──配食サービスのボランティアについてお聞かせください。
配食で利用者さんと
毎週木曜日、昼食の弁当を配るボランティアに参加しています。あきる野市の社協のふれあいセンターで、調理ボランティアが作った弁当を自家用車で利用者宅へ届けています。利用者は高齢者で、自分で調理することが難しい事情を抱えている方が多いのです。料理は、温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに届けることが大切です。配食の重要な目的の一つは利用者の健康状態の確認で、他に会話による利用者のストレス解消です。利用者の多くは一人住まいで、会話を欲しています。利用者の顔色等を観察しながら明るく希望のある話を心がけ、可能なかぎり利用者が話すように仕向けます。そのため、ふれあいセンターに戻るのが、いつも遅くなってしまいますが。
──ご自身で畑を耕しているとお聞きしました。詳しくお聞かせください。
畑で体を動かします
定年退職後、畑を借りて通年、米以外は殆ど育てています。夏はナス、トマト、キュウリ、スイカ、ゴマ、冬は大根、白菜、葱等。収穫物はふれあい食事サービスに提供し、また、ご近所に配って喜ばれております。時にはカンパして戴き、被災した東北の小学校へ少額ですが全額義捐金として送ります。困っている人に手を差し伸べるのが「人の道」と考えるからです。
──最後に、シニアの方へメッセージをお願いします。
配食しながら談笑
元気の源は常に明るく社会参加し、新しいことに挑戦すること。人と交わり、頭と体を動かすこと。幸い私は畑で体を使い運動、食欲、睡眠、仲間に恵まれた快適な毎日です。
〈インタビューを終えて〉
夫婦が仲睦まじいことがとても印象的だった、清水夫妻。地域の方に親しまれていることが感じられました。インタビューにご協力いただきありがとうございました。今後も、ますますお元気にご活躍ください。
団体のお元気さん
地域で活動している高齢者団体を紹介します。
NPO法人 高齢社会の食と職を考えるチャンプルーの会
〈団体プロフィール〉
「ひろばサラ」での活動
歳をとっても住み慣れたまちで安心して暮らし続けるために、人のつながりをつくることを目的に活動しているNPO法人団体。商店街の中の3店舗を拠点に、安心・安全で、栄養バランスのよい食事ができる「レストランサラ」、一人ひとりに合ったケアと家庭的な雰囲気の「デイサービスサラ」、地元の人の交流の場としてこどもからお年寄りまで参加できる講座や教室を開催する「ひろばサラ」を運営している。
──NPO法人 高齢社会の食と職を考えるチャンプルーの会(以下、チャンプルーの会)の立ち上げの経緯を教えてください。
1998年立川市若葉町で、日ごろから付き合いのある女性同士の会話からはじまりました。高齢化はもう目に見えていたので、「歳をとっても美味しいものを安心して食べられ、そこが自分たちの仕事の場所・居場所になるようにしたい」そんな思いから周囲に呼びかけ、資金や人材も地域のネットワークへの働きかけを通じて集め、1999年「レストランサラ」を開店しました。高齢者の食事の好みをリサーチし、手作りで栄養バランスのとれた料理が自慢です。個人宅への配食の他、週に1回「おしゃべりの会」を開くなど、地域に密着したレストランの運営を目指しています。
──ひろばサラについてお聞かせください。
レストランサラ
「レストランサラ」の開店当初から2階を趣味活動の場として地元の人たちに提供していました。2階が手狭になってきたことから、2001年に同じ商店街に「ひろばサラ」を開設しました。いろいろな催しをひらき、子どもからお年寄りまで参加できる講座や教室を開催して、地元の人たちが集まりやすい場所づくりを目指しています。また、毎年10月には「サラ祭」があり、手作りのお惣菜とお菓子、産地直売野菜などを販売して、地域との交流も深めています。
──デイサービスサラについてお聞かせください。
「デイサービスサラ」の誕生は、将来のチャンプルーの会にとって介護保険事業が不可欠と考えたスタッフの提案がきっかけでした。介護保険事業という未知の分野に、ハード面、人員確保等の問題に直面しながらも、スタッフの信念が勝り2003年に開設が決まりました。外から介護の様子が見えるということで、ご利用者さんも安心して日常の暮らしの中に、デイサービスを受け入れることができたのだと思います。定員9名の小規模で家庭的な雰囲気が特徴で、ボランティアの方も多数参加しています。お食事は、レストランサラから出来立てのお弁当をお届けしています。
──最後に、「経験や知識を生かして地域に貢献したい」と考えているシニアの方に向けて、メッセージをお願いします。
外へ目を向けて一歩前へ出てみてはいかがでしょうか。地域の中にはお互いがお互いを必要とする何かがきっとあるはずです。最初はお話し相手かもしれません。チャンプルーの会ではそんな皆さんをお待ちしています。
〈インタビューを終えて〉
「レストランサラ」のインタビュー中に配食の依頼にきた方がいましたが、その方の名前、住所、電話を聞かずに注文を受けたことに驚きました。常連の方と思いますが、地域に密着している一面を感じとれました。今後も、ますますのご活躍に期待します。
お元気さん情報
山下外子さん
平成25年9月に、知事が訪問した山下外子さんの今のご活躍を紹介します。
部屋でくつろぐ山下外子さん
山下外子さんは、現在、高齢者専用の住居施設で穏やかに過ごしています。危険を心配する家族の勧めもあり入居しましたが、「まだ早すぎたかしら」など、まだまだ元気な山下外子さんです。入浴などは介護を受けながらも、食事や移動はご自身ででき、現在も絵画や、書道を続け100歳時と変わらず元気に過ごしています。
施設での生活や今後のことをお聞きしたところ、次のようにお答えしてくれました。
「最近、昔のことをよく思い出す。娘が初めて歩いた時など。このまま穏やかに過ごせていければと思う。」
山下外子さんは、今年の10月に「103年、生きてきて」(発行所:オフィス・エムツー)を自費出版するなど、まだまだ元気に活動する山下外子さんでした。
自費出版した
「103年、生きて、生きて」 お茶をする山下外子さん 山下外子さんの作品