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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    東京ホームタウン大学講義録

    地域づくりの将来像を共有するために〜目標を言語化する方法
    「東京ホームタウン大学2023」
    基調講義レポート


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    地域活動を維持継続する盛り上がりを作る

    地域活動とは、次の図にあるように地域の中に盛り上がりを作っていくということだと思います。例えば地域で見守り活動していこう、というときに、その見守りをするために人に集まってもらう集会を開くところが、意図的に一つの盛り上がりを作ることになるわけですけれども、逆に言うと、意図的に盛り上がりを作らなければ、地域活動はいつまでたっても始まらないのではないかと思います。

    戦略的に進めるということは、意図的に盛り上がりを作るような働きかけをすること、この図でいうAのような働きかけです。地域の人に声をかけたり、集会を開いたりすることですね。

    ただ、そのように盛り上がりを作っても、気がついたら徐々に盛り下がっていくものです。これは自然の摂理ではないかと思います。活動が盛り上がり続け、右肩上がりでずっと進んでいくような活動というのは、ないと思います。

    そう考えると、盛り上がったものはゆるやかに下がっていくということを前提に、一度下がったものが次に上がるにはどういう働きかけ(B)が必要なのか? さらに下がったとき、その先にはどういう働きかけが必要なのか? 1年後や2年後に目標設定をして、そこに向けて、いつどのタイミングでどういう働きかけをすることで、この盛り上がりが継続して、地域活動を進めていけるのかを、しっかり設計することが必要になってきます。

    最後に、この小さな盛り上がりを地域の中で作っていった例をご紹介します。宮崎県三俣町の社会福祉協議会の取り組みです。

    三股町の社協では、地域の小さな取り組みに、全てこのようなロゴを作っています。

    どのような小さな取り組みでも、地域のデザイナーの人にロゴをデザインしてもらって、小さな看板を設けているのです。例えば、「コメイキングスペース」という、ちょっとした、おにぎりを食べたりするようなスペースを地域に作る取り組みのロゴがこちらです。

    また、地域の寺子屋のような活動、これを「森の子学習塾 笑う。学ぶ。食べる。」などのタイトルをつけて、ロゴを作っているのです。

    このように、身近な活動を楽しみながら、その蓄積が次の中間的なゴールに結びつく、そして大きなゴールにたどり着くという戦略を作っていくことによって、それが物語とも結びつき、より多くの人が活動しやすい地域ができていくと思います。

    物語を通じて自分たちが何をしたいのかを語り、かつ戦略的に活動する、これが広がっていくことで、東京の中でさまざまな地域活動は、ますます広がっていくのではないかと考えます。

    私からは以上になります。ご清聴ありがとうございました。

    質疑応答

    嵯峨:ありがとうございました。室田先生から、本当に多くのヒントに満ちたお話をいただきました。視聴者のみなさまからもコメントいただいています。

    「安全と自由、戦略と物語、人によってどこを大事にするかが違いそうです」
    「物語を語っているかという問いに、はっとしました。情報提供や参加の方法を説明するというのが戦略だとしたら、物語を語るとはどういうことなんでしょうか。自分でも考えてみたいと思います」

    ご質問も来ています。

    「ストーリー・物語について、『私』の視点から語っていくこと、それを私たちのものにしていくことの大切さを学びました。そのストーリーがまちのヒストリーになっていくのかなと思いましたね。物語を語るときに、良いことなのに自慢に思われたりすることもあるかもしれません。その際にポイントはありますか?」というご質問です。いかがですか?

    室田:確かに物語を語る時、なにか自分の自己主張が強くなることや、自慢に聞こえてしまうことはあると思います。その際に、やはり「困難・選択・結果」の構図で話すことがとても大事かなと思います。大きな成功を収めた取り組みであったとしても、最初は苦労した部分があると思います。その苦労をしっかり伝えることがポイントになってくるかと思いますし、苦労を乗り越えることはしんどい選択でしたけれど、何とか乗り越えて今に至る、という枠組みで説明することによって、単なる成功の話ではなく、誰でも苦労を乗り越えて達成することができるというプロセスの話になるのかなと思います。何をしているかではなくて、どういう過程を経てやってきたのかを語ることによって、より動機に対して働きかけるような使い方ができるかなと思います。

    嵯峨:室田先生からご紹介いただいたお話は、ありとあらゆる立場の方に当てはまるものです。日頃の活動などを振り返る際にも、この枠組みを頭の片隅に置きながら物語を話してみるなど、実践につなげていただくのもよいように思いました。
    ありがとうございました。


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