地域コミュニティの"核"となって助け合い活動を推進する

生活協同組合コープとうきょう 長島淳一さん、小浦道子さん、川村悳彦さん

東京都を事業エリアとする消費生活協同組合のコープとうきょう。約130万人の組合員から地域活動をコーディネートする「ブロック委員」を公募し、多彩なコミュティづくりを推進しています。「人生経験やさまざまなスキルを蓄積しているシニア層の皆さんにもブロック委員になっていただきたい」と語る、参加とネットワーク推進室担当次長の長島淳一さんと組合員理事の小浦道子さん、ブロック委員の川村悳彦さんにお話をうかがいました。


15の区・市と協定を結んで「見守りサービス」を実施しています。

生活協同組合コープとうきょう
参加とネットワーク推進室担当次長
長島淳一さん および理事の小浦道子さんにインタビュー

――コープとうきょうでは、さまざまな社会貢献活動をされていますが、その概要をお教えください。

長島淳一さん長島淳一さん

長島:まず、自治体と連携した「見守り活動」が挙げられます。コープとうきょうでは2012年12月現在、15の区・市と地域の見守りに関する協定などを結び、高齢者の利用が多い夕食宅配だけではなく、週1回生協の商品をお届けするコープデリ宅配の時でも、配達担当者が異変を感じた場合に、行政に連絡する活動を行っています。また、都内75店舗あるコープのお店では、「認知症サポーター」(※)の資格を有する職員が増えるよう、取り組みを進めています。

※ 厚生労働省が実施する「認知症サポーター等養成講座」を修了した人。

――「見守りサービス」は、どういった経緯で始められたのでしょうか?

長島:コープとうきょうでは、毎年、理事長をはじめ地域の組合員が自治体の首長を訪問し情報交換をしているのですが、その中で高齢者対策に熱心な自治体から要請されました。2008年から始めていますが、何件かの成果を上げています。

――高齢者の見守りについてお考えや方針がありましたらお聞かせください。

長島:コープは、ただ単に商品を提供する小売業として存在しているのではなく、そもそも生活者が自分たちのよりよい暮らしのために出資しあって運営するという理念と制度によって成立している組織です。つまり、根底には”共助の精神”が流れているのです。したがって、地域のお年寄りを見守るという行為は、極めて自然な取り組みであると考えております。

「ブロック委員」には、高いコミュニケーションスキルや社会経験豊富なシニアの男性にも就任していただきたいです。

――それ以外には、どういった活動をされているのでしょうか?

長島:組合員が主体的に社会貢献活動を行うことのバックアップを行っています。その主体となるのは「ブロック委員」と呼ぶ有償ボランティアの方々で、組合員とコープをつなぐさまざまな参加の場づくりを進め、地域でのネットワークを広げてコミュニティづくりを担っていただきます。任期は1期1年で、上限6年となります。全部で8つのブロックがあり、毎年公募し各ブロック数名ずつ就任しています。
「ブロック委員」は、コミュニティづくりに生かせるよう、ファシリテーションスキルや食のリスクコミュニケーション、環境やエネルギー問題、防災・減災に関する知識などを学ぶ研修や学習会への参加の機会があります。任期が終わった後は、「ブロック委員」の経験を活かして引き続き各地域でコミュニティづくりのための活動を継続していただければと願っています。

小浦道子さん小浦道子さん

小浦:それらに加えて、組合員が自主的に活動する「コープクラブ」があります。組合員3人以上が集まり、生活にかかわるさまざまなテーマで活動をしてもらうわけですが、コープとうきょうは活動費を補助する形で支援しています。環境や食の安全、子育て、さらには平和といったいろいろなテーマでの活動が進んでいます。

――「ブロック委員」はどういった人が就任しているのでしょうか?

長島:基本的に、組合員であればどなたでも応募していただけますが、男性の応募は少ないのが現状です。性別や年齢にかかわらず、地域社会づくりに関心のある、リタイア後のシニア層の男性にも就任していただきたいと考えています。

高齢者のサロンや子育てママの集い、買い物ついでにコミュニケーションを楽しむ「場」を提供しています。

――では、具体的な活動内容についてお教えください。

小浦:まず、地域コミュニティづくりの活動が挙げられます。これには、主に高齢者が集える場の「いきいきサロン」、子育てママが集う「ほっぺルーム」、そしていくつかのコープ店舗で定期的に開催している「ちょこボカフェ」の3つがあります。

