横浜育ち。10人兄弟の一人。5歳で関東大震災を経験。昭和17年頃に結婚し、都内に転居。和裁を生業とした。
東京まちかど通信
VOL.16
地域のお元気さん
お元気なシニアをクローズアップ!健康の秘訣や趣味などをご紹介します。
今年度、100歳を迎えられるお元気な方6名を取材しました!
西村 㐂美(にしむら きみ)さん
(満100歳 世田谷区在住)
〈プロフィール〉
──普段はどのようにお過ごしでしょうか?
普段は、週3回デイホームに通ったり、ボランティア団体主催の食事会に参加したりしています。デイホームでは体操や塗り絵等を楽しんでいます。
また、今年の夏は、自治会主催のラジオ体操に参加し、皆勤賞をいただきました。
──趣味について教えてください。
60歳ごろから長女に伴われ、海外旅行を始めました。北極圏、南極圏、アメリカ、ケニアも旅行したことがあります。昨年はベトナムに行きました。
──好きな食べ物はありますか。
食欲があり、お肉とお野菜が好きです。ステーキやとんかつもおいしくいただいています。
──長生きしてよかったと思うのはどんな時ですか。
若い頃は病弱の夫に変わり、和裁で一生懸命働き、生計を立てました。長生きしたことで、娘と様々な国を旅行し、ペンギンやオーロラを見ることができ、とてもよい思い出になっています。100歳まで長生きできてありがたいです。娘に感謝しています。
伊藤 ミツ(いとう みつ)さん
(満99歳 大田区在住)
〈プロフィール〉
新潟県佐渡島出身。生家は漁業を営んでいた。5人姉妹の3人目。姉妹は元気で長生きだった。紡績工場で働くため、12歳で上京。紡績工場で10年間働いた後、大工さんのご主人と知り合いご結婚。
──若い頃の話をお聞かせください。
東京で働くのは、若い人の憧れだったので、東京に出てきたときにはうれしかったです。仲間とともに仕事に精を出し、皆親元に仕送りするのが励みだった。紡績工場の宿舎の食事はおいしかったですが、特にカレーライスが人気でした。
休日には浅草などに遊びに行き、女子教育では洋裁、和裁、お花等会社で習わせてくれまして、私は、和裁を習いました。結婚してからは、多い時には20人くらいの職人さんが住み込みで働いていて、子供6人と故郷からは甥、姪も東京に来て、家から学校、職場に行き、大所帯の朝昼晩の食事の準備や家事を担っていました。ご飯は、3升炊きの羽釜で、薪を使って炊いていました。
──趣味や日課について教えてください。
趣味は日本舞踊と民謡です。50年間にわたって、仲間たちと踊り、発表会にも参加しました。また、デイサービスを週2回利用しており、紙折りなどを楽しんでいます。じっとしているのはいやで、車いすを使いますが、外出は大好きです。2020年のオリンピックも見に行きたいと思っています。家族全員の洗濯物を畳むのを引き受けています。和裁は何でも縫えますが、今は目も悪くなり縫っていません。
──元気の秘訣があれば教えてください。
体に悪いところはなく、薬も飲んでいません。好き嫌いなくいろいろなものを食べているのが元気の秘訣ではないかと思っています。ステーキも食べられます。もともとは魚が好きでしたが、年を重ねてきて、肉が好きになってきました。その他、カレーライス、スパゲティミートソース、ピザも大好きです。
──長生きしてよかったと思うのはどんな時ですか。
皆家族が100歳を祝ってくれました。長生きできて、家族に囲まれて食べるのに困らない、これ以上の幸せはないと思っています。皆さんに助けられて、大正、昭和、平成と生きることができました。
宇田川 ふさ(うだがわ ふさ)さん
(満100歳 江戸川区在住)
〈プロフィール〉
文京区生まれ。戦時中に空襲を逃れるため、江戸川区に移り住んだ。父は建設業、母は専業主婦だった。学生時代はバスケットボールの選手だった。師範学校を卒業したのち、小学校で教職に就くが、出産を機に退職した。最初の教え子は90歳で今でも交流がある。
──趣味や日課について教えてください。
朝、洗濯するのが日課です。テレビで、野球や相撲観戦するのが好きです。手芸が昔から得意で、今も造花などを製作しています。セーターなどの編み物も得意でした。今でも日記をつけています。最近は暑いので、のんびり暮らしています。(取材は夏季に行った。)
──お好きな食べ物はありますか。
食べ物は肉が好きです。その他、納豆や酢の物など、健康によさそうなものが好きです。お米が大好きです。パンは殆どいただきません。
──長生きの秘訣は?
