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    地域包括ケア×プロボノセミナー報告レポート

    スクリーンショット 2016-08-03 19.49.47団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、「地域包括ケアシステム」の構築が国を挙げた課題となっています。こうした中、2015(平成27)年度より東京都は、多様な主体の参画を得て、地域包括ケアシステムの構築を進める「東京ホームタウンプロジェクト」をスタートしました。
    その取り組みのキーワードの一つが「プロボノ」です。
    「プロボノ」とは、ビジネスを通じて培った経験や専門性を活かしたボランティア活動です。国内でもここ数年、社会貢献の新たなスタイルとして広がりを見せています。2015年度の東京ホームタウンプロジェクトでは、120人を超える企業人等が参加し、24のNPO・地域活動団体に対して、広報活動やIT活用、事業計画の策定などを支援しました。支援先の団体だけでなく、地域包括支援センターや社会福祉協議会等の中間支援組織からも大きな手応えを感じるとの声をいただきました。さらに、プロボノ活動に参加した“現役世代” からも、「ボランティアや地域活動に参加するきっかけとなった」「地域包括ケアシステムの概念を初めて知った」などの感想が寄せられました。
    地域包括ケアシステムの構築に前向きな一歩を踏み出すため、いま取り組むべきことは何か。東京都の実践事例の報告会として開催された地域包括ケア×プロボノセミナーのレポートをお届けします。

    【開催概要】

    日時:2016年7月14日(木)
    場所:都道府県会館(永田町)
    参加者:78名
    主催:東京都福祉局高齢社会対策部在宅支援課
    プログラム内容:
    【1】東京ホームタウンプロジェクトの事業概要について
    【2】トークライブ 「大都市における地域包括ケア実現のポイント」 
    【3】事例紹介(1)【文京区】風のやすみば
       事例紹介(2)【板橋区】たまりば・とうしん
       事例紹介(3)【稲城市】矢野口地区介護予防ラジオ体操会

    「東京ホームタウンプロジェクト」事業概要について

    発表者:
    東京都福祉保健局高齢社会対策部在宅支援課在宅支援担当 西沢 佳

    <地域の将来像としての地域包括ケアシステム>

    2025年、4人に1人が65歳以上の高齢者となります。それと同時に団塊の世代が75歳以上の高齢者となる本格的な超高齢化社会に突入します。
    2040DSCF3595年には、年間160万人が亡くなる多死時代となり、年間で約100万人の人口が減少するという時代が訪れる(総務省人口動態調査より)。要介護認定率も上がり、介護保険のサービスを必要とする75歳以上の高齢者が増える一方で、保険料を納める人は減っていく。介護保険という制度の維持を考えればかなり厳しい現状がある中、国が描く持続可能性のある地域の将来像として描かれているのが「地域包括ケアシステム」というものです。2025年を目処に、重度の要介護の状態になっても地域でいきいきと暮らし続けられる仕組みとして、住まいを中心とした医療、介護、生活支援・介護予防が描かれています。

    いち担当者としても地域包括ケアシステムが画期的だと思う点は、医療や介護といったものと同じ大きさで生活支援・介護予防が描かれている
    ところです。保険制度が確立され専門職による適切な医療・介護サービスが提供されることと並行して、生活支援・介護予防分野はいわゆる専門家ではない、地域の住民やインフォーマルな多様な主体が担い手となる、主役になるものとして描かれています。

    また地域包括、75歳以上の高齢者が増え、地域で在宅生活を営むうえでの困りごとを抱える方が増加の一途を辿る中で、生産年齢人口は減少していくという現状を考えると、いま医療や介護の分野で働いている専門職や、老々介護も多い家族介護者といった担い手だけでこの地域で増え続けるニーズに応えていけるのだろうか? これはかなり心もとないのではないでしょうか。この問いに対して、国は誰もが住み慣れた場所でいきいきと暮らすための方策は2つあると示しています。1つは高齢者にいつまでも元気でいていただくこと。もう1つは専門職以外で地域を支える担い手を増やすことです。ここで重要となるのは、高齢者自身が生活支援・介護予防の担い手となるという社会参加の仕組みをつくるという視点と、もう少し広く、高齢者に限らずより包摂的に、地域の住民が地域の課題をしっかりと見つめて、一緒に解決策を考えていけるような仕組みを整えるという視点、この2つがとても重要です。行政は各地域における取り組みをしっかりとバックアップしていきましょう、と言われています。

    <地域課題の解決に向けて東京の強みを活かす>

    このような国の施策の流れがあるなかで、都の生活支援・介護予防分野の担当者として地域包括ケアシステムの構築を目指して、東京に暮らす全ての住民が、そこそこ元気に、在宅で生き切るために必要なものとは何か。地域住民やNPO法人だったりというインフォーマルな主体、民間企業も含めた多様な主体にこの人口構造の変化がもたらす地域課題について関心を寄せていただき、いま既に地域福祉分野で活躍されている既存の団体の皆さまが活動の基盤を強化し、動機づけられるような仕組みができないのか。いままで福祉のことなんか考えても来なかった潜在的な担い手をたくさん地域福祉分野に巻き込めないか。そのためにわれわれのような広域的自治体は何ができるのか。こんなことをもやもやと悩み、たくさんの方のお知恵とお力によって、できあがってきたのが「東京ホームタウンプロジェクト」です。

