立川市 マーケティング基礎調査

結サポートセンター

半世紀を経た「郊外」「団地」のあり方を模索する。
今だからこそ、団地コミュニティの挑戦。



立川市にある富士見町団地の分譲が始まったのは1967(昭和42)年のこと。東京オリンピックを経て、日本が高度経済成長のさなかにある頃、東京の「郊外」は、風と緑と広々とした空が広がる、夢の新天地。東京都住宅供給公社による分譲募集には、数十倍の申込が殺到し、運よく当選した30代、40代の働き盛りの世代が、次々とこの地に移り住み、新生活をスタートさせたのです。
今でも、富士見町団地に足を運ぶと、スペース、豊かな緑、鳥の声、空の広さ・・・。そこには、都心にないゆとりと落ち着きを感じます。棟と棟の間隔はゆったりとしており、至る所に芝生の広場や公園、遊具などが見られます。半世紀前に、この場所に心躍らせた人がたくさんいたことは、容易に想像できる、そんな、空間としての魅力を十分に持っている場所です。

課題となっているのは、建物の老朽化、そして、立ち並ぶ5階建てのいずれにもエレベーターがないこと、など。分譲開始時から長く住む住民も多く、住民の高齢化は着実に進む中で、日々の階段の上り下りや、荷物の運搬などを負担に感じる居住者は少なくありません。高齢者夫婦だけ、あるいは、高齢者の一人暮らしも目立ちます。

「もともとは、わずらわしい人間関係がないことを求めてこの団地に引っ越してきた人もいる。でもいまは、もう一度近所の人たちと関係をつくって、身内がいなくても周りの人がいて、安心して住み続けられるような団地にしたい」と、結サポートセンターを立ち上げた今井司さんは言います。

中央が代表の今井司さん。結サポートセンターのボランティアは約50人を数えます。中央が代表の今井司さん。結サポートセンターのボランティアは約50人を数えます。
今井さんは、2011(平成23)年に、団地居住者の困りごとを解決する活動をスタート。電球の取り換え、粗大ごみの運搬、買い物の手伝いなど、団地内で助け合いの仕組みを始めました。

そこから発展して、いまは近隣の小学校の子どもたちが、団地の高齢者のゴミ出しを手伝うボランティア活動を定期的に行ったり、団地内の交流の機会として、コーラス、“健幸体操”、ラジオ体操、書道、絵画、手芸など多彩な教室を集会室で開催するようになったり、夏の暑い時期には“クール結”と名付ける猛暑避難所を開いてみんなで涼みながらお昼ご飯を食べたり、手作りの企画で、住民のコミュニティが着実に育ってきています。

こうした人のつながりづくりは、時に、関わる人たちの健康に直結するもの。参加者からは、病気になりにくくなった、医者に行く回数が減った、という声がちらほら聞こえてきます。なかには、「要支援」の認定を受けてデイサービスに通っていた人が、結サポートセンターの教室で先生の役割を担ったことがきっかけで、今では自転車に乗って出回ることができるほどになったというエピソードまで!

「人間、環境と条件が整えば、元気になれる。人から声をかけられたり、必要だと認められたりすると、頑張れるからね。」今井さんの言葉には、実感がこもります。

一方で、そんな結サポートセンターの活動の広がりも、876世帯の居住者全体からすれば、まだまだ部分的で限定的である、という現状も。その背景には、活動を知っていても、なかなか一歩が踏み出せない、背中を押す人がいない、きっかけがつかめない、そんな居住者も多数いるようです。本来は、もっと多くの住民が参加し、みんなが担い手として、この組織の運営に関わってくれるようになれば。それが、いま結サポートセンターが抱く願いです。

「団地という資産を守るのが管理組合だとしたら、結サポートセンターは、命の管理組合さ。」

そんな今井さんのミッションをさらに推し進めるためにも、より多くの住民が顔の見える関係でつながって、お互いを認め合えるコミュニティに発展していくことが求められています。

