このページの本文へ移動
  • サイトマップ
  • 都庁総合トップ
    • 大きいサイズ
    • 標準のサイズ
    • 小さいサイズ

    東京まちかど通信

    リタイアしたシニアの“居場所づくり”を支援したい

    世田谷地域デビューの会 代表 真貝高三(しんがい たかみ) さん

    世田谷区に、会社勤めから定年退職したシニアなどの“地域デビュー”を支援する会があります。その名も「世田谷地域デビューの会」。代表を務める真貝高三さんや、同じく地域活動を行っている仲間に、活動内容やその手応えなどについてうかがいました。

    映画は『降りてゆく生き方』という、まさにリタイアをテーマにした作品を取り上げています

    ――「世田谷地域デビューの会」の活動内容をお教えください。

    「当会は、約30人の会員同士の、いわば“ハブ”の役割を担っています。それぞれの地域で活動する会員を介して仲間の輪を広げる場ですね。月に1回、定期的に会合の場を設けて情報交換を行うほか、セミナー映画の自主上映にもトライしています」

    ――映画の自主上映は、どのような意図で実施されているのでしょうか?

    「映画は『降りてゆく生き方』という、まさにリタイアをテーマにした作品 を取り上げています。どなたにも観てもらえますが、これからの人生を考えてもらおうという主旨です。なお、映画やセミナーはその1回で終わりではありませ ん。開催の1週間後に、それらの内容について“語る会”を設けるなど、参加者の交流を促進する機会づくりを工夫しています」

    好きなことでないと、長続きしませんからね(笑

    「世田谷地域デビューの会」 代表 真貝 高三(しんがい たかみ)さん「世田谷地域デビューの会」 代表 真貝 高三(しんがい たかみ)さん

    ――「世田谷地域デビューの会」以外でも何か活動をされていますか?

    「“地域デビュー”を支援するNPOの『笑顔せたがや』に参画し、地元である千歳烏山駅前の拠点で相談業務を手がけています。また、“地域デビュー”を支援する世田谷区の講座を受け持っていますが、より活性化させるためには各地区において実地でサポートするコーディネーターが必要です。そこで、世田谷・上町で“上町の居座香弥(いざかや)”という、地域の方が気軽に立ち寄ってネットワーキングできる拠点を設けてコーディネートを行っています」

    ――真貝さんご本人の“地域デビュー”までの経緯をお教えください。

    「2004年に会社を定年退職後、再就職支援講座で住まいのリフォームに ついて学びました。そのことを聞きつけた知人から『地域活動を手がけるNPOが、地元の芦花公園に地域の人が集うためのログハウスを建てるから手伝って』 と頼まれ、一も二もなく参加しました。そのNPO『芦花公園花の丘友の会』理 事長の田瀬裕水(ひろみ)さんと知り合ったことが、地域活動を始めるきっかけとなりました。2006年のことです。そこで地域活動というものに興味を持 ち、世田谷区が行っている『地域デビューワークショップ』に参加し、“地域デビュー”についてレクチャーを受けました。そして、その卒業後に気の合った受 講仲間と任意団体として『世田谷地域デビューの会』を結成したのです」

    芦花公園内にあるログハウス。 ボランティアの方にご御協力いただき、運営しています。芦花公園内にあるログハウス。
    ボランティアの方にご御協力いただき、運営しています。

    一体自分は何のために生きているのか?

    ――「世田谷地域デビューの会」を結成した動機はどのようなものでしたか?

    「会社を定年退職してみると、有り余る自由時間とともに年金生活が始まる ことに直面し、『一体自分は何のために生きているのか?』という素朴な疑問を持ちました。そして、それまで会社にあった自分の居場所は、自分が暮らす地域 に見出すしかないことを悟るわけです。それを確保できないと不安になって健康にも影響してしまいます。けれども、多くの人はそう自覚してもどうすればいい かがよくわからない。そこで、自分がほかのリタイアした人が“地域デビュー”を果たして地域社会に参画することに少しでも役に立とうと思ったのです。思え ば、以前から人の世話を焼くような仕事が性に合っていました。好きなことでないと、長続きしませんからね(笑)」

    ――活動の手応えはいかがですか?

    「お金目的ではなく、人と人がつながることができる社会がいい社会だと思います。そんな社会づくりに少しでもお手伝いできればと思ってやっていますが、ネットワークが広がって充実している人を見ると嬉しくなりますね」

    img10

    ――今後の課題はどういったことでしょうか?

    「一番は、活動資金の確保と活動の継続です。現在は会費制で運営していま すが、今後は行政と協働して運営していくしくみを模索していきます。その一歩として、区が運営するセカンドライフ講座などの企画運営にも携わっています。 だからこそ、リタイアしたシニアにはどんどん参加してもらいたいですね」

    こういった活動をしていると、あちこちに顔見知りができて心強いですね

    左から真貝さん、岡崎さん、菅野さん、大関さん左から真貝さん、岡崎さん、菅野さん、大関さん

    同会のメンバーにもお話をうかがいました。

    岡崎宏(おかざき ひろし)さん

    ——地域活動の内容についてお教えください。

    「2008年5月に定年退職し、今年から『エコひろば』というNPOに参 加して、環境に役立つ活動に携わっています。そこでは種々の活動をしていますので、自分にあった仕事が選べ、私は主として傘の修理を担当しています。都合 のつ付くときに行けばいいので気が楽ですね。傘の修理という小さなことでも、喜ばれれば達成感はありますよ。」

    ――地域活動を始めた経緯と今後のビジョンはいかがですか?