    東京の強みでDSCF3596ある活発な企業活動を活かす、東京で働いている企業人が既に地域福祉の現場で活動している団体の運営基盤強化をプロボノで応援するプログラムや、地域の資源と地域の多様なニーズをコーディネートする人々(中間支援機関)の地域コー
    ディネート力を向上するための研修、1年間の取り組みを総括するイベントの実施など、様々な取り組みを行っています。昨年度は24団体をプロボノで支援いたしましたが、支援先団体のみなさま100%が「支援を受けてよかった」と言って下さり事業担当者としてこんなに嬉しかったことはないという経験をさせてもらいました。

    今年は昨年度から行っているセミナーに追加して、地域包括ケアに必要となる多様な主体の参加を促すため、参加者の意欲を引き出し、協力を実現するために必要となる「場づくり」の技術を理解するセミナーを開催したり、伴走支援事業といいますが、地域の中間支援機関に対して外部の専門家も招へいして地域の取組課題に寄り添う、まさに伴走しながらの支援も行っています。

    <東京ホームタウンプロジェクトは「互助」の強化を目指す>

    東京ホームタウンプロジェクトが目指しているのは、一言で言うと「互助」の強化です。地域団体、NPO、企業のCSR活動等、地域住民のQOLを、地域そのもののQOLを向上させようという様々な活動を行う多様な主体を支援し、ここ東京において人と人とのつながり、「互助」の関係をいかに強化できるのかにチャレンジをしています。

    介護slide保険制度は「共助」として本人負担は1割、残りの9割を保険料と税金で賄うという「公助」の仕組みであり、いままでは国が定めた全国画一のサービスを提供してきました。この中に新しい総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)が位置付けられているわけですが、総合事業はこの全国一律の「共助」の部分を、いかに「互助」の仕組みに近づけるかを試行していると言ってもいい取り組みです。

    地域のインフォーマルな活動、地域住民のボランティアによって担われてきた取り組みを「共助」にうまく取り入れることで、今までより多くの受益者に、より地域の実情に応じた多様なサービスを提供できます。これを進めるには、地域の住民、地域の多様な担い手、行政を始めとした医療・福祉の関係者がどのような地域をつくっていくのかという合意を形成し、地域の暮らしの質を担保するような多様なサービスを、共に生み出していくことが今まさに求められています。

    【プロボノによる地域活動支援について 概要紹介】

    昨年度の東京ホームタウンプロジェクトでは、120人を超える企業人等が参加し、24のNPO・地域活動団体に対して、広報活動やIT活用、事業計画の策定などを支援しました。取り組みの具体的な方法や流れについて以下のスライドを用いてご紹介しました。

    160714セミナー_プロボノ概要説明資料(PDF)

    【東京ホームタウンプロジェクト 事例紹介】

    (1)【文京区】「地域の困り事なら何でも応える!コミュニティカフェを効果的にPRするには?」
    文京区千石「風のやすみば」代表 加藤 良彦さん
    文京区社会福祉協議会 地域福祉推進係 上村 紗月さん
    ▼東京ホームタウンプロジェクト実績紹介ページはこちら

    <「お互いさま」が広がるコミュニティカフェ>

    加藤さんDSCF3648)文京区千石には1万7千人が住んでいます。大きな商店街もなく落ち着いた地域で喫茶店などもないというところです。コミュニティカフェもないので、時流に反したものをやろうと始めたのが風のやすみばです。千石には小さい時からずっと住んでいますが、通りを見ると車椅子を押していたりおひとりのお年寄りが多く、自分がいい年になって最後何ができるかな、生まれ育って色々な人と繋がっているのでその人達の気持ちを一つにして地域のために何かできないかな、というのが活動の個人的な動機です。

    お年寄りが集まる場所づくりと食事の提供ができないか、乳幼児を抱えて一人でこもっている子育て世代が外に出て話をしたり、発散できる場ができないかということを具体的に考えていました。場所は元クリーニング屋さんで、奥が作業場、手前が受付になっています。手前は若い人向けのカフェとして漆喰の壁で若い人にデザインをしてもらい、奥はクロスもそのままで居間的な感じにするということにしました。活動の内容はカフェと、なんでも屋さん。当初のイメージは高い所の電球を変える、とか、重い物を運んで欲しいとか、植木の高い所を切ってもらいたいといったことに応える内容でしたが、実際にニーズが多いのは、おしゃべりがしたい、ということでした。お伺いする先は認知症初期の方もおられて物が無くなったとなっても困るので基本は2人で伺うことにしています。おうちにこもっている方は他にも多くいらっしゃると思いますが、まだ踏み込めていないのが現状です。

    ―― カフェとなんでも屋さん、2つの加藤さんの活動をご覧になって地域のコーディネーターの視点からみて、どのように思われますか?

