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    【参加者の声】団体さんへのリスペクト×私だからできること

    プロボノ経験者インタビュー
    松尾 恵さん(福祉事業会社勤務/人事)
    2023年1月12日

    福祉事業の会社で人事業務を担当している松尾さん。採用担当としてのチラシやバナー制作の経験を、2度目の育休中に東京ホームタウンプロジェクトにおいて発揮されました。本インタビューでは、初めてのプロボノ活動で感じたことについてお話を伺いました。

    ※掲載記事は2022年9月現在の情報です

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    育休中に本業との親和性を感じてエントリー

    1回目の育休の時に、育休中の活動として「ママボノ」(育休復帰や再就職など、再び仕事への一歩を踏み出すママのための期間限定プロボノプログラム)の説明を聞く機会があり、そこで「プロボノ」というコトバを知りました。今回2回目の育休で、何かしたいと考えた中で思い出し、「ママボノ」を調べている中で、東京ホームタウンプロジェクトの支援先のひとつ「みんなのみたか」を見つけました。
    最初は「チーム型のプロボノ」か「ママボノ」を考えていたんですけど、私にとっては最初のプロボノということもあり、短期間で気軽にできそうなこと、また短期でトライしてみたいという気持ちとあえてママ属性でない人たちと関わる経験をしようとチャレンジしました。

    手を挙げたプロジェクトは、みんなのみたかさんの「イベントのチラシの作成」です。私は福祉事業の企業に勤めていて、高齢者福祉の現場経験を経た後、8年ぐらい人事を担当しています。会社が高齢者や子ども向けの事業をやっていたり、地域のつながりを作る取り組みもしているので団体さんの活動と親和性を感じたこともあってエントリーしました。

    私は広報でもデザイナーでもないのですが、採用業務の中でいろいろなイベントを起案して自分でチラシやバナーを作っていたので、そのスキルが活かせるかもしれないと思いましたし、団体さんの取り組みに共感ができるというのが大きなポイントでした。

    一人で取り組むプロジェクトだったので不安はありました。でも、みんなのみたかさんが今回プロジェクトで募集していたイベント(9月開催の「親子で楽しむ・あそぶ」イベント)の内容は自分でイメージができそうだし、A4サイズ1枚のチラシを1カ月で作ることだったら何とかいけるかなと、つい思ってしまったんですよね。 実は、今回やってみて、私は仲間がいるチーム型の方が好きかもしれないということも改めてわかったので、それも得たもののひとつです(笑)。

    プロボノチームの成果物にも助けられました

    1回目の打ち合わせで、イベントのキーワードとなる「みんたかサロン」のお話しを伺いましたが、「みんたかサロン」が果たして概念なのか、場なのか、イベント名なのかが団体さんの中ではまだ充分に固まっていないことがわかりました。私の中では、広報物を作るときは、目的やターゲットや広報物の位置付けを考える、例えば採用業務だったら何のためのイベントで、どんな人に来てほしくて、何枚のチラシを配布したら、実際の来場は何人くらいか、みたいなことを検討する。そういうプロセスが見えなかったので「自分は何をすればいいんだろう」「何をするとこのプロジェクトの役割を果たしたことになるんだろう」ということを自分の中で整理することが最初の壁として感じたところでした。

    プロジェクトのゴールはもちろん「チラシを作る」ということなんですけど、その前の要件整理をしました。ベースは2021年度に東京ホームタウンプロジェクトのプロボノチームが団体さんの課題整理を支援したときの成果物にあった「行動モデル」を流用させていただき、今回のチラシの位置づけを仮説としてお示ししました。

    こちらは、私から団体さんへ「みんたかサロンってどういうものなのかを説明した資料はありますか」という投げかけをしたところ団体さんから提供いただきました。以前のプロボノチームの皆さんのおかげもあって何とか形にすることができたと思っています。

    行動モデルの資料では「気が付く」「興味関心を持つ」「行動する」といった対象者の行動プロセスを言語化して、「今回のチラシは気が付く・興味関心を持つにフォーカスすることでいいですか?」「実際に足を運ぶということ(アクション)を目的や目標にしなくても大丈夫ですか?」という点を確認しながら進めました。

    さらに、ターゲットについても言語化して、「もしも違っていたりニュアンスを追加したかったら教えてください!」とお願いして、ご意見を伺いました。「チラシを見たターゲットの方がこういうことを感じてもらいたいですよね」とか、「こういうチラシは違いますよね」ということを説明しながらチラシ制作の目的と役割を具体的にしていきました。

    団体さんにとっては、チラシに「足を運ぶ」という期待をお持ちと思いますので、「興味や関心を持つ」ということに焦点を位置付けるご提案は勇気が必要でした。団体の皆さんは、ああしたい、こうしたいという思いがある。でも、何でも詰め込んで、誰にでも届けようとすると、結局、誰にも届かなくて、何も伝わらないということになると思ったので、この点はきちんとご説明しながら進めていきました。

