「風のやすみば」代表 加藤 良彦さん
    文京区社会福祉協議会 地域福祉推進係 上村 紗月さん
    ▼東京ホームタウンプロジェクト実績紹介ページはこちら


    「お互いさま」が広がるコミュニティカフェ

    加藤さんDSCF3648)文京区千石には1万7千人が住んでいます。大きな商店街もなく落ち着いた地域で喫茶店などもないというところです。コミュニティカフェもないので、時流に反したものをやろうと始めたのが風のやすみばです。千石には小さい時からずっと住んでいますが、通りを見ると車椅子を押していたりおひとりのお年寄りが多く、自分がいい年になって最後何ができるかな、生まれ育って色々な人と繋がっているのでその人達の気持ちを一つにして地域のために何かできないかな、というのが活動の個人的な動機です。

    お年寄りが集まる場所づくりと食事の提供ができないか、乳幼児を抱えて一人でこもっている子育て世代が外に出て話をしたり、発散できる場ができないかということを具体的に考えていました。場所は元クリーニング屋さんで、奥が作業場、手前が受付になっています。手前は若い人向けのカフェとして漆喰の壁で若い人にデザインをしてもらい、奥はクロスもそのままで居間的な感じにするということにしました。活動の内容はカフェと、なんでも屋さん。当初のイメージは高い所の電球を変える、とか、重い物を運んで欲しいとか、植木の高い所を切ってもらいたいといったことに応える内容でしたが、実際にニーズが多いのは、おしゃべりがしたい、ということでした。お伺いする先は認知症初期の方もおられて物が無くなったとなっても困るので基本は2人で伺うことにしています。おうちにこもっている方は他にも多くいらっしゃると思いますが、まだ踏み込めていないのが現状です。

    ―― カフェとなんでも屋さん、2つの加藤さんの活動をご覧になって地域のコーディネーターの視点からみて、どのように思われますか?

    上村さん)地域包括ケアシステムの構想の中で、生活支援と介護予防が必要とうたわれていますが、加藤さんの活動は千石エリアの地域づくりに寄与されていると思います。元気な方と支援が必要な方が安心して暮らせるように有償家事援助を住民主体でやっておられます。風のやすみばに来た方を絶対お客さんとせず、お願いごとを通じて巻き込んでいくのがすごいと思っています。有償家事援助は社会福祉協議会(以下、社協)でも実施しているところですが、対応できるきめ細かさが違います。退院された方が背中を洗うのを手伝ってほしいという依頼があった時に、社協ではお断りすることが多いのですが、日頃からのお付き合いがあるからこそお互い助け合えます。そして、なんでも屋さんの利用者が他の活動では協力者というかたちで支援する側、される側の境目がないというところが素晴らしいなと思っています。

    プロボノでパンフレットを作成

    ―― 今回プロボノチームと共にパンフレット作成に取り組まれましたが、パンフレットが必要だと思われた経緯を教えてください。

    加藤さん)これまでは無理しなくても口コミで活動が広がる中で実績がついてきて、やっと外に向かって何かを言える時期になってきたのでお願いしたという経緯です。普通小さい会社は赤字で活動開始から5年くらいで黒字化になればいいくらいに言われますが、それでいうと非常に順調でお金の面でトントン。広がりという意味でも順調。お年寄りももちろん増えているので、どんどんカフェに来て、なんでも屋さんを利用頂ける方も増えているということで順調といえます。

    ―― プロボノから受けたサポートでどういうことを感じられたのでしょうか?

    加藤さん)当初は、広報する、知らせるということに課題を感じてはいて社会人のボランティアが作ってくれると伺ってありがたいな、というくらいの感覚でした。プロボノさんに関わって頂いてまずビックリしたのが、作るチラシを手渡ししますか?置いておきますか?と聞かれたこと。そんなことは想定もしていなくて最初は質問の意味もわからなかったわけです。やはりプロとなると作り方が全然違うのだなと思いました。また、制作は最後の1カ月くらいでそれまでは、地域を一緒に歩いたり、風のやすみばが何をやっているの?地域はどうなっているの?どういう人がいて誰にアプローチするの?などそこまでしっかりと考えていないことを聞かれたり、一緒に検討したりといったことを一緒に取り組むことが長期でみたら効果のある経験だったと思います。
    パンフレットを作るということは、デザインもありつつ、まずどういう目的で誰に向けてつくるのかを固めるのが大切ということを学びました。

    ―― 東京DSCF3636ホームタウンプロジェクトでは、プロボノが入る際、社協さんの推薦が必要なわけですが、ご推薦された立場として様子を見られていていかがでしたか?

    上村さん)心配していた一点目がコミュニケーション。横文字(専門用語)が大丈夫かな?というところも含めて心配でした。二点目が、時間の流れとスピード。普段お仕事されていると社長の鶴の一声で物事が決まったりするが、団体は代表者がいてもトップダウンかどうかというと、フラットだったり、メンバーが顔を合わせるのが月に1回といったペースでチーム側とのスピード感が心配でした。実際には杞憂で、さすがプロだなと思いました。専門用語に関するところは団体の方にしっかり合わせ、スケジュール感も段取りを組んでもらいました。今回、社協の立場としては団体さん側に立ってサポートできれば、と思っていましたが、進行についてはプロボノチームのプロジェクトマネジャーさんを中心に本当にスムーズに進めて頂きました。

    パンフレットでスタッフの発想に変化が起こる

    ―― 風のやすみばについて説明するリーフレットが無事に完成して3カ月が経ちました。反応はいかがですか?

    加藤さん)出来が良くて喜んで配っています。実を言うと、カフェの料理を作っている人たちは忙しくて年齢も高いので会議をすることに前向きではありませんでした。風のやすみばのリーフレットで料理の宣伝をするものでもなくて、組織全体のことというので多少面倒臭さは感じていたと思います。それが、リーフレットが出来たらいろんなお客さんに渡せて気持ちが前に進んだことが感じられます。前は料理がどうだという個別の話だったのが、会のことをもっと知らせていこうというスタッフの発想が変わったのが大きな成果です。

    上村さん)社協もしかり、NPOもいかに協力者を巻き込んで関わってもらっていくのかが重要です。社協でも「こんな活動がありますよ」と風のやすみばをご案内する際、風のやすみばさんはこれまでプロジェクトごとにチラシを作成されていたのですが、今回団体として一枚にまとめられたのは成果として大きいと思います。私たちの手元にある分もすぐになくなりプロボノチームの皆さんに尽力いただいたお陰だと思っています。

    ―― 会をもっと知ってもらいたい、とスタッフの方の発言が変わったというのは組織としての一体感の上でも大きなことでは?

    加藤さん)ボランティアは自主的な活動だから、やめるっていったらやめられる。どうやって引き止めるか、引き続きやってもらうかという時、やはり、楽しいからやってもらえるのだと思う。組織の活動を全体をみて活動趣旨を考えて、風のやすみばについてのリーフレットを配ろうという意識に変わったのは、かなり大きいと思います。

    ―― そういう気持ちになったのは、パンフレットを作ったことが影響していると思いますか?

    加藤さん)リーフレットに載せるための写真を相当数撮りました。途中でどれがいい?といったやり取りをして検討して来た物がカタチになる楽しさ、自分も関わってカタチにしていく楽しさをみんなで味わうことができたのはよい経験でした。

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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