    上村さん)地域包括ケアシステムの構想の中で、生活支援と介護予防が必要とうたわれていますが、加藤さんの活動は千石エリアの地域づくりに寄与されていると思います。元気な方と支援が必要な方が安心して暮らせるように有償家事援助を住民主体でやっておられます。風のやすみばに来た方を絶対お客さんとせず、お願いごとを通じて巻き込んでいくのがすごいと思っています。有償家事援助は社会福祉協議会(以下、社協)でも実施しているところですが、対応できるきめ細かさが違います。退院された方が背中を洗うのを手伝ってほしいという依頼があった時に、社協ではお断りすることが多いのですが、日頃からのお付き合いがあるからこそお互い助け合えます。そして、なんでも屋さんの利用者が他の活動では協力者というかたちで支援する側、される側の境目がないというところが素晴らしいなと思っています。

    <プロボノでパンフレットを作成>

    ―― 今回プロボノチームと共にパンフレット作成に取り組まれましたが、パンフレットが必要だと思われた経緯を教えてください。

    加藤さん)これまでは無理しなくても口コミで活動が広がる中で実績がついてきて、やっと外に向かって何かを言える時期になってきたのでお願いしたという経緯です。普通小さい会社は赤字で活動開始から5年くらいで黒字化になればいいくらいに言われますが、それでいうと非常に順調でお金の面でトントン。広がりという意味でも順調。お年寄りももちろん増えているので、どんどんカフェに来て、なんでも屋さんを利用頂ける方も増えているということで順調といえます。

    ―― プロボノから受けたサポートでどういうことを感じられたのでしょうか?

    加藤さん)当初は、広報する、知らせるということに課題を感じてはいて社会人のボランティアが作ってくれると伺ってありがたいな、というくらいの感覚でした。プロボノさんに関わって頂いてまずビックリしたのが、作るチラシを手渡ししますか?置いておきますか?と聞かれたこと。そんなことは想定もしていなくて最初は質問の意味もわからなかったわけです。やはりプロとなると作り方が全然違うのだなと思いました。また、制作は最後の1カ月くらいでそれまでは、地域を一緒に歩いたり、風のやすみばが何をやっているの?地域はどうなっているの?どういう人がいて誰にアプローチするの?などそこまでしっかりと考えていないことを聞かれたり、一緒に検討したりといったことを一緒に取り組むことが長期でみたら効果のある経験だったと思います。
    パンフレットを作るということは、デザインもありつつ、まずどういう目的で誰に向けてつくるのかを固めるのが大切ということを学びました。

    ―― 東京DSCF3636ホームタウンプロジェクトでは、プロボノが入る際、社協さんの推薦が必要なわけですが、ご推薦された立場として様子を見られていていかがでしたか?

    上村さん)心配していた一点目がコミュニケーション。横文字(専門用語)が大丈夫かな?というところも含めて心配でした。二点目が、時間の流れとスピード。普段お仕事されていると社長の鶴の一声で物事が決まったりするが、団体は代表者がいてもトップダウンかどうかというと、フラットだったり、メンバーが顔を合わせるのが月に1回といったペースでチーム側とのスピード感が心配でした。実際には杞憂で、さすがプロだなと思いました。専門用語に関するところは団体の方にしっかり合わせ、スケジュール感も段取りを組んでもらいました。今回、社協の立場としては団体さん側に立ってサポートできれば、と思っていましたが、進行についてはプロボノチームのプロジェクトマネジャーさんを中心に本当にスムーズに進めて頂きました。

    <パンフレットでスタッフの発想に変化が起こる>

    ―― 風のやすみばについて説明するリーフレットが無事に完成して3カ月が経ちました。反応はいかがですか?

    加藤さん)出来が良くて喜んで配っています。実を言うと、カフェの料理を作っている人たちは忙しくて年齢も高いので会議をすることに前向きではありませんでした。風のやすみばのリーフレットで料理の宣伝をするものでもなくて、組織全体のことというので多少面倒臭さは感じていたと思います。それが、リーフレットが出来たらいろんなお客さんに渡せて気持ちが前に進んだことが感じられます。前は料理がどうだという個別の話だったのが、会のことをもっと知らせていこうというスタッフの発想が変わったのが大きな成果です。

    上村さん)社協もしかり、NPOもいかに協力者を巻き込んで関わってもらっていくのかが重要です。社協でも「こんな活動がありますよ」と風のやすみばをご案内する際、風のやすみばさんはこれまでプロジェクトごとにチラシを作成されていたのですが、今回団体として一枚にまとめられたのは成果として大きいと思います。私たちの手元にある分もすぐになくなりプロボノチームの皆さんに尽力いただいたお陰だと思っています。

    ―― 会をもっと知ってもらいたい、とスタッフの方の発言が変わったというのは組織としての一体感の上でも大きなことでは?

