プロジェクト詳細
みんなのみたか
次へのステップは開かれた「場」づくり。アイデアが生まれ育つ、ゆるやかなつながりの創出を。
コマやけん玉、割り箸鉄砲といった昔遊びの数々や、馬との触れ合い、朗読、江戸小噺(こばなし)、皿回しの芸……。三鷹市内のそこここへ赴き、世代を越えて人と人とが集える娯楽や文化を伝えてきた地域団体「みんなのみたか」。設立以来14年、現役を退き第二の人生を歩む世代を中心に、市内の小学校の授業や行事、児童館や学童保育、7カ所のコミュニティセンターの祭りなどの場で、子どもたちとの交流を続けてきました。それは、「みんなのみたか」代表・倉林孝明さんいわく「子どもと関わることで、大人同士もつながり合える地域活動」であり、また、学校・家庭・地域が手を携えて子どもの育成にあたることを志した、三鷹市のコミュニティ・スクール(2009年度より市内全域でスタート)の実践に関わる活動でもありました。
みんなのみたか、通称「みんたか」の立ち上げ当初から活動に携わる倉林さんは、この会の特徴を「インキュベーション(ふ化)」と表現します。設立当時の2007年といえば、団塊の世代が、折しも定年を迎えようというころ。分厚い人口比を占めるこの層が、地域に関わっていく母体として期待された「みんたか」でしたが、「普通、組織には“こういうことをやる”が先にあるものですが、この会は、“何をしようか”から共に考えてきた会だった」と倉林さん。会員として集う人々が「こんなことをやってみたい」と持ち寄るアイデアの一つひとつが、有志の活動となり、部会として成長。さまざまな催しに呼ばれててんてこ舞いだという「昔遊び」の部会も、もとは倉林さんの発案から始まっているそう。また、「江戸小噺」の部会は、数人から始まった小さな活動が、今や一般社団を発足させるに至っています。
ただ、設立当時、会員として想定されていた団塊の世代はほとんど加入せず、倉林さんをはじめとした主なメンバーは、その少し上の世代だったそう。この理由について、倉林さんは「僕らは、仕事から離れた団塊の世代が家にこもらず、社会貢献をしたらどうかと考えていましたが、実際には体もまだまだ丈夫ですから、有償で“働く”ことに目を向ける人が多かった」と振り返ります。そこには、ボランティアや地域活動というものへの「みんたか」なりの意義づけや、魅力の発信を、十分にしきれずにきた反省もあるといいます。
結果として、新型コロナ感染症の広がる2020年春まで、既存の各部会がますます活発に活動する一方、「みんたか」本部への新規加入会員は少なく、年々、高齢化が進行。「みんたか」の活動には、昔遊びにせよ、馬との触れ合いにせよ、知識と技術、経験を要するものが少なくないため、ここは大きな課題です。コロナ禍の中、対外的な活動の多くを休止せざるを得ない事情もあり、現在、メンバーは、会の若返りと後継者の育成を目指し、組織のあり方を根本的に見直すフェーズを迎えています。
その中で生まれたのが、これまで、会員組織として運営してきた「みんたか」本部を市民に開き、より気軽で風通しのよい「みんたかサロン」として生まれ変わらせるという構想。学びたい人、つながりたい人を広く募り、「みんたか」のリソースである人・もの・金・情報・地域活動の経験を活用しながら、会員、各部会員、市民の枠を越えて交流を深める。やりたいことや興味関心を持ち寄り、語り合い、サポートし合う……そんなゆるやかな連帯の「場」づくりを模索しているのです。
「昔、町には祭があり、伝統文化があり、じいさまから青年部会へ、子ども部会へとつないでいた。町の中心に祭組織があり、自分たちもかっこいい親父になりたいな、との思いでつないでいける仕組みがあったのですが、それが社会からなくなりつつある」と運営メンバーのみなさんはいいます。だからこそ、それらに代わり得て、かつ若い世代の感覚にも合う、よりオープンな場が必要なのではないかと。
<プロボノプロジェクトの内容>
