東京ホームタウンSTORY
東京ホームタウン大学院
まちの生活者として“東京のこれから”を創る
2020年度 東京ホームタウン大学院ワークショップレポート
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令和の問題を昭和の頭で考えない
社会全体に視点を移してみると、人口全体の3分の1が高齢者という社会に向かっています。日本人の3割が高齢者、2割が後期高齢者という時代が来ています。もはや高齢者はメジャーな存在です。高齢者を福祉の対象と考えるのは、以前はマイナーだったからです。しかし、もはやマイナーな存在ではありません。“助けてあげる存在”としてではなく、“一緒に楽しむ存在”として高齢者を考えるのがよいのではと思います。
いまは、従来のお年寄りのイメージと異なり、70歳を超えても第一線で活躍している人たちが多くいます。ぜひ高齢者という像をリセットしてほしい。70代、80代ってどんな人たちなのか。つい、お年寄りはスマホが苦手と言ってしまいますが、だいたい4割くらいがスマホを使っていると言われています。
2030年には認知症の人たちが800万人になります。中国地方全体の人口くらいの人数です。そして、単身世帯が2025年には、2,000万人になります。そのうち、80歳以上の単身高齢者は300万人程度です。一つの大きなセクターとして単身高齢者がいる。そういう頭で考えていかないといけません。
令和の問題を昭和の頭で考えないというのがテーマです。
昭和の考えだと、高齢者は少数派。病気がないのが一番でした。しかし令和では、高齢者は主流派。「高齢者」という括りがもはや失礼で、「高齢者」の括りの中でも人によって違う。また、病気や障害はあって当たり前。病気や障害がある中でも幸せに暮らしていくのはどういうことか、が大事です。老いたからダメ、病気になったからダメ、認知症になったら恥ずかしい、そういう世界は終わらせなくてはいけません。
昭和の考えでは、若いことがいいこと、認知症になったら終わり。しかし令和では、若い時もよかったけど、熟すのもよい。認知症の人をどう世話するのか、ではなくて、どうやって認知症を抱えながらまちの中で生きるのか、が大きなテーマになってきています。
高齢者というひと括りではなく、誰をサポートしたいのか。自分はどうありたいのか。誰とどう関わっていきたいのか。昭和じゃない社会構造をどうつくっていくか、というチャレンジが東京ホームタウン大学院であってほしいと思っています。
(以上、広石氏の基調トーク終わり)
6つの切り口に分かれて参加者同士でテーマトーク
広石氏の基調トークの後は、参加者のみなさまから出た意見をもとに、テーマを6つに分類。参加者自身で希望するテーマを選択してグループに分かれ、それぞれ研究テーマのヒントを深め合いました。
6つのテーマ
①身近にあるといい居場所・交流の場は?
②自分の暮らしたい住居は?(空間、お金…)
③ハードルの低い参加の仕組みは?
④情報をどう共有・流通するか?
⑤テクノロジーをどう活かすか?
⑥地域活動をどう活性化するか?
テーマトークの中では、例えば、社会人から地域活動にうまく移行するための助走期間に関する調査、共働き家庭と一人暮らしの高齢者のマッチングシステムの試作、まちの掲示板や回覧板などをアップデートする情報共有の仕組みづくりなど、短時間ながら幅広いアイデアが生まれました。
東京ホームタウン大学院は、今回のワークショップで生まれた研究テーマの種をもとにしながら、これから約半年間、自らの未来の地域活動を描く半年間の研究プロジェクト「専攻コース」へと続きます。それぞれが地域の一員として、新たな地域活動へ踏み出す一歩を創り出していきます。
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