2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

東京ホームタウン大学院

まちの生活者として“東京のこれから”を創る
2020年度 東京ホームタウン大学院ワークショップレポート

2020年7月5日(日) 10:00-16:00
オンライン開催
2020年9月7日

登壇者:
広石拓司氏(株式会社エンパブリック代表取締役)

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未来の自分と“東京のこれから”を共に描く「東京ホームタウン大学院」。先月の入門セミナーに続き、2日目のプログラムとなるビジョニングワークショップ[課題構造を知る/私たちの未来を描く]を開催しました。

株式会社エンパブリック代表取締役 広石拓司氏による基調トークの後、未来の「あったらいいな」や、今後、深めたい研究テーマなどについて、参加者のみなさま同士で考えを共有し合う時間を中心に進めていきました。

広石 拓司氏:
エンパブリックの広石です。20年ほど、社会起業家の育成に取り組んできました。地域や福祉について事業をはじめるときに、どういったらうまくいくのかをずっとテーマにして向き合ってきました。

福祉をめぐる大きな流れとして、従来は、専門職の人たちがどのように福祉サービスを提供するか、という考え方が強くありました。そこに、地域包括ケアシステムでは、住民主体による地域づくりが重要になってきています。

住民の多くは、専門的な領域は役所の人や専門職の人に助けてもらわらないといけないと思っています。一方で、専門家側も、私たちが助けてあげないといけないと思っています。2025年、2030年に向けて、こうした従来の考え方をどう変えていけるかが、“これからの東京”に大きく影響していくと思っています。

まちの当事者として地域の活動に目を向けてみる

まちの当事者として地域の活動に目を向けてみる起業や新しいことをはじめるとき、何が大事になるでしょうか。地域で起業したいというとき、だいたい起業のプランを作ろうとなります。ただし、いくらプランがあっても一人ではできません。周りの人の協力を得ることが大事です。そのためにはちょっとしたコツがいります。

取組の例として「ちよだコミュニティラボ」をご紹介します。
2020年春、地域の人たちを紹介した「つながり探究ガイド」を出しました。地域の中にはさまざまな活動している人がいます。町会で活動する人、企業に勤めながら地域情報を発信している人、バリアフリーマップを作っている人、地域紹介の活動を行っている大学の先生、まちあるきの活動をしている人。そうした人々の活動は別々に扱われがちですが、「街の情報を共有する」という軸は同じです。そのように地域にあるコミュニティ同士をつなげていく活動をしてきました。ガイドでは活動を通して出会った70人以上を紹介しています。

大事なのは、コミュニティという概念ではなく、顔がみえる関係をつくっていくこと。今はお互いのことを知らなくても、実はいろいろな活動している人たちが地域にはたくさん存在しています。

プロボノ活動をしてみると、実はそういう活動があったんだと初めて気づきます。身近なまちの中にたくさんいろんな活動があることを知ります。そして、まちの当事者の一員として地域を見渡すと、地域の中のどこかに自分がいるはずです。自分が今どこにいて、これからどこに関わっていきたいのか。そういったことを考えていけばよいのではないでしょうか。

『東京ホームタウン大学の教科書2020』P13-14

「生活からの視点」を持って、素人だからこその発想を

超高齢社会に向けて、医療・介護のサービス提供だけではなく、住民主体による生活支援・介護予防が大切になってきています。

従来のサービス提供は、困った人を助けてあげるという考えです。主な主体は、介護事業に携わる人や、ホームヘルパーをしている人たちです。そこに現在は、「地域づくり」という視点が入ってきたのが大切なポイントです。地域づくりとは、コミュニティエンパワメントです。まちの人がもっと元気に、自分たちで動いていこうという環境をつくっていくことが求められています。

見る視点が違えば、課題も論点も違ってきます。「専門職の視点」と「生活からの視点」という2つの視点があります。

専門職の視点からは、相互に見守りが大事、お互いを孤立させないことが大事、となります。互助を大事に、早期発見して緊急時には対応できるようにしましょう、という視点から見ています。
一方で、生活の視点から考えてみると、見守りをするのはよいけど、自分が見守られる、監視されるのは嫌だと思ってしまいます。見守り大事、互助大事というけれど、実はプライバシーも守りたい。都合よく関わりたいという気持ちも考える必要があります。その上、自分の好きなものをしたいという気持ちもあります。介護予防のためだからラジオ体操をしなさい、と言われるとやる気がなくなってしまう人もいるのです。
また、生活からの視点で考えると「専門家ではない自分がやってよいのだろうか?」という躊躇もあります。認知症の話し合いを2時間くらいした後、「話すことも大事だけど、自分たちは素人だから認知症のことを扱うべきではない」という結論になったりします。

東京ホームタウン大学院では、ぜひ「生活からの視点」をもって考えてほしいです。「解決策を考えよう」と考えた瞬間に、専門職からの視点になってしまいます。この視点も大事ですが、みなさんは素人として参加しています。素人というのはすごく重要です。生活者の一員として、「私だったらそれ使いたいんだっけ?」「親はこれを使いたいだろうか?」そうした視点から考えてもらえればと思います。

専門職は、困っている人、重い問題を抱えているほうから考えます。まだ要介護ではない人が、どうすれば要介護にならないかと考えます。一方で、実は多くの生活者は、「私は楽しく暮らしているから、それを続けたい」と考えます。要支援、要介護でもどうやったら楽しさを続けられるのか。そういう視点で考えられたらよいのではと思います。一方で、専門職が知っているからこそ気づく重いケースもあります。どちらが正しいというわけではなく、双方のコミュニケーションが大事です。


東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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