VOL.18

地域のお元気さん

お元気なシニアをクローズアップ!健康の秘訣や趣味などをご紹介します。

音楽喫茶でコンサートを手掛けるママさんを取材しました!

望月 廸子(もちづきみちこ)さん

〈プロフィール〉

北海道釧路市出身。終戦を迎え、16歳のときに、地元の合唱団に入団、ご主人と出会う。廸子さんが54歳のときにご主人の夢であった音楽喫茶を開業。喫茶店だけでなく、音楽教室やコンサートの開催も行っている。
現在は、3人の息子さんとともに店とコンサートを守っている。

望月廸子さん望月廸子さん

令和元年8月10日、東京都目黒区の音楽喫茶にてファミリーコンサートが開催されました。出演者は、音楽喫茶「カフェ・アンサンブル」の望月廸子さん(88歳)とそのご家族。

今回、お店でのコンサートの企画運営、出演をしている望月廸子さんにお話しを伺いました。

──現在の活動をはじめたきっかけを教えてください。

北海道の地元の合唱団で出会った主人(望月正修さん)の長年の夢であった音楽喫茶を定年退職後に家族とはじめたことがきっかけです。店内にはグランドピアノを置き、どなたでもコンサートができるようにしました。

また、私たちも独自にコンサートを始めました。
はじめたきっかけは主人ですが、今は自分たちが楽しませてもらっています。

──現在、どのような活動をされていますか。

普段は喫茶店で接客の仕事を手伝っています。時々コンサートの企画・運営をしたり、毎週火曜日は「うたおうかい」の練習会場となり、みなさんとコーラスを楽しんだりしています。

音楽教室は、音楽喫茶開業の1年後に始めました。

──コンサートについて詳しく教えてください。

私が企画して、2003年に「みんなの音楽会」という名称で始めました。1年に4回の開催で、これまでに計58回開催しました。毎回8組程度の出演者がおり、多いときは10組も参加してくれました。企画、運営は私が行い、主人はいつも陰で支えてくれました。今は息子たちが支えてくれています。

その後、51回からは「あんさんぶるティータイムコンサート」と名前を改め、第○回というような番号はふらずに開催しています。

出演者のみなさんは、拍手をもらったときの達成感と、これからも頑張ろうと前向きな気持ちになるのだと思います。初歩の方が一生懸命演奏している姿は聴いている方に感動を与えますね。

第一回目の出演者は音楽教室の生徒さんで、今でも参加していますが、今は外部からの若い方の参加が多くなりました。

ジャンルは決めておらず、クラシック、ポピュラー、ジャズ等で、楽器も自由です。出演者もお客様も共に楽しめる会を目標にしています。

──活動が続いている秘訣を教えてください。

実はコンサートが50回を迎えた時にやめようと思いましたが、「せっかくこれだけのものを始めたのだから」「僕たちが支えるから」とたくさんの人が応援してくれました。私も今は「みんなのために!」と覚悟を決め、楽しんでやっています。

この活動を通して「人とのつながり」の大切さを感じます。第一回から現在まで出演してくださる方と、お客様としていらしてくださる方とが演奏会の後に、お互いの感想を話し合ったり、楽器について質問したり、楽しく交流しています。これも次につながる大事な力になっています。

──元気の秘訣を教えてください。

食事は野菜を多く食べるようにしていて、ブロッコリーは欠かせません。北海道出身のため、お魚も好きですがお肉もよく食べます。何でもおいしくいただきます。 あとは、歌です。「歌はけがをしないスポーツ」と言われています。特にシニアの方に向いていると思います。体力・筋力・集中力が鍛えられます。

ぜひ、童謡、カラオケ、コーラス等楽しんで歌っていただきたいです。

ファミリーコンサートでは、廸子さんによる歌唱やご家族による、チェロ、リコーダー、ヴァイオリン等の素敵な演奏が披露されました。

コンサートの様子コンサートの様子

コンサートの最後には、お客さんも含めて全員で「夏の思い出」「サッちゃん」を歌い、会場全員が楽しいひとときを過ごしていました。

出演者のみなさん出演者のみなさん

〈インタビューを終えて〉

音楽について楽しそうに語られる姿から、音楽への愛情がとても伝わってきました。ファミリーコンサート冒頭で「できるかぎり看板娘をつとめたい」と仰っていた姿が印象的でした。