団地居住者、特に、外出や人付き合いが億劫になりがちな高齢者が、結サポートセンターを知り、参加へと一歩踏み出すにはどうすればよいか、この活動をより浸透させていくためにはどのような施策が求められるか。分譲開始から半世紀を経た団地コミュニティの挑戦を、プロボノで応援します。

広々とした敷地に住居棟がゆったりと配置され、豊かな緑が印象的です。広々とした敷地に住居棟がゆったりと配置され、豊かな緑が印象的です。
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

団体基本情報

団体名
結サポートセンター
ホームページ
http://yuisupport.web.fc2.com/

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進捗率
完了
進捗状況

最終更新 2016.03.14
2015.06.02

立川市富士見団地を訪問し「結サポートセンター」への事務局によるヒアリングを実施しました。

2015.07.09

結サポートセンター代表の今井さんに事務局にお越しいただき、プロジェクト準備説明会を開催しました。

2015.09.14

仕事帰りの夜、プロボノチーム全員が集まり、キックオフ事前ミーティングを実施しました。これから数か月間、このプロボノワーカーの皆さんで「結サポートセンター」さんとの協働プロジェクトに取り組んでいきます!

2015.09.30

結サポートセンターの活動拠点にお伺いし、キックオフミーティングを実施しました。団体の活動への参加者、活動の担い手となるボランティアを増やすための調査プロジェクトがいよいよスタートです。まずは関係者へのヒアリングやアンケートを進めていきます。

2015.10.25

地域で開かれたお祭りにメンバーも参加しました。団地の住民に対し、結サポートセンターの活動に関連するアンケートを実施する予定で、現在その準備をしています。

2015.11.04

調査方針提案を実施しました。

2015.11.10

提案に対するフィードバックと承認を実施しました。

2015.12.02

昨夜は、久しぶりに全員そろってのチームMTG@事務局。じつは11月末まで団地居住者に対するアンケート調査を行っており、この日はその集計結果について分析・検討会。仕事終わりに皆さん遅くまでおつかれさまでした!

2015.12.20

居住者アンケートの結果まとめが完了し、現在は個別のヒアリングを行っています。

2015.12.22

個別ヒアリングを実施しました。

2016.02.06

ヒアリング以外の調査を実施しました。

2016.02.27

チーム側から調査報告を実施しました。昨年行った住民アンケートの結果ご報告とももに、そこから見えた情報発信における課題について、3月の最終ワークショップでは取り組む方針です。調査報告の場では、団体代表の今井さんお手製のパンと美味しいマーマレードもごちそうになりました!

2016.03.14

最終ワークショップでは、調査報告時にチーム側から提案していた「結だより」(活動報告&ニュースレター)の改訂のための打ち合わせを実施。実際の新聞や雑誌を例にとりながら、アピール力の高い機関紙やチラシを作るにはどうすればよいのか、プロボノチームからもアイデアを出しながら相談しました。

成果

住民アンケートを通じて見えてきた、広報面の課題。伝えたいことを、“伝わる”内容にするための改善策を提案

本プロジェクトでは、富士見町団地住民に対する初の直接アンケートを実施。普段の生活での困りごと、サポートしてもらいたいニーズは何か、団地コミュニティへの参加意向などを探りました。

その結果を分析したチームからの調査報告の中で、結サポートセンターの広報面の課題解決を提案。まだまだ、「結」の存在そのものや、活動趣旨が知られていないことをお伝えしました。それを受けて、結サポートセンター側でも「今までのものはいわゆる機関紙的なものだったので、別途、住民向けに各サークル活動の紹介をメインとしたPRチラシを作る」との決意が聞かれました。また、これまで活動報告として作成・住民に配布してきた「結だより」について、結サポートセンターの運営側が“伝えたい”ことを、どう“伝わる”内容にするか、チームと一緒に要素やデザインの改訂を検討しました。
プロジェクト完了後、今回の方向性をもとに改訂版第一弾を団体側で作成することになっています!


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