東京まちかど通信
VOL.12
団体のお元気さん
地域で活動している高齢者団体を紹介します。
認定NPO法人 コアネット
〈団体プロフィール〉
企業を退職したOBが中心となり、現役時代に培った知識と経験を生かし、次世代の育成に貢献したいという熱い思いを持って活動する団体。2001年NPO法人として認可。2014年に認定NPO法人として認定を受ける。
──「コアネット」設立の経緯を教えてください。
企業OBの仲間で定年後、「世の中のために何かやらなければ」と考え、産業界で培ったノウハウや知識を後進の育成に活かし、日本の企業を元気にしよう、という熱い思いから、5名のメンバーで2000年にスタートしました。その後、教育支援活動も開始し、活動内容の充実を図っています。
──どのような活動をしていますか。
企業支援活動と教育支援活動の二本柱で活動を行っています。これに加え、今年度から、シニア活性化の取り組みも開始しました。
・企業支援活動は、自治体から受託したものでは、カタリスト制度(※)での支援活動やビジネスマッチングなどを行っています。企業からの個別の支援要請にも対応しており、生産効率の向上・品質向上を目指した研修を実施しています。
(※)品川区で実施している事業。各分野のカタリスト(専門家)を登録し、区内企業からの支援要請に対応し、最適と思われるカタリストにその支援を委託している中小企業支援制度。
・教育支援活動は、中高校生を対象にした社会経験、職業経験に基づく進路選択に関する講話、小学生から中学生を対象としたロボットプログラミング授業や、学校の授業では体験し難いものづくりや理科実験を工夫して実施しています。
──活動をする中で気をつけている点を教えてください。
「上から目線」にならないことです。大企業退職者はどうしても自分の以前の職歴、役職にこだわってしまいがちです。退職後は、社会ではただの「人」という認識を持ち、対等な関係で話をするように気をつけています。
また、会員間で気をつけていることとしては、企業と違い、命令で動く組織ではないので、活動の意義をよく話し合い共有することに努めています。
──今年からスタートした、「活き活きシニア支援活動」について教えてください。
フレイルをご存知ですか?加齢で進む心身の機能低下・自立度低下を経て要介護状態に陥りますが、この心身機能の低下をフレイルと呼び、健康な状態と要介護状態の中間と位置付けられています。このフレイルは、身体的・精神的・社会的要素の多面的な要素が相互に影響し合っています。我々は、社会的要素に注目し、健康寿命を延ばして、「活き活きシニアライフ」を過ごすために、今年から以下のような趣旨で「活き活きシニアサロン」を開催しています。
①高齢者の社会活動への参加意欲の喚起と交流・連携の場の提供
②活き活きシニアの仲間づくりの場
11月に開催した第1回活き活きシニアサロンでは、歴史研究家による歴史講話や専門家による顕微鏡づくりの話などを聞き、参加者の交流を深めました。今後も月1回ペースで開催を予定しており、次回は平成30年2月1日に開催します。どなたでも参加できますので、多くの方々のご参加をお待ちしています!
──最後にシニアの方へメッセージをお願いします。
いつまでも健康でいるためには、肉体的に健康であること、精神的に健康でいることと思っていましたが、もう一つは「社会と交わり続けること」が重要であることに気付きました。リタイアしたら、もう面倒な人間関係に煩わされるのは嫌だと思って、引きこもりがちになる人も多いかと思いますが、人間は社会的動物であり、社会と関わっていることが健康維持のためにとても大切です。加えて、現役時代に培ったノウハウや知識は是非後進に伝えてほしいと思います。自分の「売りポイント(強み)」を活かして、社会に貢献してみませんか。
認定NPO法人コアネット ホームページ http://www.core-net.org/
〈インタビューを終えて〉
ご自身の現役時代に培った知識や経験を後進の育成に活かしたいという、会員の皆様の熱い思いがとても伝わってきました。インタビューにご協力いただきありがとうございました。今後も、ますますお元気にご活躍ください。
(公開:2018年1月17日)