取材にご協力いただきありがとうございました。今後も、ますますお元気にご活躍ください。

団体のお元気さん

地域で活動している高齢者団体を紹介します。


うたおうかい

〈団体プロフィール〉

駒場野公園近隣の住民により結成された団体。

2006年から活動を開始し、今年で結成13年となる。

現在は29名で活動しており、近隣の中学校や老人ホーム等にて地域住民に歌声を披露している。

うたおうかいは、音楽喫茶「カフェ・アンサンブル」にて、日々発表の場に向けて練習をしています。
今回、練習を見学させていただくとともに、会長の森澤寛二さんにお話しを伺いました。

──「うたおうかい」発足の経緯を教えてください。

駒場野公園拡張構想にあたり、住民の声を聴く集まりが目黒区により開かれ、そこに熱心に集まっていたメンバーにより結成されました。公園拡張計画の打ち合わせや反省会で、音楽喫茶「カフェ・アンサンブル」を使用していたのですが、公園拡張計画の集まりが終わるときに、「このまま解散するのは寂しいね」と言っていたところ、望月正修さんに「うちにピアノもあるし、歌でもやったらどうだ。」と提案いただいたのがきっかけです。

縁を大切に育んでいこうと、15名により2006年1月に結成しました。場所、ピアノ、先生がそろっていたおかげで結成できたと思います。

──どのような活動をしていますか。

現在は、望月直哉先生のご指導のもと、「なせば成る」を合言葉に集いあい、発表の場に向けて、カフェ・アンサンブルにて練習をしています。これまで30回ステージにあがり、59曲を披露してきました。

発表の場は、音楽教室の発表会や目黒区第一中学校にて開催される地域ふれあいコンサート、近隣の老人ホーム等で、地域の方々に歌声を披露しています。

──メンバー構成等を教えてください。

現在は、29名で活動しています。女性が22名で男性は7名です。実平均年齢は76歳ですが、会員に精神年齢を自己申告してもらうとおよそ35歳で、毎年下がるのが特徴です。

一つのものを作り上げるのにハーモニーが必要なため、お互いをリスペクトし、善意をもって接しています。そのため、知らず知らずのうちにいい関係を築けています。

また、みんな近隣に住んでいるので、しょっちゅう外で立ち話をしています。この地域の治安にもいいのではないでしょうか。

練習の様子練習の様子
──うたおうかいの活動を始めて何か変わったことはありますか。

私は歌をうたったことがなかったので、ゼロからのスタートでした。今までコンサートなどは行くことがなかったのですが、行くようになりました。音楽の感じ方が変わったように思います。「みんなに聴いてほしい」という気持ちの大切さを感じるようになりました。

また、地域の中学校のイベントに参加させてもらうことで、若い世代との交流ができ、地域での関係性にひろがりができたことも、この活動によって変わったことです。

──うたおうかいの活動が継続している秘訣はありますか。

「うたおうかい」が無理なく存続できた最大の理由は、楽しかったからだと思います。いつも何かに挑戦し、その結果、たとえ僅かでも変化や成長を実感できたから楽しかったのだと思います。

「プロのような向上」は求めませんが、「向上自体」は目指しています。遊ぶのはだめですが、ひっぱりすぎると切れてしまいますので。先生はその塩梅がお上手です。

全員でメロディーを歌うことから始め、二部合唱から四部合唱へ、そして日本の歌から世界の歌へ、楽譜をみずに暗譜へ、と私たちの挑戦は今も続いています。

──うたおうかいの今後の展望について教えてください。

お互い健康に、30人くらいをキープしてずっと続けていきたいです。

特別な目標はありませんが、善意をもって誠実に、きちっと継続していきたいです。

練習の様子練習の様子

〈インタビューを終えて〉

練習冒頭に先日終えた発表会の録音テープ・先生の講評に熱心に耳を傾け、楽譜にメモをとる姿がとても印象的で、みなさんの合唱に対する熱意が感じられました。

また、地域の方々への発表の場を大切にされていて、音楽を通じた人と人とのつながりを改めて感じました。

取材にご協力いただき、ありがとうございました。今後もますますお元気にご活躍ください。

(公開:2019年10月31日)

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