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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    東京ホームタウン大学講義録

    「地域参加のトビラ つながる見本市」オープニングセッションレポート
    人生100年時代を自分らしく楽しむ!~身近にあるけれど知らない世界へ。はじめの一歩の心得とは

    オープニングセッションレポート
    登壇者:髙橋伸典氏、木下紫乃氏  聞き手:嵯峨生馬
    2024年12月24日

    開催日: 2024年12月7日(土)
    会場:中野セントラルパークカンファレンス ホール

     

    登壇者:髙橋伸典氏(モチベーション総合研究所 代表/セカンドキャリアコンサルタント)、木下紫乃氏(株式会社 HIKIDASHI 代表取締役社長/キャリア相談スナック「スナックひきだし」紫乃ママ/社会福祉士)
    聞き手:嵯峨生馬(認定NPO法人サービスグラント 代表理事)

     

    動画:YouTubeにリンク
    団体紹介ブース・体験コーナーのレポートはこちら
    出展団体によるトークセッションのレポートはこちら

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    地域参加のトビラ つながる見本市」のオープニングセッションでは、新たな活動・活躍の場を模索されている皆さんに向けて、日頃からロールモデルとなるようなシニア・ミドルシニアの方々に多数接していらっしゃる髙橋伸典さん、木下紫乃さんのお二人をゲストに迎え、具体的な事例やヒントを教えていただきました。

    嵯峨:オープニングセッションでは、「人生100年時代を自分らしく楽しむ!~身近にあるけれど知らない世界へ。はじめの一歩の心得とは」というタイトルで、髙橋伸典さん、木下紫乃さんにお話をお聴きしてまいります。

    今日、お越しになった皆さまにとって、次の一歩を踏み出すヒントになることは間違いないと思います。むしろ、この場に来ていただいている方たちは、この時点で、すでに一歩二歩踏み出し始めていらっしゃるかもしれません。ですが、おそらく皆さまのご家族や身の回りの人、職場の方などで、「こう動いたらいいのにな」と思う人がいらっしゃるのではないでしょうか。そういった方たちにどんな風に声をかけていくとよいか、お近くの方にお伝えいただけるようなネタを持ち帰っていただけるかもしれない。ぜひそんな目線でも聴いていただけたらと思います。

    では、はじめにお二人から15分ずつショートプレゼンをいただきます。髙橋さんからよろしくお願いいたします。

    髙橋伸典氏によるプレゼンテーション

     

    ■定年後をイキイキ楽しく過ごすために心がけておきたいこと

    髙橋:私はセカンドキャリアコンサルタント、モチベーション総合研究所の髙橋 伸典と申します。少し自己紹介をさせていただきますと、私は10年前までは、普通のどこにでもいるサラリ ーマンでした。今は67歳ですが、この年代は、一つの会社に定年まで働く方が結構多いのではないかと思います。私も大学を卒業して34年間製薬会社に勤めて、営業、人事、人材育成と、様々な仕事に携わり、57歳の時に会社都合で早期退職をしました。それまでは再就職も転職もせずにいた人間でございます。 57歳に早期退職した時に、通常は準備をしたり、セミナーに行ったりされると思いますが 、私は何もしてなかったのです。突然辞めましたから、何をしたらいいか分からなくなり右往左往しました。最初は清々して、楽だなと思っちゃったりしたのですが、住宅ローンもありましたので、これは働かないといけないといろいろと考えるようになりました 。独立もできるかな? などと思ったりしたのですが、うまくいかなかったですね。

    それから、再就職を経て試行錯誤をしながら、なんとか独立までに至ったということです。 その活動が、おもしろい、ユニークだと目に映ったのでしょうか、テレビからの出演依頼やラジオに出させていただくことになりました。また「それだったら、あなたの“しくじり 先生”みたいな体験を話してみない?」と縁あってセミナーにお呼びいただくことになりました。 そうするといろんな人との出会いがありまして、こうしてみんな悩んでいるんだなということがわかり人にお伝えしようと、本も書くことにしました。定年1年目に不安をどう解消するかという『定年1年目の教科書』、そして、今年出したのが、今のシニア、プレシニアの方にとってどんな働き方があるのか?という具体的な例を示した『定年後自分らしく働く41の 方法』です。

    セミナーなどで話すうちに、東京都が主催されている55歳からのセカンドキャリアを支援していく東京セカンドキャリア塾で話す機会をいただきました。そこでは、55歳の方、60歳、65歳の方が考えていらっしゃることがリアルにわかりました。将来どうしようかなとか、定年後は友達ができるのかな?とお悩みの方ばかりです。でも、卒業された方を含め定期的に集まっていますと、卒業されて2~3年でだんだんと明るい顔つきになっていくのです。

    これは本当に不思議です。企業様で比較的上のポジションいらっしゃった方も、「俺、定年後はどうしたらいいんだろう?」「何もできないから」と。「何もできないことはないでしょう、そんなことないですよ」と、そういうところからのスタートだったのです。

    なぜこの方々がこのように明るい顔つきになるかということを、ちょっとお伝えしていきたいと思います。

     

    ■小さな一歩が未来のトビラを開ける

    皆さんは、なぜだと思われますか? 私は「小さな一歩」を歩まれたからと思うのです。

    一歩踏み込んだ、何の一歩かというと、皆さんが今日この場に来られているように、東京セカンドキャリア塾に入塾の申し込みをしたことがスタートだと思うのです。ある方は、新聞社の記者をされていました。定年後をどうしようかと60歳で辞められた時にこのようなセミナーに来られたのです。セミナー講師が、「新聞記者が行政書士の資格を取るのは面白く向いているから取ってみては?」ということを言われたのですが、その時に彼の取った一歩の行動がですね、帰りに本屋さんで行政書士の対策本を買った事なんです。そして、数カ月間勉強されて、試験に受かりました。 今や自分で事務所を持たれている、そういう方もはじめは「一歩」からだったのです。 他にも、ちょうど今年65歳の再雇用が終わった方が来られて、ハローワークに行かれました。再就職支援のコーナーに職業訓練校の案内がありますが、いろんな分野がある中で「庭園施工管理科」といって庭園の施工や管理に関する知識と技能が学べるクラスに行き始めたのです。今まで手掛けたことのないことを始めて、案外楽しいなと、そこで新しい自分の楽しみを見つけられた。これも一歩ですよね