    加藤さん)ボランティアは自主的な活動だから、やめるっていったらやめられる。どうやって引き止めるか、引き続きやってもらうかという時、やはり、楽しいからやってもらえるのだと思う。組織の活動を全体をみて活動趣旨を考えて、風のやすみばについてのリーフレットを配ろうという意識に変わったのは、かなり大きいと思います。

    ―― そういう気持ちになったのは、パンフレットを作ったことが影響していると思いますか?

    加藤さん)リーフレットに載せるための写真を相当数撮りました。途中でどれがいい?といったやり取りをして検討して来た物がカタチになる楽しさ、自分も関わってカタチにしていく楽しさをみんなで味わうことができたのはよい経験でした。

    (2)【板橋区】「点から線へ、そして、面へ。まちの“居場所” を地域に根付かせるには?」
    板橋区東新町「たまりば・とうしん」代表 佐々木 令三さん
    板橋区社会福祉協議会 経営企画推進課地域福祉推進係 門脇 健二さん
    プロボノワーカー 北場 彰さん・岡田 真希子さん

    ▼東京ホームタウンプロジェクト実績紹介ページはこちら

    <年間2800人が利用するサロンを運営>

    DSCF3660佐々木さん)15年間にわたり、助け合いの活動をしています。
    板橋区は2015(平成27)年の高齢化率は22.8%、第2層協議体は今年度5地域、来年以降残りの13地域で協議体をつくる予定になっています。
    桜川で2004(平成16)年に介護事業の生きがいデイサービスを受託し、はじめの3年間は週2回の活動でしたが4年目から自主サロンを一つ追加、点から面への活動拡散を図ってきました。常設のサロンがあったらまた見える景色が違うのでは、という思いでたまりば・とうしん(板橋区東新町)を開始しました。

    かたつむり方式で歩みはゆるやかですが、地域に密着して多様化・重層化するニーズのいい受け皿になることを目指して活動をしています。今年度この地区に5地域に2層の協議体が作られる予定ですが事務
    局の役割を担いたいと早くから手をあげています。

    <プロボノという、外部からの視点を活用>

    DSCF3674実は私は東新町の人間ではなく、地域におけるニーズや課題、地域資源をトータルにわかっているわけではありません。応援してくれる地域住民3人とトロイカ方式(主に3人の合議による運営)でやっています。そこにプロボノチームが入ったことで、お互いの距離が縮まり話しやすくなったと思います。たまりば・とうしんには、年間2800人の利用者がありますが、利用したことのない人へのヒアリングによって有用な情報を得られました。

    介護の分野において専門家に委ねなくていいことまで委ね過ぎて本来すべき専門的なことがむしろできなくなっている気がします。お金を払っているから何でもやってもらって当たり前の変な流れがありますが、むしろ、福祉の専門家でないことによる視点が有効で今回のプロボノチームの活動を通じて地域を俯瞰して見られました。

    ―― たまりば・とうしんは、東新町にある常設のサロンでコミュニティの方が集える空間を提供しています。サロンの企画をする人が日ごとにおられて、佐々木さんが雲の上から見てそれをまとめているというスタイルで運営されています。プロボノチームではサロンの課題を解決しながら、今後、より発展するためのサポートとして事業計画立案をお手伝いしました。
    今回、たまりば・とうしんさんとしてどんな期待をもってプロボノを受け入れられましたか?

    佐々木さん)年の割にやりたいことがたくさんあって、できたらいいなということが日々たくさんあるなか、プロボノを利用して地域の人が地域のためにやることについて道筋をつけてくれるのではないかという期待はありました。チームのメンバーが福祉の専門家でないことが大きくて、新しいスタートに繋がる期待がありました。

    岡田DSCF3684さん)化粧品会社に勤務し経営企画をしています。プロボノチームでは進行役であるプロジェクトマネジャーを担当しました。

    ―― いざ、地域の皆さまと関わっていく中で何をすべきかピンと来ましたか?

    岡田さん)事業計画と聞いていたので、チームメンバー6名で計画を作りにいったのですが、ヒアリングを重ねていく中で計画を出せばいいのではなく、佐々木さん以外の3人の方と一緒に計画を作っていくことが大事と気づきました。

     

    北場DSCF3673さん)私はアカウントディレクターという立場で全体統括としてこのプロジェクトに関わりました。プロボノ歴は3、4年で7プロジェクト経験しています。日頃は、外資系の製薬会社で仕事をしています。
    今回、事業計画といっても企業でほめられるものを作っても仕方がない。実務で展開するみなさんにも理解してもらえるものを一緒に作っていく必要がありました。

    ―― 地域の皆さんと歩みを合わせるためにどうやって進めていったのですか?

