東京ホームタウンSTORY
支援先レポート
「プロボノは大きな力になる」
2度の支援を受けて「お助け隊」に生まれたハリと喜び
代表 青木 弘道さん
品川区中延商店街を中心に、困っている高齢者と困っている人を助けたいという高齢者をつなぎ、困りごとを解決するサービスを「有償ボランティア」という仕組みによって提供している。2015年度東京ホームタウンプロジェクト「プロボノ1DAYチャレンジ」に続き、2018年度の長期プロジェクトにも参加。プロボノ支援を受けて、NPO法人化を実現。さらに、ウェブサイトを作成し、着々と組織基盤を固め活動を広めている。
> ウェブサイトはこちらページ:1 / 3
「街のお助け隊コンセルジュ」がもたらす5つのWIN
東京都品川区の閑静な住宅地の中に、懐かしい昭和の香りを残す中延商店街があります。東急池上線の「荏原中延駅」と、東急大井町線、都営地下鉄浅草線の「中延駅」をつなぐ、約300mのアーケード商店街です。
この商店街を中心に、近隣の高齢世帯の「ちょっとした困りごと」のお手伝いをしている、「街のお助け隊コンセルジュ」というNPO法人があります。サービスを受けるのが地域の高齢世帯なら、サービスを提供するのも高齢者。地元の元気な高齢者が、それまでの人生経験を生かして、「困りごと」に対応しています。「困りごと」の中身は、庭の草取りや植木の剪定、網戸の張り替え、エアコンの掃除など。大きな台風が来たあとは、屋根の修理も頼まれます。
「街のお助け隊コンセルジュ」のユニークなところは、「有償ボランティア」という仕組みです。「困りごと」のある人(利用者)は、年会費を払ってNPOに利用を申込み、その際、クーポン券を購入します。「困りごと」を解決する「お助け隊」の人たち(参加者)も年会費を払ってNPOに登録し、解決したらクーポン券を受け取ります。作業の内容ごとに異なりますが、だいたい1時間当たり1,000円相当のクーポン券が当てられます。お助け隊参加者たちが、手元に集まったクーポン券を月に一度NPOに持っていくと、NPOはそれを半額相当の商品券と引き換えます。商品券は中延商店街で買い物に使うことができ、残り半額相当はNPOの運営費に充当するという仕組みです。
この仕組みは、WIN-WINならぬ、5つのWINにつながっています。まず、「ちょっとした困りごと」を安価で気軽に解決してもらえる、地域の高齢世帯のWIN。次に、地域の元気な高齢者が「お助け隊」に参加して、人助けに生きがいを感じられる上に、商品券で買い物ができるWIN。そして、高齢者が生きがいを感じて元気になれば、国や自治体の医療費が削減できるWIN。さらに、商品券の使用で、商店街が活性化するWIN。最後に、年会費やクーポン券を半額相当にすることによって、NPOの運営資金が得られるWIN。以上5つのWINです。
「街のお助け隊コンセルジュ」の活動は、2004(平成16)年に、現・理事長の青木弘道さんたちが始めました。最初は、活動内容を理解してもらうのに時間がかかりましたが、現在は、約600人の利用者のさまざまな「困りごと」の解決に役立っています。登録している参加者は約90人で、そのうち20人弱が日常頻繁に活動しています。
- 「地域参加のトビラ見本市」レポート
- 「東京ホームタウン大学2024」分科会レポート
-
「東京ホームタウン大学2024」メインセッションレポート
2025年、そして、その先へ。超高齢社会・東京のこれまでとこれから - 【参加者の声】スキルに自信を持てた宝物のような経験。まちの見え方にも変化が
- 【参加者の声】異業種のチームメンバーから学び、楽しめたチャレンジ
- 【参加者の声】気軽に参加できて、新しい社会の一面も見られる機会に
- 「東京ホームタウン大学2023」分科会レポート
-
地域づくりの将来像を共有するために〜目標を言語化する方法
「東京ホームタウン大学2023」
基調講義レポート -
楽しみながら支え合う〜心を動かす言葉の力
「東京ホームタウン大学2023」
オープニングトークレポート - 【参加者の声】団体さんへのリスペクト×私だからできること