この秋、「みんたか」と協働するプロボノチームが取り組むのは、この「みんたかサロン」実現へ向けた『事業戦略検討ワークショップ』です。倉林さんは、「我々の年代の人間が考えることだけでは狭いので、ぜひ、現役世代のプロボノワーカーの方々のご意見を聞きたい。これは我々自身向けにやろうとしていることではありませんから、対象となる60代、50代、できれば40代の人たちに働きかける言葉として適切なのか、というところを見ていただきたい」と、期待をかけます。市場に、特に三鷹市にはどのようなニーズがあり、「みんたか」の価値はどこにあるのか。現メンバーが不得意としてきた情報発信やコミュニケーションを、いかに活性化すればよいか。「みんたか」第2ステージへ向け、歩みが始まります。
(本記事は2021年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- みんなのみたか
- 活動開始時期
- 2007/平成19年5月
- 代表者名
- 倉林 孝明
- 所在地
- 東京都三鷹市
- ホームページ
- https://min-taka.jimdofree.com/
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進捗率
進捗状況
全10チーム合同で事前オリエンテーションを実施しました。オンラインでチームメンバーの顔合わせを行い、支援先団体の事前情報の確認や、本番当日までの準備の進め方などについて話し合いました。
ライフシフトセミナー&チームビルディングを実施しました。チーム内で自分年表を共有し合い、それぞれの人生の歩みや経験などの相互理解を深める機会となりました。
「みんなのみたか」の皆さんへのヒアリングを実施しました。事前情報からプロボノチームが整理した内容を基に、目標を確認し、現状についてより詳しくヒアリング。再度のヒアリングを調整中ですが、一度チームで内容を持ち帰り、課題整理と解決策の提案に向けて準備を進めます。
「みんなのみたか」の皆さんへの追加ヒアリングを行い、その内容を受けてチームミーティングを実施しました。
中間報告に向けたチームミーティングを実施しました。
「みんなのみたか」の皆さんへ中間報告を行い、ヒアリング内容を整理した情報をもとに「みんたかサロン」設立の目的を確認。本番ワークショップで考える内容について合意しました。
チームミーティングを実施し、本番ワークショップの具体的な内容、進め方について検討しました。
チームミーティングを実施し、本番ワークショップの進行や役割分担などについて確認しました。
プロボノチャレンジ本番を実施しました。世代を超えて、地域のつながりがほしい、何かやってみたいと思っている人の入り口となるオープンな場「みんたかサロン」の設立に向けてのワークショップを行いました。
ワークショップでは「みんたかサロン」の将来像、活動案について付箋を用いて意見を出し合った後、目的とのつながり、発展のさせ方や実現性を考えながら、実行計画として具体的な企画案をまとめていきました。プロボノチーム4名はファシリテーション、まとめ、記録を担当。後日、内容を資料にまとめて納品します。
プロボノチャレンジに取り組んだ全10チームがオンライン上で集まり、成果報告会を実施しました。
成果
「みんたかサロン」のありたい姿を言語化し、実行案を合意
成果物としては、課題整理のプロセスと結果、本番ワークショップで言語化された「みんたかサロン」のありたい姿と具体的な企画案、オンライン活用提案 を資料としてまとめて納品しました。
本番ワークショップの当日はまず、中間提案で整理・確認できた「みんたかサロン」設立の目的について、お集まりいただいた団体関係者のみなさんに説明。そのうえで、将来像、活動案について意見を出し合っていただきました。プロボノチームは、目的のために必要な要素、期待されるコミュニティの発展プロセス、活動案の実現性などを整理しながら、みなさんの意見をまとめていきました。
支援先さんからは、「来年4月、『みんたかサロン』の第一回イベント実現の折にはぜひご案内しますね!」とのお言葉もいただき、再会を約束して解散となりました。
そして後日、プロボノチームで、ワークショップの過程と決まったことを、当日参加いただけなかった方にも伝わるように資料にまとめ、それを踏まえた情報発信・オンライン活用についての提案を添えて成果物を完成。納品してプロジェクトが完了しました。
チームメンバー
- プロジェクトマネジャー
- 長崎さん
- メンバー
- 阿久津さん 岡本さん 野田さん