    北場さん)まずは現状把握のため、中心となっている運営メンバー3名と利用者、関係者へのヒアリング、現場見学、そして、話を聞く中で抽出された意見をお伺いすべき方として、現在たまりばに関わっていない、利用していない方、行政の方への聞き取りを行いました。どういう人に何を聞くかをチームでディスカッションしてから、グループヒアリングも含めて全部で約20名の方からお話を伺っています。

    ―― たくさんの方とお話されてどう感じましたか?印象に残ったことなどはありますか?

    岡田さん)よりよい事業計画を作るためにはやはり課題を認識する必要があって、すこしいじわるな気持ちで課題を見つけようとしたのですが、どなたからも好評価でたまりば・とうしんを嫌だという人はいませんでした。

    北場さん)お話を伺いに行く際、企業人が行くと構えられてしまうので、事前に質問内容をお出ししたり、個人ではなくグループインンタビューにするといった工夫もしました。

    <地域の皆さんとプロボノチーム、互いに得るものがある>

    ―― 具体的にたまりば・とうしんさんにはどのような提案をされたのですか?

    岡田さん)ヒアリングをしていると、たまりばに行くことが楽しいとは言われましたが、毎日通いたいけど通えないという現状があることを見つけました。日ごとのグループで分断されてしまっているということです。運営側にはコミュニティが固まっていることへの課題認識は無かったので、「毎日通えるたまりばにしよう」と提案をしました。

    ―― 地域の方々にチームの提案はどう受け止められましたか? 何か具体的な改善に繋がったのでしょうか?

    北場さん)課題をただ挙げるだけだとなかなか次に繋がらないし、現場に課題を認識してもらって改善へと落とし込むためにどうしたらいいか、と考えてワークショップを多用しました。運営している人達に意見を聞きながら、チーム側で考えられる違う選択肢も示しながら協働で計画をつくって行きました。コミュニケーションの取り方、伝え方もトップダウンではなく、地域の皆さんの思いや意見、アイデアに寄り添うことを意識しながら進めました。

    ―― そうした経験というのは普段の仕事にも役立つことはありますか?

    岡田さん)DSCF3711会社の中で怖い人のイメージを持たれていたのですが、たまりばさんのプロジェクトを通じて、人から相談されることが多くなり「怖い人」から「一緒に考えてくれる人」に変われました。

    北場さん)物事の進め方が会社とは全然違うので、仕事とはまた違ったスキルを得られたと思います。

    ―― プロジェクトが終わってみて率直な感想はどうですか?

    佐々木さん)よかったと思います。画期的なのは完了3カ月後にプロボノチームからのチェックがあって、また半年後にも来てくれる予定になっている点です。完了後も、こうした若い外部の力が関わってくれることに期待しています。

    門脇さん)日頃から佐々木さんからは社協にいろんな提案をもらうのですが、われわれではなかなか踏み込めないところ、ぐいっと一歩踏み込んで考えていけるのがプロボノの良さだと思います。地域とプロボノチームというのは、一方向でなく互いに支える支えられる関係で、プロボノの皆さんにとっても得るものがあったのだなとお話を聞いていて感じました。

    ―― 最後に一言ずつお願いします。

    岡田さん)企業にいるとクライアントのため、ユーザーさんのため、という視点はあっても自分事として考える視点はなかなかないものです。今回は、社会課題に真摯に向き合えましたし、プロジェクトが完了しても自分事として残っているのが大きな収穫だったと思います。

    北場さん)佐々木さんのような代表の話を直接聞けるのがいい機会でした。自分はこれでいいのかと会社に戻った時に肌感覚で感じられる。それがプロボノを継続してやっている理由でもあります。

    (3)【稲城市】「介護予防事業と住民の自主グループ活動の理想的なパートナーシップとは?」
    稲城市矢野口地区介護予防ラジオ体操会 安西 ハツヱさん
    稲城市高齢福祉課地域支援係 森橋 真紀さん
    稲城市地域包括支援センターやのくち 渡邉 直子さん

    ▼東京ホームタウンプロジェクト実績紹介ページはこちら

    <10年間続けてきた転倒骨折予防教室の自主的取り組み>

    森橋さん)稲城DSCF3726市は東京都心の新宿から西南25キロに位置しています。梨、ぶどうの名産地でよみうりランドがあります。

    稲城市では2002(平成14)年から東邦大学医学部の先生とともに、地域展開型転倒予防教室のモデル事業に着手しており、転ばない、寝たきりにならない住民主体の活動が始まっていました。こうした背景もあって地域の基盤づくりを早い段階から進めることができたと思います。転倒予防教室は、参加者が集まったら1回1時間半、全10回のコースの中でセラバンドを使って下肢の筋トレなどを行います。その後は、コースの参加のみで終わる場合とこのまま終わるのがもったいないということで自主グループ化していくケースがあります。サブリーダーを養成したり、市で配布しているビデオやパンフレットを見たりして体操を継続されているケースもあります。

