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    東京まちかど通信

    第13走者 関口久子さん

    永田拓也さん第12走者
    扇橋診療所
    永田拓也さん
    関口久子さん第13走者
    赤羽北高齢者
    あんしんセンター
    関口久子さん

    いつまでも健やかに住み慣れた地域で生活していけるよう、新しいアイデアと行動力で、必要とされる支援を提供できる地域づくりを行っています。

    ——ふだんのお仕事について教えてください。

    地域包括支援センターは、概ね65歳以上の方の総合相談窓口です。北区は23区で最も高齢化率が高く25.3%(平成29年5月1日現在)、現在17か所のセンターが設置されています。私は、赤羽北の地域包括支援センター(高齢者あんしんセンター)で、虐待対応、権利擁護事業、認知症カフェ、サロン、体操教室、予防プラン作成、介護支援専門員への支援などを担当しています。

    ——現在のお仕事を始められたきっかけを教えてください。

    私の生まれ育った長崎県は、夏になると決まって原爆特集が放映されます。高校生の夏休みに原爆記念病院のとある医療ソーシャルワーカー(以下、「MSW」という。)が紹介されました。その方は、東京生まれ東京育ちで、卒業と同時にゼミの先生の紹介で長崎原爆記念病院へ就職されたとのことでした。その生き方に魅かれて会いに行った際、「あなたもMSWになったら」と言われました。

    その数年後、東京の結核病院でMSWとして職に就きました。患者さんは、東京の山谷や横浜の寿町地区の住所不定の方が大半で、驚くことばかり。日曜日になると寿町に出向き、ドヤに住む高齢者と交流もしました。結核は治療に時間がかかり、半年から1年といった長いスパンで入院となります。その緩やかな時間の流れが若い私に物足りなくなり、3年で救急病院に転職し、その後20年間 MSWとして勤務しました。

    病院で働いていた時に、埼玉県の「生活介護ネットワーク」の活動に関わらせていただきました。そこでは、地域の方と共に自らが老いていく町で「ボケても普通に生きられる」ことをテーマに、公民館に隣近所の有志の方が集まり、認知症高齢者の実態を把握するための調査を実施したり、ミニデイサービスを運営するなど多岐にわたる活動をしていました。この活動に参加していくうちに、「自分の地域でも同様のことが行えたら…」という思いが強くなり、地域づくりに携わるため、自分の生活圏域の在宅介護支援センターに転職しました。

    ——これまでの取組や、現在取り組まれていることを教えてください。

    これまで職場では、「すべてが地域づくりの種まき!」と思って行動してきました。民生委員さんを誘って地域づくりセミナーに参加したり、区に提案して高齢者実態把握調査を実施したり、浮間・赤羽地域の医療機関や介護支援専門員との勉強会「うきあか会」の開催や、介護保険施設間のネットワーク構築の取組(合同研修・物品貸出)など、いずれも10年以上続けています。

    体操サロンの立ち上げでは、介護老人保健施設や特別養護老人ホームといった施設が、地域に貢献したいと思っていらっしゃるとのことで協力いただいたり、修道院のシスターが高齢化で足腰が弱くなり、困っているとの情報を聞きつけ、修道院でサロンを立ち上げたこともあります。

    また、児童や障がい者との協働も常に意識しており、ろうあ者の方に参加いただく「デフ・サロン」を立ち上げて7年目になりました。今年度は新たに、障がい者施設とタイアップして、買い物が不便な地域で高齢者のための「移動スーパー」を企画中です。地域包括ケアシステムの追い風を感じながらも、高齢者一人ひとりにとって何が大切なのか、方向性を間違えないよう取り組んでいきたいと思います。

    ——大変だなと感じることや苦労されたことはありますか?

    人を相手にする仕事なので、相手のどこまで入っていくかが難しいところです。ご自宅を訪問し、おばあちゃんはご家族と一緒に住みたいとのご意向だったので、デイサービスの利用を提案したところ、ご家族は一緒に住みたくないとおっしゃるケースもあります。こうしたケースで、本人と家族の意向を調整していくのは大変です。

    また、虐待のケースは、なかなかスムーズにいかないことも多く、そうした日々の苦労は当然あります。

    人相手だから簡単にはいかない、他人の気持ちは自分の尺度で測れないために、失敗もあります。一方でこうした失敗から学び、次につなげるようにしています。

    ——地域福祉の担い手の方やこの仕事を目指している方へのメッセージをお願いします。

    地域包括支援センターは、決まってやらなければならない業務のほかに、ある意味では、今はないものを地域に作っていける仕事だと思います。若手の職員には、やりたいと思っているものがあったら企画しなさいと言っています。「地域にこんなサービスがあったらいいな」ということが、やり方によっては実現できます。自分の企画力が活かされるところだと感じています。

    自分たちの住んでいる町を良くしていくために、その一人の担い手として携われるというのは、本当に楽しい仕事なんだよ、ということをぜひ、体験して欲しいですね。

    職場の方から見た関口さん

    本間さん

    発想力や想像力という面で、自分は足元にも及ばないと感じています。新しい発想を得たい際に相談させていただきますし、毎日関わる中で、少しでも自分の考え方の幅を広げたいと思います。元々MSWをされていて、医療や障害の制度の知識も持っているし、地域での人脈もすごくお持ちです。関口さんは、この仕事をやるために生まれてきたというくらい、まさに天職だと思います。

    木下さん

    関口さんとは、介護保険制度が始まったときからずっと、10数年一緒に働いていて、家族より一緒の時間が長いかもしれないですね。ヘビーなケースを率先して引き受けてくれたり、関係機関とのやりとりも積極的に行ってくれます。この仕事には、正しい答えなどありませんが、関口さんは何でもやるというか、よくそんなにアイデアが出てくるなあと思いますね。頼りにしています。

    インタビューを終えて

    持ち前の発想力と行動力で、新たなアイデアを生み出し、関係機関を巻き込んでそれを実現して来られた、パワフルな関口さん。今のお仕事にとてもやりがいを感じ、楽しんでいらっしゃいました。

    地域をより良いものにしていこうという、熱い思いが伝わってくるインタビューでした。

    関口さんの職場はこちら

    東京都北区赤羽北高齢者あんしんセンター(地域包括支援センター)

    高齢者あんしんセンターは、高齢者のみなさんを介護、福祉、健康、医療などさまざまな面から総合的に支えるために設けられました。主任介護支援専門員、社会福祉士、保健師、見守りコーディネーターなどの職員がそれぞれ専門性を活かしつつ、互いに連携をとって「チーム」でみなさんを支えています。

    (公開:2017年8月16日)

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