東京まちかど通信
安心と安全に役立つ情報発信とサービスを提供していきます
警備会社のイメージが強いセコムですが、同社の事業範囲は、セキュリティを中心として、防災や医療・介護、保険などセキュリティ周辺のさまざまな分野をサポートしています。同社の安全・安心を実現するための取り組みについて、お話しをうかがいました。
ニーズに合わせた最適なサービスをいちはやく提供します。
――シニア世代はもちろんですが、毎日の生活を楽しんでおくるためには、安全と安心は大切なキーワードですね。
当社は、昭和37年(1962年)に日本で初めての警備保障会社として設立しました。昭和41年(1966年)には、わが国初のオンライン・セキュリティシステムを開発。企業向けのセキュリティサービスを提供してきましたが、昭和56年(1981年)からは一般の家庭向けのセキュリティサービスの提供も始めています。
ホームセキュリティ発売当初は、防犯・火災・ガス漏れ・非常通報サービスを提供していました。しかし、急病のときに非常通報サービスを利用するお客様も増加していました。当社はお客様の非常信号を受信すると、必要に応じて110番通報を行っていましたが、急病の場合は119番に連絡する必要があります。そこで、翌年の昭和57年(1982年)からは、救急通報サービスの提供を新たに開始しました。技術を自社で開発しているからこそ、お客様のニーズの変化に柔軟かつ迅速に対応でき、安心を提供することが可能になります。
現場の活きたノウハウを情報発信していくことで、シニア世代への安心と安全をサポートする。
――この数年、シニア世代への安心と安全についての情報発信に力を入れていますね。その背景をお聞かせ下さい。
これまでも当社はさまざまな安全、安心のためのサービスを提供してきましたが、シニア世代、子供、女性などに向けて情報発信をすることで、もっと社会に役立つことができないかと考えてきました。
シニア世代に対しては昨年から、シニアを応援するサイト『おとなの安心倶楽部』を開設して、特に「防犯・防災」対策の啓発活動を始めています。残念なことですが、リーマンショック以降、特にシニア世代が犯罪被害に遭うケースが増えてきているのが実情です。
そのほかにも健康や食事、介護などさまざまな不安を解消するための情報を提供しています。とくに昭和45年(1970年)から当社のイメージキャラクターをお願いしている長嶋茂雄さんは、大きな病気から驚異的に回復され、アクティブなシニア、病気に負けないシニアの代表として、多くのシニア世代を元気づけていただいています。
――提供している情報の内容は、どのようにして決めているのでしょうか。
発信する情報の内容は、社内に世代別の専門委員会を設けて、そこで検討しました。本当に役に立つ情報、子供、女性、シニア世代が必要としている情報は、本人が一番よく知っているはずです。そこで、子供を持つ社員、女性社員、シニア世代の両親を持つ社員をそれぞれ「子を持つ親の安全委員会」「働く女性の安全委員会」「シニアの安全を考える委員会」の委員として、当事者の目線での情報発信を心がけました。
また、「読みやすさ」という点にも気を配っています。当社のホームセキュリティを利用されているお客様は約49万8000世帯ですが、60代、70代の方でも大変お元気な方が大勢います。そこで、健康や介護の情報に加えて、元気な方が楽しめる、役立つ情報を併せて発信していくことを決めました。それが、「シニアのための美味しい食卓」や「はつらつ健康情報館」などに掲載している記事です。
とくに食事は、シニア世代に限らず、生活の大きな楽しみであり、健康にとっても非常に重要です。
全国に均質なサービスを提供していくことで社会に貢献していきたい。
――今後、シニア世代を含めた安心・安全な社会を実現していくために、どのような情報とサービスを提供していく予定ですか。
ホームセキュリティをご利用になるお客様は、シニア世代が多いので、よりシニア世代のニーズに合わせたサービスの充実をはかっていきます。また、シニア世代向けのサービスが一目で分かるパンフレットなどを新たに作る予定です。
具体的なサービスとしては、現在はホームセキュリティを利用しているお客様向けの生活支援サービスである「セコム・ホームサービス」を、広く一般のお客様にも利用していただきたいと考えています。
特に旅行が大好きなシニア世代のお客様のために、家の見回りやポストの投函物の回収、カギの交換などのセキュリティ関連のサービスのほかに、家事代行や庭木の剪定、お風呂やエアコンの清掃などの生活支援サービスを提供しています。困ったことがあったら、当社にご連絡いただけるようなサービスを目指しています。
このようなすべてのサービスは、できるだけ全国一律で均質なサービスの提供を目指しています。そのために、全国に2750カ所の緊急発進拠点を展開していると同時に、特にシニア世代のお客様の個別のニーズにも、柔軟に対応していきたいと考えています。それが、当社の事業を通じた社会貢献だと考えています。
特にシニア世代を中心に、防犯や防災に役立つ情報を書籍・ウェブ・セミナーなどを通じてこれからも発信していきます。
――自治体や企業、教育機関などで防犯セミナーを開くことがあるとうかがいました。
町内会などの自治会の会合などで、防犯や防災について話して欲しいというご依頼をいただくことが増えてきました。防犯・防災のプロフェッショナルとして、全国どこへでも講師を派遣しています。
セミナーには、まさに老若男女、さまざまな方が参加されていますが、シニア世代の参加も多いようです。皆さん、防犯・防災について非常に高い関心をお持ちです。
私たちは、防犯や防災は地域全体で取り組み、特にシニア世代の皆様を応援することが大切だと思っています。そのためには、地道な啓蒙・啓発活動を行っていく必要があります。当社はこれからも、シニア世代の皆様が安心して、安全で快適な生活をおくるための情報とサービスをお客様と同じ目線で提供していきたいと思います。