    その他、市としては体操講師を派遣してプログラムの見直しを行ったり、体力測定を受けて頂いて下肢の筋力測定後、その方のレベルにあったセラバンドを1年に1度お渡ししてモチベーションアップして頂くような取り組みをしていました。

    DSCF3738安西さん)私自身、稲城で生まれ育ちました。多摩ニュータウンの開発後は人口が増えている地域です。小学校の教室を増設するくらい子どもが増えていて、よそとは違う現象ですが、昔から梨や米など農業主体の地域ということもあって、地域の繫がりは濃くて強いものがありました。そこに今、新しい住民の方が増えてくる中で、旧住民と新住民の分かれ目ができつつあり、それを心配しながらPTAをやったり社会福祉協議会のボランティアをやったりしながら、両方の繫がりをよく考えている一人でした。

    転倒骨折のモデル事業をやると聞いた時に、かつてPTAを一緒にやってきた人が60代、70代の人達を繋ぎ直して支えあうような地域にしていこうと思いました。自分もそこに当事者として入るわけですから、体操教室を続けるというだけではなく、教室を地域づくりの1つの核として考えたわけです。そういうことを積極的に一緒にやってみようか、という仲間を集めコースを受けました。市はせっかくいいことをなさっているのに、コースが終わった後に受講者がもう1つ教室を作ることを応援する手だてとか、継続に向けた支援にはあまり積極的ではなかったんですね。行政は担当者が変わるとトーンダウンしたり、地域の中で自主的に進め始めていることは自主活動なので自主でやってくださいと。私からも市の方に矢野口を転倒骨折予防教室の重点地域にするとか、モデル地域にしてください、ちゃんとやりますから、と言いましたが煙たがられたかもしれません。10年間ずっと続けて、最終的には150人が5つに分かれて週1回ずっと休まずに現在もやっています。

    部屋の中で椅子に座ってストレッチや筋トレをするというのは女性には合っているのですが、男性にこの中にどうぞ、といっても入れないですね。そのことをよくわかっていながら解決策を考えないのはまずいということになりました。この頃に地域包括支援センターがサポートして下さるようになって、連絡会を形成しどうやって男性が参加できるようにするか、包括の方も入って会議らしい会議を繰り返すようになっていきました。市が主催する介護予防大会にはずっと参加していましたが、介護予防大会が市から地区におりてきたタイミングで、老人会など元気なお年寄りが集まってみませんか?ということにしました。

    矢野口の介護予防大会の第一回と第二回は芋煮会をしましたが、体操をしている人が一堂に会してこんなに大勢が体操をしているということがわかったし、地理的に平坦でコンビニもスーパーもあって矢野口は年をとっても暮らしやすいよねということを確認できました。その辺りからラジオ体操をやってみない?という話になり、ラジオ体操を取り入れるようになりました。この時も市からも援助は一切なかったので全国ラジオ体操連絡会の事務局に指導員を派遣してもらい2015(平成27)年4月からラジオ体操をスタートしました。男性が近所の方と話す機会になるだろうからなるべく家の近くに会場を作ろうと4カ所場所を設けました。ラジオ体操は、小学校の校庭で朝6時半から始まりますが、男性は始まる前の10分くらい色々な話をしていて、30人くらいの参加者のうち13人くらいが男性です。

    <プロボノにより、初めて自分たちの活動を客観的に評価>

    プロボノについてDSCF3764は、私達が色々聞かれることに耐えられるかしらとか不安はたくさんあったのですが、プロボノの皆さんが上手に聞いて下さいました。10年続けてくる中で、市とのやり取りや小学校利用にも色々と壁があってたくさんの障がいを乗り越えて来ているのですが、他に話すところがありませんでした。室内の転倒骨折予防教室とラジオ体操をあわせると定期的に運動している人が200名超で何か絶対成果はあるはずと思っていても説明できる手段を持っていませんでした。プロボノさんの事業評価を受けて「地域の中で元気を作っていることの証明」と「古くからの地縁型コミュニティと、体操などのテーマ型コミュニティが上手に相まって、地域包括支援センターの細かいサポートも受けながら新しいコミュニティができあがっています」という評価をもらいました。古いコミュニティで生まれた私が新しいコミュニティ作りに関わっているというのはなんとも不思議ですが、自分達を評価する報告をされた時は言葉も出なかったです。事業評価を受ける、すなわち、私たちの活動を事業として見て頂いたということは非常に新しい展望です。地域包括ケアシステムも人の繫がりから始まると思っています。行政の方には形作りから始まってしまわないで、地域の地べたを這うような地道な広がりだったり、地域の人の繫がりをひとつずつ紡いでいくような活動について、プロボノさんの評価を参考に見直して欲しいと思います。

    ―― 事業評価の中で、地域で元気を作っている証明とは具体的にどういうことですか?活動が数字や目に見える形で評価された部分はありましたか?