17年務めた民生委員の活動と、町会での94歳までやっていたリズム運動です。家族と一緒にいるのが好きで、食事の用意をしたり、子供にセーターを編んだりするのが好きでした。100歳まであっという間でした。何事に関しても無理をしないように務めました。
遠藤 美代(えんどう みよ)さん
(満99歳 武蔵野市在住)
〈プロフィール〉
佐賀県唐津生まれ。ご両親は製材所や劇場、発電所を経営。学生のころはバレーボールの選手だった。女学校を出て、東京で2年ほど勤務。戦中は満州で暮らすが、戦後、昭和21年秋に日本に引き揚げる。35歳から10年余り動物ぬいぐるみの制作事業を営みデパートに収めた。56歳頃より自宅で茶道を教えていた。去年まで一人暮らしをしていたが、昨秋から息子夫婦と同居を始めた。
──動物ぬいぐるみの製作事業について教えてください。
35歳頃、ぬいぐるみの製作を始めて、一時は3人の住込み職人さんとともに製作していました。車のアクセサリーとしてよく売れました。布地などを問屋から仕入れたり、息子も詰め物のおがくずの仕入れを手伝うなど、家族で忙しい毎日でした。
──趣味や日課について教えてください。
ゴルフや車の運転が好きでした。車を運転して夫とともにゴルフに行きました。また、海外、国内の旅行によく行きました。今でも麻雀が好きで、テレビゲームの麻雀を毎日しています。週に1回、デイサービスを利用して、リハビリ体操を楽しんでいます。日々、食欲旺盛です。朝は食パンをトーストして一人で食事しています。歯は全部自分の歯です。
──100歳までは長かったですか?短かったですか?
あっという間でした。
──長生きの秘訣は?
親譲りのものだと思います。小さいころは、交通機関が未発達だったこともあってよく歩いたし、よく泳いで遊びました。
戸上 シズ (とがみ しず)さん
(満99歳 世田谷区在住)
〈プロフィール〉
京都府出身。4人兄弟の女性一人。女学生時代は、裁縫や服の仕立てを習う。結婚に伴い上京。上京後は、裁縫で鍛えた持ち前の手先の器用さを活かして、嫁ぎ先の表具店を手伝う。4人の子供、8人の孫、10人のひ孫に恵まれる。
──体調はいかがですか?
良いです。もともと、あまり病気をしませんでした。今も体が痛むなどはありません。歯も全部自分の歯です。
──趣味や日課について教えてください。
女学生時代は、陸上競技の短距離種目の選手でした。今でも、陸上競技がテレビで放送されると見ています。手先が器用で、鎌倉彫りの製作や、裁縫、仕立てが得意です。それから毎年梅酒を作っていて、時々自分でも飲みます。普段は、買い物や料理をしたり、テレビを見たりして過ごしています。きれい好きで、お部屋の掃除をよくします。お風呂も一人で入っています。
──長生きの秘訣は?好きな食べ物や普段の食事について教えてください。
魚を食べて育ったので、長生きなのかもしれないと思っています。今では肉も好きで、好き嫌いなく、なんでも食べています。
──100歳までは長かったですか?短かったですか?
100歳まではあっという間でした。戦争で大変なときもあったけれど、子育てや家族の世話、仕事が充実していました。
吉水 リウコ(よしみず リウコ)さん
(満99歳 世田谷区在住)
〈プロフィール〉
出身は宮崎県。宮崎でひとり暮らしをしていたが、5年前(94歳の時)に上京し、家族と同居。孫3人、ひ孫5人。平成22年度エイジレス・ライフ実践者として内閣府より表章。
──体調はいかがですか?
今まで病気らしい病気をしたことがないです。現在、薬も飲んでいません。胃カメラを飲んだ時に、医師からきれいな胃と言われました。昨年2月、古い圧迫骨折が原因で、茶碗も持てなくなりましたが、入院はせず、娘がマッサージをしてくれ、5月にはグランドゴルフに行けるようになりました。
──趣味や日課について教えてください。
グランドゴルフを週2回やっています。今年は暑いので、8月は外出を控えていました。92歳までミニバレーをやっていました。グラウンドゴルフは会場まで20~30分徒歩で行き、雨が降っても雪が降っても通っています。
日々、テレビを観たり、ウェーブリングで体をほぐしたりしています。新聞も毎日読んでいます。
──長生きの秘訣は?
何でも一人でやることです。一人で耳鼻科、眼科に行きます。ボタンが取れても自分で縫いますし、洗濯物を取り込みます。年末にはそば粉からそばを打ちました。
──好きな食べ物や普段の食事について教えてください。
好き嫌いはありません。魚をよく食べますし、お風呂上りにプロテインを飲みます。
──今後、挑戦したいことはありますか?
2020年オリンピックまでは生きたいと思います。