【終了】2018年度東京ホームタウン スタディツアー 訪問先⑤
訪問先⑤ NPO法人 おでかけサービス杉並(杉並区)
【団体の活動概要: 移動サービス・外出支援】
“市民ができることで暮らしを自治していこう”という思いのもと、2004年に地域住民の有志でNPOを設立し、移動サービス事業を2005年から開始。現在は、介護認定を受けたり障害があり一人では公共交通機関を利用しての移動が困難な方を対象とした、福祉車両や乗用車による「福祉有償輸送」と、付き添い等の外出支援を中心に行う「NEKOの手サポート」のほか、外出に関する電話相談も受け付けています。月に約450件の依頼がある福祉有償輸送では退職された元気高齢者など約20人が運転協力員として活躍されています。
※総合事業における「訪問型サービスD」は実施しておりません。
※こちらの団体は、2015年度東京ホームタウンプロジェクトで支援した「全国移動サービスネットワーク」の会員団体です。
【訪問当日のスケジュール】
●日程 2018年10月30日(火)9:30~13:00(集合09:15)
▽スケジュール
09:15 | JR・東京メトロ丸ノ内線「荻窪駅」北口集合 |
↓移動 ※徒歩約10分 | |
09:30~11:30 | 「ウェルファーム杉並」到着 活動紹介と移動サービス現場の見学 ★視察のポイント (以下の内容は当日の状況により変更となる可能性があります、ご了承ください) ●当日、実際に移動サービスを利用される方の乗降・ご案内現場を一部見学(実際の利用者の状況により、デモンストレーションに変更する場合があります) ●団体代表、運転協力員として活動している方から活動紹介 |
11:30~13:00 | 感想共有・ワークショップ形式での参加者どうしの情報交換 ※昼食ははさみません。お菓子などの軽食をご用意します |
13:00 | 現地解散 |
◆ツアー当日実施レポート◆
好天に恵まれたツアー当日、杉並区の「おでかけサービス杉並」さんを訪問してきました。
「おでかけサービス杉並」では、福祉車両等を使った「福祉有償運送」と呼ばれる移動サービスと、付き添い型の外出支援「NEKOの手」の両方の活動を行っている団体です。地域住民有志の活動として地域に根をはり、10年以上にわたって、「移動」に困難を抱える高齢者や障碍者の方々を支援しています。車両による移動サービスの依頼は月に約450件にも及ぶそうです。
今回のツアーでは、車両による移動サービスのデモンストレーションを実際に見せていただき、ツアー参加者の皆さんも、車いすが2台入れるようになっている福祉車両の中まで見学したり、定年後の第2の人生として運転協力員(移動サービスの運転手)として活躍している田口さん(写真・右)のお話をお聞きしました。
田口さんは定年後の楽しみややりがいを探していた時にこの活動に出会い、車が好きだったこともあって5年前から運転協力員に。「いろんな場所に行けて人とも話せて楽しい。最初に送迎を担当して帰宅した時は、定年退職してから初めての達成感・充実感・満足感を味わいました」とお話くださいました。運転協力員のうち約10名ほどが田口さんのように定年後に活躍している男性なのだそうです。
依頼者と運転協力員をマッチングしているコーディネーターの野口さんは「移動の困難を解消するのはもちろん、こうしたサービスを利用することが、“外に出るきっかけ”にもなってほしい」と語ります。
最近では、例えば通院ひとつでも行き帰りの送迎を車による「移動サービス」で、病院内の付き添いを「NEKOの手」で、と組み合わせるようなニーズも増えているそうです。
おでかけサービス杉並の皆さんにお話を伺ったあと、ツアー参加者で行ったワークショップでは、団体代表の樋口さんがおっしゃっていた「活動は気持ちよく、楽しく」という言葉が印象的だった、という感想が多数聞かれ、その気持ちを持ちながら自分たちも自分の地域で活動していきたい、と各自で具体的な行動目標を宣言。また今回のツアー参加者には、なんと小笠原村の社会福祉協議会職員の方や、介護士をしている方、グリーフケア団体の方など多様な活動に携わる方々がそろい、活発に意見交換がされました。