    安西さん)稲城市の介護認定率が出ているのですが矢野口地域は市の平均より低くまた、認定率が上がらない状態がずっと続いていることがプロボノさんに証明いただいて初めてわかりました。一人暮らしも多く、高齢者人口は稲城市の中でも決して少なくないが、その中で要介護者が少なくおさえられていることがわかりました。矢野口のお年寄りは元気よね、とは言われていて確かにみんな明るいし、そうだと思います。でも、家から出ていない人もいるのは確かで包括や社協の力を借りて、高齢であってもある程度家から出る人は自分達の元気づくりの試みによって繋げて一緒に暮らしていきたいと思っています。

    ―― 男性がラジオ体操に参加したことで他にも効果があったと伺っています。具体的にどういうことですか?

    DSCF3749安西さん)回収率100パーセントのアンケートをとっていただいて、よく出てくる言葉を表にしてくださいました。
    「朝の空気がきれいで気持ちがいい」「1日のリズムが取りやすい」「食事がおいしい」「朝から元気におはようと言えて気持ちいい」という表現があったり、奥さん同士は仲良くなかったのに、ご主人がラジオ体操に出て話したことをきっかけに、初めて70歳近くになって地域に出て来たということもありました。ラジオ体操によって体力が向上することと共に、もう70歳を超えた人が新しいことに気づいて、人と会っておしゃべりが続いたり、老人会や吹き矢の会など他の活動にも行くようになりました。ラジオ体操をきっかけとして複合的な効果が出ていることはお伝えしたいと思います。 

    ―― ラジオ体操に参加した男性の7割が、新しい他の活動に参加したとの結果が出たと伺っています。今回のプロジェクトをご覧になっていた渡邉さんからみてプロジェクトはいかがでしたか?

    渡邉さんDSCF3760)プロボノさんの支援を受けるとなった時、地域の自主グループは地域包括支援センターがみているので、外から来た人が何をしてくれるのだろう、と思っていました。でも、関係者へのヒアリングから今回の目標を決め、どういった形で地域に入りますよ、という提案が「全然違うな」と思いました。企業の課題解決に向けた問題設定の仕方というか、私達が寄り添い過ぎてみえなかった部分があったと、最初のミーティングで感動しました。ヒアリングをする際も、どんどん深めて答えを引き出すヒアリングの方法やコミュニケーションのしかた、パワーポイントの作り方、発表のしかたなど色々と勉強になりました。

    司会)プロボノのサポートを受けて、事業が認められた、とおっしゃっていましたが、今後について何かお考えのことはありますか?

    安西さん)お金がないのでラジオを買ったりするのも社協の援助を受けていました。自主グループの場合は、社協なのか、市の高齢者福祉課なのか、頭がどこに繋がっているのかがはっきりしないので、なかなか助成金などを頂きにくい。今回、非常にいい報告書をいただいたので、これをパンフレットにしたりどう報告していったらいいかを考えていきたいと思います。 

    ―― 今回の事業評価を受けて今後の市の施策に関連することで何かお考えのことはありますか?

    森橋さん)転倒骨折予防の自主グループの核になる人は地域のリーダーの方達でいろんなところに顔を出されている、稲城市内においても群を抜いて活動的な皆さまです。これまで適切に評価できなかった理由の1つには時間がない。そして、役所の中でも自主グループに対する認識について温度差があることも事実です。私個人は自主グループが繋がっていくことで地域全体が元気になるとは思っていますが、今回プロボノさんの提案を聞いて、外から適正に評価してもらうことの重要さを感じました。と同時に地域の方も長年の取り組みが評価されたことで元気をうけたと思います。行政がすべて評価していくのか、住民主体のボトムアップの活動に地域行政が関わっていくのか。
    研修に行くと黒子になれと言われるのですが具体的にどうすればよいのかわからないところもあるのですが、地域行政と住民の方が同じところに向かうことは忘れてはいけないと思います。行政担当者として安西さんと関わり、声を聞いて、セラバンドの配布や、体操紹介をしているのだが、市は何もやってないと言われる、など葛藤もあります。自分は地域との接点があってよく現場がわかりますが、役所内では一つひとつ説明していかなければならないということもあり、市の課題も今後整理されていけばと思います。

    質疑応答

    Q:既存のサービスとして社協、シルバー人材センターのサービスと重複があると思います。風のやすみばさんのメリットとしては①手続きが簡単②サービスの柔軟性が高い③顔のみえる関係につながっていく等があると思います。逆にそうしたメリットについて、社協、シルバー人材センター、文京区の関係課ではどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか? 今後同様のサービスについて横断的に再構築していく方向性はありでしょうか?

    風のやすみば・加藤さん)ある団地でやった時に質問がきました、「誰がくるの?」と。町会のたとえば「防災訓練をやった時にいた人が来ます」そういう書き方です。何でもやりますよ、というのは一緒ですが、エリア制が違う。頼んでいる人は全く別としてとらえていると思います。

    文社協・上村さん)千石に住んでいる方であれば、地域で繋がった方がよいので、風のやすみばさんをご紹介します。また、逆に千石に住んでいない方でもご近所同士ではないことを希望される方など、さまざまな理由で、風のやすみばさんにお願いすることもあります。

    Q:たまりば・とうしんの運営資金はどのようにして集めていますか?