    ということで一歩が大事だということはわかるのですが、そうは言ってもサラリーマンを長く続けると、自分の世界にとどまってしまうことはよくわかります。さらに会社である程度の役職になってくると、「髙橋さん、髙橋さん」なんて言っていただいて心地が良くなってきますよね。コンフォートゾーンという気持ちのいいところにいると、新しいことをするのはちょっと怖い。ですが、一歩踏み出すとちょっと違う世界が見えてきます。

     

    ■老後に備える人間関係のつくりかた

    老後の三大リスクと言いまして、「お金・仕事のK、 健康のK、 孤独のK」を足して3Kと 言っているのですが、皆さんは、どのリスクへの対処がいちばん大切だと思いますか?

    どこから手をつけたらいいかということです。お金や仕事は、以前から老後のためにお金を貯めないといけないなどと言われ、投資などをされている方も多くおられます。健康についても、健康番組を見て睡眠不足や食事に気をつけようと意識されていますよね。

    ところが、孤独、つまり人間関係づくりですね。これは結構後回しになっていませんか? 緊急性がないからです。とりあえずゴルフ仲間がいるからそれでいいや、ということになりがちです。しかし、今思うのです。人間関係は、後になればなるほど対策がしづらい。会社のぬるま湯に浸かっていた自分からすると、「今さら、急に外に出て友達作れなんて」と思いますよね。

    そこでいい方法があります。とりあえず新しいグループに飛び込んでみる、これがいちばん良いかと思います。

    たとえば勉強会やカルチャーセンターがあります。歴史が好きだから歴史の教室に行くとか、俳句とか、体操教室とか、そういったところにまずは飛び込んでみることはいちばん手っ取り早いと思いますね。そうすると、人間関係を一から作らなくてもよいのです。今日も「地域参加のトビラ つながる見本市」ということで、たくさんの団体様が来られていますので、ちょっと声をかけてみるとよいと思います。

    そして、これにはメリットがあります。会社では上下関係が強いのですが、NPO法人や趣味の会などに入るとヨコのつながりが中心になります。自分の権威を振るえませんし、うまくヨコのつながりを大事にしないといけない。そして会社には、似た人や価値観が同じような人が集まりがちですが、こういう場にはいろんな人がいて面白みがあります。

    とはいえ、こういうつながりが大切だろうとは思うけれど、なかなかつながりづらいものです。そこでいい方法があります。“共通項”があると、急に親しくなるということはありませんか?

    たとえば、「あんなやつと話したくないな」と思っていても、話すうちに「あっ、阪神タイガースファンなの?イイやつだな。阪神タイガースファンに悪いやつはいない!」となると、たった一つの共通項をきっかけに一気に親しくなったりすることがあると思います。スポーツが好きだとか、カラオケが好きだとか、音楽が好きだとか「あ、君も好きなの? 僕も好きなんだ」という感じで親しくなるということが、ポイントかもしれません。

    そんなチャンスはなかなか訪れるものでないよ? と思われる方のために、ちょっと固いですが、1つの考え方をお伝えしたいと思います。

    これは「計画的偶発性理論」と言います。自分の将来の働き方について、「キャリア」の領域で有名なアメリカの教授クランボルツ先生によると、「こうなりたいと思っている人の80%は計画通りにいかない」という話です。

    何が言いたいかというと、「偶然」によって自分の生き方や働き方が決まってくるという話です。人生って自分はこうしたいと思っても思い通りに行かないですよね。偶然によっていろんなことが左右されていくのです。それが普通なんです。

    その偶然を、自分の良いようにたくさん起こすことができるという考え方が、計画的偶発性理論です。いわゆる偶然で成り立っているものを計画的に起こそうよ、そういう考え方なんですね。今日ご一緒している木下さんもそうですが、話していると、うまくいっている人はこれを実行している人がほとんどです。

    では次に、偶然を自分の良いように起こすにはどうすればいいかをお示しします。この5つです。

    まず、「好奇心」です。とにかく新しいものがあればやってみようという好奇心が一つですね。次は「持続性」です。失敗しても、まあダメ元で何度でもやってみましょうということです 。次に「楽観性」です。何事もポジティブに考える。物事には表裏の両方がありますから 、どちらにも解釈できます。ポジティブばかりでも脳天気だなと言われますが、捉え方をちょっと楽観的に捉えることも結構大切かもしれません。 あとは「柔軟性」です。私の年代の方は特に、こだわりすぎず柔軟に若い人とも話してみ たりすると、案外いい情報が入ってくるということがあります。最後の項目は「冒険心」を持って、わからないなりにチャレンジしていく。今日は良い機会ですね。たくさんの団体様が来られているところにとりあえず入ってみることで、何かが生まれるかなと。偶然を作るその一歩が、次につながると思っております。皆さんのこだわりを捨ててとりあえず行ってみましょう。ここは良さそうだなというところに一歩を踏み出す。合わないところには、失礼しますと言ってすぐに移られたらいいと思います。ぜひ、共通項を見つけるために、自分に合うものを探していっていただけたらと思います。ありがとうございました。

    嵯峨:ありがとうございました。それでは、続いて木下さん、よろしくお願いいたします。

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