    「学校や会社の同期会に参加して定年退職後に時間を持て余している人が多 いことに問題意識を持ち、世田谷区の『セカンドライフ講座』を受講。そこで元代表鈴木さんの講演を聞いて『世田谷地域デビューの会』への参加を決めまし た。仕事と格闘していた会社員の日々と現在とのギャップに折り合いをつけることは、正直言ってまだできていません。いくつかの地域活動団体に参加しなが ら、自分をより生かせる居場所探しにチャレンジしています。」

    菅野達夫(すがの たつお)さん

    ――地域活動の内容とその手応えについてお教えください。

    「ソーシャルビジネスにかかわりたいと、積極的にいろいろなコミュニティ 団体に参加して地域情報を収集しています。その中で、区民スタッフになり、シニア層向け情報誌のレポーターという仕事を得ました。様々な人々やイベントな どを取材し、新しい出会いの連続で非常に刺激的ですね」

    ――地域活動を始めた経緯をお教えください。

    「2009年3月に定年退職しました。以前から、退職したら地域に根ざし た貢献をしたいと思っていたので、世田谷区のお知らせで財団法人世田谷区産業振興公社が主催する『世田谷かやっく創業塾』を知り、さっそく応募しました。 そこで地域密着型ビジネスを学んだ他、区の『セカンドライフ講座』など様々なセミナーや講座に参加しました。『世田谷地域デビューの会』も岡崎さん同様そ こで知りました」

    大関淑子(おおぜき としこ)さん

    ――地域活動を始めた経緯をお教えください。

    「2009年3月に広告会社を定年退職しました。在職中は忙しく働いてい たこともあり、地元とのつながりはほとんどありませんでした。退職後しばらく、『今日は何をした? これでいいのか?』と自問し、もの足りない日々を過ご していました。そこで、まずは地域のウォーキングクラブを見つけて参加し“地域デビュー”しました。2010年4月からは、世田谷区の『生涯大学』に参加 しています。実は、故郷でケアハウスを開きたいという夢があるのですが、地域活動との兼ね合いをどうしていくか、ちょっと迷っているところです」

    ――地域活動のよさはどういったところに感じていますか?

    「『生涯大学』で有意義な時間の使い方などを学べるほか、その後で気の合った仲間と飲み会を開いたりと楽しく過ごしています。こういった活動をしていると、あちこちに顔見知りができて心強いですね」

    なお、取材当日は「世田谷地域デビューの会」以外の地域活動仲間も集まってくれました。
    一級建築士として活躍中の福澤清(ふくざわ きよし)さんはまだ“現役”ですが、NPOせたがや街並保存再生の会の委員を務めたり、NPO『芦花公園花の丘友の会』にも参加するなど地域活動に積極的にかかわっています。
    「生まれ育ったこの街の移り変わりが惜しくて、昔から写真を撮って記録しているんですよ。地域活動を楽しみながら、この街をいい街にしたい、結果的に恩返 しをしたい、という思いでやっています。会社勤めではなく、自分で事業をやっているので、時間的な面で融通がつけやすいメリットはありますね。」
    そして、真貝さんを地域活動にいざなった76歳の田瀬さんは、地域活動の“先輩”として数多くのシニアと接してきました。そこで、次のようにアドバイスしてくれました。
    「やりたいことが見つかるまで、あちこちの活動に顔を出すことです。そうして見つけた人は、目の輝きが違いますね」

    上の段 左から福澤さん、菅野さん、岡崎さん 下の段 左から田瀬さん、真貝さん、大関さん上の段 左から福澤さん、菅野さん、岡崎さん
    下の段 左から田瀬さん、真貝さん、大関さん

    世田谷地域デビューの会

    • 住所: 世田谷区駒沢4-18-18
    • 電話番号: 03-3421-0056
    ■プロフィール

    真貝高三(しんがい たかみ)
    1943年12月21日生

    出身地  新潟県柏崎市
    会社歴  学校卒業後、60歳定年まで勤務
    2004年3月31日退職
    退職後 就業支援職業訓練校 リフォーム科
    都立芦花公園花の丘トンボ池プロジェクト(ログハウス建設)参加
    世田谷区主催生涯現役プロジェクトワークショップ参加
    世田谷区主催人材育成講座「ひと・まち塾」受講
    東京都団塊世代・元気高齢者地域活性化推進協議会参加
    上町居座香弥(代表)
    世田谷地域デビューの会(代表)

    ページトップへ戻る
    Copyright © 2015-2024 Bureau of Social Welfare, Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.