天井の高いアーケード街に個性的な店が軒を連ねる中延商店街。ここでは、高齢者の「ちょっとした困りごと」に元気な高齢者が応える「街のコンセルジュ」の活動が街を元気にしています。
「高齢者は、寝たきりか、元気か、生活に困ることが出てきた“日常生活難民”のどれか。寝たきりの人は国が助けてくれても、日常生活難民は誰も助けてくれないんですよ」と代表者の青木さん。そこで2004年に考え出したのが、元気な高齢者に有償で活躍してもらうこのシステムです。有償にすることで責任感も生まれます。そして、人助けのはずが、助ける側を助ける効果も。即ち退職をして張り合いのない日々を過ごしていたところに、自分の特技を活かして人助けができる、ありがとうと言ってもらえるとなれば、それが生きがいになり元気になった方もいらっしゃるのもうなずけます。
「困りごと」の中身は、部屋の清掃、ペットの散歩、電球の取替え、買い物代行、家具の移動など様々。およそ100人の地元の高齢者がボランティアとして登録し、毎月、延べ40件近い相談に対応しています。相談の中には、プロの手が必要なことも。そんな時には、身近な地域の水道屋さん、電気屋さんなども紹介します。信頼しているお店だから紹介できる、何かあったときにはすぐに来てくれるから依頼した高齢者の方も安心できる、その信頼の輪も、「街のコンセルジュ」成功の秘訣です。
今の目標は?
「23区に広げたいといつも言っていますが、本当は日本中に広げたい」と青木さん。テレビ取材や地方からの視察もよく来るというこの活動。たくさんの人が訪れ、素晴らしさを称賛してくれます。その人たちに、「いい活動ですね」と感想を言ってもらうだけで終わらせず、やってみたいという人に実現してもらうにはどうすればいいのか。中延で磨いてきた仕組みを他地域にノウハウを移転したり、中延と日本各地とが継続的に交流するようなネットワークを発展させていくためにはどんな仕掛けが必要なのか。
プロボノ1DAYチャレンジでは、活動を広げるために何ができるのか、プロボノワーカーとともにディスカッションしていきます。23区へ、そして日本中へ「街のコンセルジュ」を広げるために、プロボノワーカーからはどんな提案がされるでしょうか? 乞うご期待!
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
事前オリエンテーションを実施しました。
プロボノチーム全員で支援先を訪問、団体の活動や1DAYチャレンジへの期待などを聞かせていただきました。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
成果物の納品を実施しました。
現在の活動を継続するとともに、他の地域にも広めていきたいという団体の目標に向けて、チーム全員が団体代表の青木さんの真剣に受け止め、「理想」と「現実」を埋めるには何をするべきかを検討するディスカッションを実施。
「安定した資金調達」を最大のポイントとして、いま団体が持っているものを最大限に活用した具体的なアクションプランがチーム側から多数挙げられ、限られた時間の中で、最終形の提案資料がほぼ完成しました。
団体代表の青木さんからも「素晴らしいのひと言。正直どこまで団体の活動や思いを理解してくれるか不安だったが、むしろこちらが気付かない意見、提案がされ、とても有意義な時間だった」とコメントを頂きました。