「いきいきサロン」は、高齢化率が高い新宿区の戸山ハイツでの取り組みが進んでいるのですが、毎月1回、地域の高齢者が集ってお茶を飲みおしゃべりをしながら折り紙を楽しんだり、といった活動を続けています。「ほっぺルーム」は、育児の悩みなどを話し合い励まし合う場づくりをするものです。そして、「ちょこボカフェ」は”ちょこっとボランティア”の略なのですが(笑)、お買いものついでに試食やお茶を飲んでちょっとしたコミュニケーションを楽しんでいただいたり、荷物を駐車場まで運ぶお手伝いをしたり、といった活動の場をつくっています。

――こういった活動には、どのようなねらいがあるのでしょうか?

長島:東日本大震災以降、「地域のつながり」「人と人とのつながり」の大切があらためて見直されています。しかし、実際につながりを作ろうとしても、どこから始めたらいいのかなど、案外難しいのが現状です。そこで、こうした組合員を中心としたコープの活動が、地域でのコミュニティづくりの中心になればと思っています。さらに、コープとうきょう全体でこうした助け合い活動をより強化していこうと、2012年度は「コープとうきょう ひだまりプロジェクト2012」を進めました。このプロジェクトでは、「いきいきサロン」や「ほっぺルーム」、「ちょこボカフェ」を全ブロックに広げていく取り組みや、「ブロック委員」全員が「認知症サポーター」となって活動を進めるといった取り組みを行っています。コープとうきょう職員全員の「認知症サポーター」養成も、本プロジェクトの取り組みの一つです。

お茶をサービスしながらコミュニケーション店舗の入り口で買い物に訪れたお客さんとお茶をサービスしながらコミュニケーション。

ブロック委員の川村悳彦(かわむら・のりひこ)さんにインタビュー

「ブロック委員」となって、新鮮な毎日を過ごせています。

――ブロック委員に応募した動機をお聞かせください。

川村悳彦さん川村悳彦さん

仕事をリタイアした後、多摩市の自宅近くにコープの店ができたこともあり、組合員の集まりに1年半ぐらい毎月参加していました。そうした中で「ブロック委員」の募集を知ったわけです。競争率が高いことを知り、ダメでもともとと応募してみることにしました(笑)。そうしたら、任命されたたというわけです。

――どういった活動をされているのでしょうか?

多摩市は「第7ブロック」に所属しているのですが、「第7ブロック」にはほかに町田市、日野市、稲城市、八王子市が含まれています。私は八王子の担当として毎月1回、主にシニア層に向けた学習会の運営に携わっています。地域について学んだり、メーカーの工場を見学したり、八王子保健生協と連携して骨粗しょう症の勉強をしたり、といった内容です。足腰の動きが衰える「ロコモティブシンドローム」が問題になっていますが、専門医を講師に招いて解説をしてもらい、皆で防止のための体操をするという実践的なプログラムも組んで好評を博しました。

――どんな手応えを感じていますか?

「ブロック委員」として2年近く活動していますが、新鮮な毎日を過ごせています。というのも、私の現役時代は効率性が問われる男中心のビジネス社会でした。自分も、周囲がモタモタすることにストレスを感じるタイプでした。ところが、「ブロック委員」は全体でも男性が自分を含めて2人だけという完全な女性社会です。なかなか決まらなかったり動かなかったりと、当初はそれこそストレスを感じていたのですが、皆さん、決め事に納得すれば自主的にどんどん動くのですね。そのエネルギーたるやすさまじいものがあります。カルチャーショックでした(笑)。ですから、決めるまでは我慢強くなければならないと学んでいるところです。

――「ブロック委員」の任期が終了した後は、どうしていこうと
お考えですか?

「ブロック委員」として活動できて本当に幸せだと思っています。私にとって、神様が与えてくれたビッグプレゼントです(笑)。それでも任期が終われば、引き続き地域のために自分ができることを考えて、活動を続けたいですね。

その他、ブロック委員の活動についてはこちらをご参照ください
ホームページ/コープみらい(とうきょうエリア)イベント開催報告ブログ

■プロフィール

生活協同組合コープとうきょう
設立/1957年8月
代表者/理事長 上原正博
事業内容/食料品の販売、福祉・社会活動の推進など

※「生活協同組合コープとうきょう」は、2013年3月21日より、「生活協同組合ちばコープ」、「生活協同組合さいたまコープ」と組織合同(合併)し、「生活協同組合コープみらい」となりました。


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