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    東京まちかど通信

    VOL.15

    団体のお元気さん

    地域で活動している高齢者団体を紹介します。


    「ミラクルエイジファッションショー ~ラ、ラ、ラ、今が青春PartⅡ~」を主催するNPO法人美・JAPONを取材しました!

    NPO法人 美・JAPON

    〈団体プロフィール〉

    ランウェイの様子ランウェイの様子

    平成30年6月26日、東京都目黒区のめぐろパーシモンホールにてNPO法人美・JAPONが主催する「ミラクルエイジファッションショー ~ラ、ラ、ラ、今が青春PartⅡ~」が開催されました。このイベントは、今年で18回を数えるシニア向けの参加型ファッションショーです。

    参加したシニアモデルは55名。その平均年齢は70才、最年長のモデルは昭和7年生まれの86歳。モデルの皆さんは、一般公募により選抜され、4月から2カ月に渡るプロの指導による厳しいウォーキングレッスンを経て、ランウェイで元気に美しく輝きました。

    今回、このイベントを主催するNPO法人 美・JAPON(以下「美・JAPON」)の代表であり、国内外で活躍するファッションデザイナーの小林栄子さん、ファッションショー実行委員会の皆さん及びお二人のモデルにお話を伺いました。

    ──ミラクルエイジファッションショー開催の経緯を教えてください。

    (美・JAPON代表 小林栄子さん)

    このイベントは、1998年に町田市の要請がきっかけで始まりました。準備に当たっては、市が実行委員会を作り、商工会議所やシルバー人材センター、市議会などを巻き込んだ地域ぐるみの取組で、多くの機関が関わった大きなイベントになったため、関係各所との調整が大変でした。また、市が広報誌やミニコミ誌でシニアモデルを公募したところ、反響が大きく、100名以上の応募があり、オーディションで既往歴や体調等を考慮し、結果40名を選びました。落選者から、落選理由についての問合せがあり、対応に苦慮したことを覚えています。

    私は、それまで様々なファッションショーに携わってきましたが、シニアモデルの起用は初めてでしたので、プロのモデルを招き、ウォーキングを指導し、本番に臨みました。第1回のショーの当日には会場に入り切らないほどの観客が集まる中、ランウェイを歩くシニアモデルのいきいきとした表情をみて、これまでの苦労が大きな達成感に変わっていくのを実感しました。その後、第2回、第3回と町田市とともに、このイベントを関わってきましたが、回を重ねるごとに、シニアモデルの応募も増えていきました。

    第4回以降は、シニアモデル経験者の有志が、実行委員会を結成し、美・JAPON※の単独事業となりました。この間、「人と物を見直し、生まれ変わること」をモットーにこのショーを続けてきました。衣装も可能な限り、モデルが持参した服を新たにリメイクし、生まれ変わらせます。今日まで、イベントが続いたのは、このモットーを貫き、同じことを求めてきたからだと思います。

    ※ 当時は、前身団体の文化交流団体アジアの風21が運営。平成22年にNPO法人格を取得し、NPO法人美・JAPONとなる。

    ──ミラクルエイジファッションショーは、シニアモデルを経験された方が実行委員会を組織し、準備から関わっています。実行委員会はどのような活動をしているのでしょうか?

    (実行委員会 戸内さん・水口さん)

    私達は、過去にシニアモデルとしてこのイベントに参加しました。その後、裏方としてもお手伝いしたいと思い、実行委員会のメンバーとしてボランティアで活動しています。他の実行委員会のメンバーも、同様にシニアモデルを経験しています。

    実行委員会の活動は、会場選びに始まり、会場と練習場所の確保、新聞媒体を活用したモデルの公募とオーディションの準備、関係各所への広報、ショー当日の会場運営など多岐にわたります。

    実行委員会の活動は、それぞれ役割があって、ショーを成功させたい一心でチーム一丸となって取り組んでいます。いよいよショーの当日を迎え、モデルの高揚感が伝わってくると、これまでの苦労が報われた気持ちになり、とても達成感があります。また、このイベントに関わって、これまでと違ったおしゃれが楽しめるようになり、毎日が充実しています。

    実行委員会の皆さん小林代表(右から4人目)と実行委員会の皆さん
    ──どうしたらミラクルエイジファッションショーのランウェイを歩けるのでしょうか?

