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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    支援先レポート

    「お互いさま」でつながるまちづくり
    市民主導で2年間に36カ所のサロンが誕生


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    短期間にこれだけ広がったのはなぜか

    武蔵村山市の「お互いさまサロン」が、短期間にこれだけ広がった理由はなんでしょうか。岡村さんにまとめてもらいました。

    東京ホームタウンプロジェクトの伴走支援プログラムを受けて、『お互いさまリーダー』の養成というヒントをいただいたことが、ほんとうによかったと思っています。そのとき、『何をしてほしいか、相手にストレートに伝えた方がいい』といわれて、養成講座の中で『サロンを手伝ってもらいたい』とはっきりと伝えたことが、住民主体に舵を切る決め手となったと思います。講座から生まれた112人のリーダーは、活動の応援団のようになってくれて、『自分たちでサロンを増やすんだ』といってくれています。

    立ち上がったサロンが長続きする秘訣は、みんなの総意で活動することだと思います。運営するリーダーたちが話し合うのはもちろんですが、その話し合いに参加者みんなにも入ってもらうことによって、全員が担い手だという意識が浸透していくのだと思います。

    また、市内4つの地域包括支援センターに配置された第2層生活支援コーディネーターもサロン立ち上げのサポーターとして、一生懸命に活動してくれています。

    サポートする側についていえば、手厚くサポートしすぎないことだと思います。せっかく立ち上がったサロンをつぶしたくないと思うあまり、サポートしすぎて住民主体になりきれないことがよくあります。ところが、職員が風邪で休んだことをきっかけに、急に住民主体が実現したという例もありました。高齢者の皆さんは、何十年も社会生活を送ってきた方たちなので、いざとなったらできるということを信じて、お任せすべきだと思います。私はよく職員に、『いざとなったら休んじゃえば。そうしたら突破口が開けるかもよ』と話をしています」(岡村さん)

    「お互いさまサロン」で街は変わったか

    「お互いさまサロン」は、これからどこへ向かうのでしょうか。

    「サロンの数を増やすことも大事なのですが、そこから生活支援に広げたいと思っています。家事の支援や、ちょっとしたお手伝いに、どうやったら広げていけるのか。今度立ち上がるサロンでは、参加者から困りごとを聞いて、できることは自分たちでやってあげようと計画してくださっていて、まずは包丁研ぎからはじめるそうです。その地区には、包丁研ぎをやってくれる人がいるので、1回100円でお願いする計画です。歩いて通える場所プラス、お互いができることで助け合える場所がつくれれば、最高だと思っています」(岡村さん)

    最後に、「この活動を始めてから街は変わりましたか」と聞いてみました。

    「2016(平成28)年に、まず何かしなければと思って『まちづくりフォーラム』を開催しました。市民会館を借りて、まちづくり活動をなさっている3人の方に発表していただいたのですが、集まった人たちの反応は他人事でした。『誰かがやってくれるんでしょ』とか、『国や都がなんとかしてくれるんでしょ』と、いわれたことを覚えています。

    そのあとサロンを立ち上げて、いろんなところで話をしてきましたが、いまは逆に市民から、『国もお金がなくなっちゃうから、自分たちでなんとかしなくちゃね』といわれるようになりました。サロンでも、最初はただ参加すればいいと、お客様気分だった人たちが、全員当番制になったら、『今日は誰々さんが当番でした。ありがとう』と拍手するようになったのです。自分も担い手だと意識することによって、当番の人に敬意を払うようになった。そういう意味では、みなさんすごく変化していただいたと思います。いま私たちは、そういう変化をできるだけ邪魔しないようにしているという感じですね」(岡村さん)

    (取材・文 細井 聖)

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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