東京ホームタウンSTORY
支援先レポート
健康寿命を延ばす、美容の魔法
美しい“プラチナ世代”を増やしたい
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多様性のあるメンバーが「塾」に集まる
――団体名の「塾」が気になります。教育も行っているのでしょうか?
伊藤 美容業界は、めまぐるしく技術が変わります。美容の知識はもちろんですが、高齢者の肌について、認知症の方とのコミュニケーションで五感に訴えるものをどう美容に取り入れると効果的か、といったことは、学ばなければなりません。
知識があればこそ、質の高いボランティア活動もできます。理事たちが外で勉強してきたことをメンバーに伝える、それが塾、の意味合いです。のべ200人のメンバーが受講しているんですよ。ボランティアの現場で「もっと勉強しなければ」ということに気がつき、こうしたことを教えてほしい、と要望をいただくこともあります。
――美容のボランティアを行うための、スキルアップなんですね。
伊藤 中心はボランティアのメンバーですが、門戸を広くしていますので、きっかけは自分の美容のために来ていただく、でもいいんです。慣れていくなかで、ボランティア活動にお試しで参加してみようかなと思ったら、無理なく参加していただきます。
面白い方々が集まります。年齢は25歳から75歳。美容関係者である必要はなく、むしろ、いろいろな仕事についている人が集まって交流するのが魅力だと思っています。
ボードマッチで「運命の出会い」
――今日来ていただいた松枝さんは、まさに、美容ではない分野からプラチナ美容塾の活動に加わりました。きっかけは東京ホームタウンプロジェクトの「ボードマッチ」だったとのことですね。
松枝 はい、2016年2月の「ボードマッチ」に参加し、プラチナ美容塾と「運命の出会い」をしました(笑)。
――補足しますと、ボードとはNPOの理事、役職者のことです。今年2月のNPO人材マッチングのイベントに、松枝さんは参加者として足を運んだのですね。
松枝 私は40年の間、放射線技師として働き、引退しました。医療職として自分の持っていることは精いっぱいやりましたが、仕事を辞めて何もしないで家にいるのはもったいない、今度は違うことをやってみたいと思っていました。東京都からの情報を見て「東京ホームタウンプロジェクト? 何をしているのだろう」くらいの意識だったのですが、とにかく行ってみようと。
ボードマッチングで聞いた伊藤理事長の話がとても情熱的で、やりがいのある活動だと感じました。翌月にボランティア養成講座に行ってみました。隣の人とペアになって手をさすってもらう。ああ、ふれあいってこういうことなんだ、これがボランティア活動になるならいいなと。
週1回で全6回の美容クラスもあり、自分に合ったメイク、スキンケアも学べて受講料もオトクですから(笑)、美容クラスはおすすめですよ。
伊藤 松枝さんは、お会いした瞬間に「ああ、この人は」と思うような、いい出会いでした。私たちの団体が「おまんじゅう」なら、私たちは中身の「あん」。「皮」になっていただく顧問、アドバイザーも必要。もっとおいしいおまんじゅうになるために、ボードマッチは団体の財産になるさまざまな方々に出会えた、本当にいい機会でした。
美容は「健康寿命」に欠かせない
――日本人は、寿命は長いけれど、健康寿命が短く、介護期間が長いのが課題といわれています。
伊藤 私は、美容とは、健康寿命を伸ばすものだと思っています。出かけたい、話したい、やりたいことがある、生きたい。そのために美容は欠かせません。
松枝 私が先日一緒に講習を受けた70代の女性は、本当にすてきでした。彼女は毎朝、お化粧をするそうです。その理由が「いつランチのお誘いがあっても『はい、行けるわよ』としておきたいのよ」と。鏡に映る自分の顔が美しければ、元気が出ますよね。
河西 高齢者施設で、ハンドマッサージを指名してくださる男性がいるんですよ。毎回楽しみにされているようで。今まで男性の方にはお声をかけなかったのですが、今では必ず男性にも声をかけるようにしています。
伊藤 眉毛をきれいにしてほしいという男性もいますよね。フェイシャルマッサージにうっとりされたり。これもとても大切なことです。
男性は、現役時代はスーツを着て仕事している方が多いですが、引退してプラチナ世代になったら、もっとおしゃれをしてほしい。オレンジ色のようなビビッドな色でもいいですし、白髪に合う淡いブルーでもいいかもしれません。
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