    (実行委員会 戸内さん・水口さん)

    例年3月頃に全国紙にショーの開催告知とモデルの公募記事を掲載します。その後、オーディションを経て、選ばれたモデルは、4月から6月の本番までの間、プロの指導による週1回のウォーキングレッスンを受けて頂くだけでなく、ランウェイで着る衣装を持参してもらい、デザイナーである小林代表からコーディネイト指導を受け、美しい身のこなしや表現を学びます。

    ウォーキングの練習風景ウォーキングの練習風景
    ──ミラクルエイジファッションショー当日
    タウン・カジュアルタウン・カジュアル

    ミラクルエイジファッションショーは、毎年、火曜日に開催されます。その理由は、火曜日がお店の休業日である場合が多い美容師さんにヘアメイクのボランティアをお願いしているためです。

    今回も、20名を超える美容師やメイクアップアーティストの協力を得て、モデルの皆さんは美しく変身し、ランウェイに颯爽と登場しました。

    今年のプログラムは、3部構成になっていました。第1部は、「タウン・カジュアル」の明るく軽快な装いのショー、第2部は、特別ゲストの発声専門家・音楽プロデューサーの野口千代子さんのピアノ弾き語りライブ、そして第3部は、ドレスや着物によるシックで粋な「エレガンス」の装いのショーでした。また、それぞれの装いについて、小林代表のファッションチェックのコーナーがあり、衣装の注目ポイントの説明がありました。

    思い思いの衣装を着たモデルの皆さんは、ウォーキング、所作、表情の作り方などレッスンの成果を存分に発揮しました。モデルになった、普段とは違う家族や人の姿に、150名程の観客は惜しみない拍手を送り、会場は大盛況でした。

    エレガンスエレガンス
    ファッションチェックの様子ファッションチェックの様子
    ──80歳代のモデルインタビュー

    (岡部 こともさん)

    岡部さん(右側)岡部さん(右側)

    私は、昭和7年生まれの86歳です。今回で6回目の出演でした。新聞折り込みの情報誌を読んで、応募したのが、ショーに出るようになったきっかけです。

    ショーに出るようになってからは颯爽とした歩き方ができるように日頃から心がけています。横断歩道を渡る時は、信号待ちのドライバーの目にも留まるように、姿勢に気を付けて歩いています。

    ショーの当日は、このショーをご覧になった方々が、僕も私も再び輝きたいと勇気を持って、一歩踏み出す決心ができるよう願いを込め、一歩一歩に力を込め、踏みしめ、ランウェイを歩きました。

    (津田 玉恵さん)

    津田さん(左側)津田さん(左側)

    わたしは、昭和9年生まれの84歳です。

    一昨年、テレビの情報番組でこのショーのことを知り、今回が初めての出演です。

    数年前に両膝を手術したので、レッスンの当初は、モデル特有の歩き方が難しく感じ、軽々とこなしている先輩モデルの様子をみてとても感心しました。

    ショーは、とても楽しかったです。初めての経験なので不安でしたが、自分なりに精いっぱい出来ました。また、チャンスがあれば一生の生きがいとして出演したいです。人生の終盤に新しい人達との出会いがあり、本当に嬉しいです。これを励みにこれからも生きられれば良いと思います。

    ──第18回ミラクルエイジファッションショーを終えての感想をお聞かせください。

    (小林代表)

    このショーを通して、年齢に関係なく人が持つ可能性に感動しておりますが、特に、第18回となる今回は、80歳代の方から18名の応募があり、オーディションの結果3名が出演することになりました。これまでは60代、70代が中心でしたが、例年よりも高齢のシニアモデルが多く選ばれたこともあり、彼らがこのイベントを通して、どのように変わっていくかに注目していました。80歳代のモデルの皆さんは、最初は周りを気にしているようでしたが、3回目のレッスンを終えたあたりで、本来自分が気付いていないであろう内なるエネルギーがどんどんその方を変えていく様が、ハッキリ見て取れました。また、それに触発された他の若いメンバーが、生き生きと明るく元気にチャレンジしている姿は感動でもありました。

    ──ミラクルエイジファッションショーの今後の展望をお聞かせください。

    (小林代表)

    今後は世代間の交流を積極的に行っていきたいと思います。例えば、イベント当日は、これまでスタイリストとして美容師にボランティアで来てもらっていますが、美容学校の学生にも関わってもらえば、シニアと学生の双方に刺激になるのではと考えています。

    ──最後にシニアに向けてのメッセージを!

    (小林代表)

    シニアには、いくつになってもあきらめないで、人生の楽しみを見つけてほしいと思います。一人ひとりの人生にはドラマがあります。それを人に披露できたり、見つけてもらう場所を探してほしいと思います。

    (実行委員会:戸内さん、水口さん)

    シニアには勇気を持って、新しいことを初めてほしいと思います。例えば、シニアモデルの公募に申し込むのは、とても勇気のいることだと思いますが、私達もかつてはその一人で、勇気を持って、このショーに参加しました。その結果、人に感動を与えることのできるこのイベントに関わる充実した日々を送っています。

    〈取材を終えて〉

    ウォーキングレッスン当初から取材をさせていただきましたが、厳しい練習を乗り越えたモデルの皆さんが、それぞれの思いを胸にランウェイを颯爽と歩く様子に、とても感動を覚えました。いくつになってもチャレンジし、変化していくことが、人生をより豊かなものとすることを、小林代表、実行委員会やモデルの皆さんに、ショーを通じて教えていただきました。インタビューにご協力いただきありがとうございました。今後もますます素敵にお元気にご活躍ください!

     

    (公開:2018年9月5日)

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