    たまりば・とうしん 佐々木さん)十何年間続いている区の委託事業に関わってくれる人が、最低賃金で関わってくれているので、その収支差額が若干でていて、たまりば・とうしんの赤字を補てんしています。委託事業離れをもくろんでいて、1年おいた来年のプロボノのミッションは、自主・独立の命題として決まっておりますので、ぜひまたよろしくお願いします。

    Q:稲城市矢野口地区ラジオ体操会の活動、非常に感動しました。転倒骨折予防教室から自主グループ化したグループは安西さんの他に何グループくらいおられますか?

    地域包括支援センターやのくち・渡邉さん)今、27グループあります。

    矢野口地区介護予防ラジオ体操会・安西さん)市が毎年10回の体操教室の講習を続けているから、増えてはいます。ただ、教室はポツンポツンとできていますが、地域展開型の事業と言いながらさきほども話したようにできていないと思います。 

    Q:プロボノは企業に所属する個人ですが、企業として地域包括ケア×プロボノに参画してもらう必要性は感じていますか? CSR活動や人材育成の観点からは企業がプロボノを取り入れている話は聞きますが、もっとこういうスタンスで参画してほしいというご意見があれば伺いたいです。 

    事務局)CSRであれ人材育成であれ、企業が地域包括ケアに関心を持ち、プロボノとして関わることについては、基本的に大歓迎だと思います。さらにあるとすれば、地域包括ケアが広がることによって、新たな商品やサービスが求められてくることが予測されるため、意欲的な企業であれば、新事業開発の一環として地域包括ケアに注目することができるのではないでしょうか。いずれの場合も、地域と関わる際に企業の皆さんに注意していただきたいのは、地域と関わることを目的化してしまうあまり、関わった地域にきちんとした成果を残すこと、地域側にメリットのあるサポートを生み出すことを忘れてしまわないことではないかと思います。

    Q:利益志向の企業で働く人がそのスキルを生かし、社会貢献活動をされているのは素晴らしいことだと感銘しました。このようなプロボノの取り組みが社会を変える原動力になると感じました。プロボノプロジェクト提案後、進行状況、評価をどのようにフォローされていますか?

    事務局)プロボノプロジェクトの終了直後に、まずはプロジェクトの状況を振り返ってアンケートを実施し、直後の満足度や、進行中の課題・改善点等を把握します。そのうえで、プロジェクト終了後半年~1年後に、プロボノメンバーに呼びかけ、支援先を訪問していただいています。プロボノの場合、終了直後よりも、終了してからしばらく経過してからの方が、支援の成果が現れている可能性が高いこと、また、チームも、支援先の団体さんがその後どうなったか気になっている人も多く、こうした取り組みが効果的です。

    Q:プロボノのプロジェクトを終えた後も引き続き、同じ団体を支援し続けますか? それとも他の団体を支援する別のプロボノに参加されますか? NPO団体の方としてはどちらが有り難いですか?

    プロボノワーカー・岡田さん)個人的には、継続的に新しいプロジェクトに関わらせて頂きたいと思っています。事業計画を出して、その後は気になっていて、3カ月後、6カ月後、見に行かせていただいている状態です。

    プロボノワーカー・北場さん)回答は同じです。私たちもどういう風になったのか見たいと思いますし、色々なプロボノのアンケートをとっていると、社会的インパクトに寄与できたと感じた人が関わり続けています。

    Q:企業人の一員として地域に関わってみて、ご自身のお住まいの地域への参加への意識など変わったことはありますか?

    プロボノワーカー・北場さん)マンションの理事会に入ったり、PTAに積極的に参加するようになりました。コミュニティづくりに抵抗がなくなったかなと思います。

    Q:互助を伸ばすときに共助はどうあるべきか? 行政はどのようにサポートすべきか、どのような考えがあるか、聞いてみたい。

    たまりば・とうしん 佐々木さん)後援、協賛をぼんぼんやってください。そして重要なのは後援、協賛した活動について評価してください。また、会場提供、空きスペースの貸し出しをどんどんしてほしいです。行政の中には専門職がたくさんいますから、無償で講師派遣をしてください。

    風のやすみば 加藤さん)私の考えは違うと思うのです。行政とはかなり付き合いがあるので、考え方を感じていますが、これをやる時にエリアが違う、国にしても区レベルにしても大きいところから小さいところへ網の目をやっていきます。こちらはもっと小さいところ、まさに目の前にいる人をなんとかしようと思っているので、お互い一緒にできると思っていない、あんまり求めない。皮肉でもなく切り口が違っている。あんまり協力を意識していません。

     

     

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