東京まちかど通信
シニアの生活をより楽しくアクティブにするためにパソコンやインターネットの活用を支援
パソコンを動かす基本ソフトウェアの「ウィンドウズ」などでお馴染みのマイクロソフト。同社では、世界中のあらゆる人がパソコンを使えるようにするための社会貢献活動にも力を入れています。その一環として、日本ではシニア層向けの「アクティブシニアプログラム」を実施。そこで、その活動内容についてうかがいました。
シニアの皆さんのICT活用をお手伝いする『アクティブシニアプログラム』を実施しています。
――まず、社会貢献活動に関する全社的な考え方についてお教えください。
「日本マイクロソフトでは、『Realizing Potential = 世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること』という企業としての使命を掲げています。日本マイクロソフトの本業であるソフトウェアの力でこの使命を実現するために、当社では場所や技術を提供するほか、企業市民活動として子どもやシニア層など対象に応じた様々な取り組みを行っています」
――では、シニア向けにはどういった活動をされているのでしょうか。
「シニアの方は、ICT(パソコンやインターネットによる情報コミュニケーション技術)と聞くと難しそうな印象があるかもしれませんが、これが使えるようになると、例えば旅行などで撮影した写真をホームページで公開してたくさんの人に見てもらったり、外出がおっくうな時でもショッピングやコミュニケーションが楽しめたりと、活動範囲を大いに広げることができます。ICTこそ、シニアの生活を楽しく活動的にする道具であると私たちは考えています。また、数多くのシニア向けパソコン教室が盛況であるように、パソコンを楽しみたいというシニアの皆さんも数多くいらっしゃいます。そこで、当社ではシニアの皆さんがICTを活用して、より楽しく、より活動的な生活を送ることを応援する『アクティブシニアプログラム』を実施することにしました。これには、*『シニア情報生活アドバイザー』や各地のシニア向けパソコン教室の講師の皆さんのスキルアップのお手伝いをする『シニアスキルアップ講座』と、地域のシニアの皆さんを対象にしたイベントへの参画などがあります」
*シニア情報生活アドバイザー:財団法人ニューメディア開発協会が運営する資格制度。地域のシニア層に、パソコンやネットワークを用いて趣味や実生活、社会参加に役立てることを指導する役割が期待されている。
シニア向けに、わかりやすいテキストを独自に編集し使用しています。
――「シニアスキルアップ講座」とイベント参画のそれぞれの内容についてお教えください。
「『シニアスキルアップ講座』は、2009年の春からスタートしました。月に2回、午前と午後に日本マイクロソフト本社にあるパソコンを25台並べた部屋で、その時々の“旬”のパソコン活用法をお教えしています。例えば、2010年度は、最新の基本ソフト『ウィンドウズ7』などの使い方の説明をしています。2011年は、『シニアクラウド活用講座』と銘打ち、マイクロソフトの個人向け*クラウドサービスを使って写真をインターネット上に公開する方法などを予定しています。東京以外へも、各地の『シニア情報生活アドバイザー』養成団体と連携し、キャラバンを組んで巡回するという活動もしています。いずれも参加費は無料です。
この講座では、シニアのパソコン団体に依頼してシニア向けに独自に編集したテキストを使用しています。操作中にパソコンの画面が少しでも変わればその写真をすべて掲載しているので、非常にわかりやすいと好評です。
イベント参画は、例えば『シニア情報生活アドバイザー』の全国大会などで、当社の最高技術責任者が最新技術に関する講演をさせていただくなどしています」
*クラウドサービス:ネットワークを経由してサービス提供事業者のコンピュータ(ハードウェアやソフトウェア)を利用するサービス形態
「地域のパソコン講座で教えるのに大いに役立った」といった反響が届いています。
――それらの活動の反響や手応えはいかがでしょうか。
「当社1社で全国のシニアの方に直接お教えすることは難しいので、シニア向けパソコン教室の講師をされている『シニア情報生活アドバイザー』などにお教えし、その方が地域に帰り、今度は地元のシニア仲間に教えていくという方法で普及を図っているわけです。パソコン初心者のシニアの方は、同年輩の人から教えてもらうほうがなじみやすいようですね。受講されたリーダーの方々からは、『パソコン講座で教えるのに大いに役立ち、地域のシニア仲間に感謝されている』、『自分で勉強するのは大変だが、本家本元のマイクロソフトから直接教えてもらえてありがたい』といった声が届いています。
また、シニアの方は非常に真面目で熱心ですね。企業市民活動の一環として、対象者を分けないイベントも開催しているのですが、シニア層の申し込み枠が一番早く埋まります(笑)。しかも、若い方と違って当日欠席する方はほとんどおらず、参加できなくなるとわざわざ連絡してくださる方がほとんどです。いつも感心しています」
――そのほか、何かシニア層に配慮した取り組みをされていますか?
「『ウィンドウズ7』では、ウィンドウズマークのキーとプラス印のキーを同時に押すことで、画面を簡単に拡大できる機能を搭載しました。これで画面の文字も大きくすることができますので、シニアの方にはご好評をいただいています。 また、インターネットでは詐欺や迷惑メールといった問題も多発していますので、シニア向けにそんなトラブルに巻き込まれないためのセキュリティ対策をまとめた冊子も制作しています。
そのほか、*『シニアデジタルライフ』という、シニアの皆さんのICT活用を応援するポータル(玄関)サイトを運営しています。最近よく耳にする『クラウド』『地デジ』などICTに関する用語解説や、パソコンをより快適に使うための特集コーナー、全国のシニアの方々のブログを紹介するコミュニティなどをご用意しています。ICTを使うことで、活動範囲は大いに広がると思いますので、ぜひ活用していただきたいと思っています」
*「シニアデジタルライフ」:http://www.seniordigitallife.jp/(アクティブシニアプログラム内に移行)