    団体さんへのリスペクト×私だからできること

    プロジェクトへの取り組みや団体さんとのやり取りの中で、「みんなのみたか」さんでの打ち合わせのやり方や意思決定は、企業のそれとは違うんだなということがわかってきました。非営利団体が地域の中で長い間活動し続けるという在り方は、営利企業とは別の価値がある。その存在の仕方を尊重したいという気持ちがすごく生まれてきました。一方で、プロボノに依頼するということは、民間企業で培った経験が求められているのではないかとも思いました。勇気がいりましたが、私だからこそ貢献できることがあるのかなと思って取り組みました。

    最初の打ち合わせでは、さまざまな戸惑いを感じることも正直ありましたが、に、団体の皆さんの地域に対する思いや、代表の方のファシリテーション、メンバー同士の尊重の仕方に「さすがだなあ」と尊敬の意を感じたんです。失礼にならないよう、きちんとお伝えできるように話の持っていき方を自分なりにイメージしながら準備しました。企業で培ったノウハウを活かしながら、相手のカルチャーに合わせて臨んだというところでしょうか。

    チラシを作っていくプロセスはスムースに進みました。思い返すと、要件整理の打ち合わせがキーポイントだったのかなと思います。チラシ制作のやり取りは団体の代表の方がメーリングリストを作ってくださって、メンバーの方々とメールでやり取りしながら順調に進んで納品となりました。

    全体で約1カ月のプロジェクトでした。前半2週間が要件整理で、後半2週間がチラシ作成というスケジュールです。
    オンラインでの打ち合わせは最初と要件整理のときの2回実施しました。要件整理のタイミングでチラシのたたきをお見せしたので、そこからはわーっと進んで、細かい修正などをメールでやり取りして完成となりました。

    当初はデータ入稿でプロジェクト終了という予定でしたが、団体さんから入稿後はデータをカラーコピーする予定と伺ったので、私の方でウェブの印刷会社に発注して着払いで団体さんに送るというところまでサポートしました。

    チラシは「Canva」という無料デザインツールで作ったのですが、団体さんから今後のイベントでも活用したいので編集できる形で受け取りたいというご希望を伺ったので、私も色々調べながらCanvaからパワーポイントに落としたデータもお渡ししました。

    勇気を持って提案しながらチラシを作成

    納品したチラシは、さっそく団体さんのアクションに活用いただいているようで嬉しく思っています。本業がデザイナーじゃないのでお恥ずかしいんですけど、基本的なところではターゲットと目的に寄せることやできるだけユニバーサルデザインのフォントを使うことを意識しました。
    団体さんからは、動線として、まず子どもがチラシを手に取ってパパを誘ってイベントに来てくれたらベストで「パパに来てほしい」というお話がありました。地域で配る親子向けのチラシは、比較的ママがメインになるようなイラストや色味になりがちだと思うんですけど、パパを意識して色味も青系や緑系を中心に3パターンくらいお見せして、男性が抵抗感を持ちにくい、これは僕向けじゃないと思われないものを意識しました。現役世代のパパに来てほしいということだったので、対象とする年代も40代を中心に30-50代くらいの男性が手に取りやすいということを考えながら進めました。

    チラシのコピーは、みんなのみたかさんのブログの中に素敵なコトバがたくさんあったのでそこから引っ張りました。ブログはずっと更新していないと伺っているので、団体さんも覚えていないものもあったようですが、団体の中で紡ぎ出されたコトバから使わせていただいたものです。

    改めて振り返ると「プロジェクト期間のミーティングはたった2回だけ!」という点は自分でも驚いています。1回目の打ち合わせで、勇気を持って提案をしても大丈夫そうと思えたんですよね。信頼関係の構築ができる団体さんと感じました。

    こちらから提案することで、団体さんからも意見が活発に出るようになりました。オンラインミーティングとメールで想定以上にコミュニケーションがとれて、最終的にいいなと思える関係性が生まれたと思います。

    意思決定における団体の皆さんの関わり方が、営利企業とはあり方が違っているところは勉強になりました。一方で団体さんが、みんなで議論して作っていくという性格の組織だったので、意思決定者がいない中でプロジェクトを進めるという不安は確かにありました。でも、代表の方がどこにもボールを置かないっていう対応はなさらずにきちんと対応してくだったので、どうにも決まらないということはありませんでした。

    認識していなかったスキルが見えた気がします

    育休中に応募した理由の一つとして、復職に向けて何かやっていたいというのがあり、アウトプット型の学びと思って参加しました。与えていただいた役割の中で、調べながらCanvaを使ったり、要件整理したり、提案を悩んだりということも、正直思ったよりも簡単ではなかったけれども、適度なストレスだったっていう感じです(笑)。家事育児だけじゃない状況は、自分にとって求めていたことでした。

    団体さんと一緒にプロジェクトを進める中でのコミュニケーション、課題整理、それからマーケティング的なことは自分の認識していなかったスキルです。今回のプロジェクトに取り組んだことで、自分が認識していなかったスキルが見えた気がします。チラシという形になったり、団体から評価をいただけたことっていうのはやっぱり嬉しいですね。

    プロボノならではの醍醐味はズバリ、これまで出会わなかった人と関わることができることですね。出会う方々の価値観や性格に尊敬を持って、新しい発見をしながらプロジェクトに関わることが楽しいです。 最初に自分がイメージしていたこと以上の学びとか楽しさがあると思います。最初の一歩を踏み出すのは勇気がいることと思うんですけど、ぜひ踏み出してみたらと思います。

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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