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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    支援先レポート

    制度の間にある課題をネットワークで解決
    「地域福祉コーディネーター」の仕事とは?

    社会福祉法人 文京区社会福祉協議会 富坂地区 地域福祉コーディネーター 
    上村 紗月さん(写真左)
    保良 聡美さん
    2017年2月20日

    設立 1952年(社会福祉法人化:1963年)

    社会福祉協議会は、社会福祉法に基づき「地域福祉の推進」を目的に、全国・都道府県・市区町村のそれぞれに組織されている非営利の民間団体。文京区社会福祉協議会(=文社協)は「だれもが安心して住みつづけられるまちづくり」のため、様々な事業を通じて地域福祉の向上と充実に努めている。また、地域住民が主体的に取り組み支えあえる町づくりを、地域住民、民生委員・児童委員、行政、地域福祉関係者・関係団体等と進めている。

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    地域生活を送るなかで困りごと、気がかりなことがあっても「どこに相談していいのかわからない」と悩むことがあります。また「地域の行事や活動を運営しているものの、人が足りない」という団体もあります。こうした小地域の福祉活動を推進・支援するために、東京都内には「地域福祉コーディネーター」を配置している社会福祉協議会があります。

    地域福祉コーディネーターは、地域住民から寄せられた課題解決のお手伝いをするとともに、区内全域で支援を広げるべき課題を見つけた場合は、行政の施策にもつないでいく存在です。
    文京区社会福祉協議会(=文社協)の富坂地区で地域福祉コーディネーターとして活動するお2人を招き、事例を伺いながら、コーディネーターという役割が求められている背景を探ります。

    「社協」は地域福祉を行う非営利団体

    ――まず基本的なところから確認したいのですが、よく社協(しゃきょう)と略される社会福祉協議会について、簡単に紹介をお願いします。

    上村 社会福祉協議会は民間の非営利団体です。社会福祉法に基づいて「地域福祉の推進を図ること」を目的として、全国都道府県、市区町村にそれぞれ置かれています。私たちは文京区社会福祉協議会(以下、文社協)から参りました。

    ――どんなことに取り組んでいるのですか?

    上村 身近な地域で活動している市区町村の社会福祉協議会では、地域の方、社会福祉法人、学校などの教育機関、企業などと連携して、安心して暮らせる地域づくりを目指しています。
    その地域の実情に応じて、介護の事業所や施設を運営している社協もあります。文社協の場合、組織はコンパクトで、有償家事援助、お子さんを見るファミリーサポートセンター、ボランティアセンターなどの活動、運営を行っています。その中で私たちは、福祉を推進する地域福祉コーディネーターという役割です。

    ――共通しているのは、人と人とをつないでいくようなお仕事ということでしょうか。

    上村 その通りです。特に大事にしているのは、あくまでも住民主体、地域の方々が進めていることのお手伝いとして、私たちがつないでいくということです。

    ――ファミリーサポートの話もありましたが、必ずしも高齢者の方だけを支援しているわけではないんですね。

    上村 高齢者、障がい者、お子さんなど、さまざまな方がいらっしゃいます。

    実は、人口の流動性が高い文京区

    ――東京都の地域福祉を語るとき、いわゆる団塊の世代が後期高齢者になる「2025年問題」がキーワードになります。文京区の2025年問題をどのように認識されていますか?

    上村 文京区の人口は2016年8月時点で約21万人。7月現在の65歳以上の割合は約19%です。2020年までの間に、人口は横ばいでありながら高齢者が増えていくことが予測されます。認知症、要介護、障がいを抱える人が増えていく。核家族、地域コミュニティのあり方など、地域、家族の両面で、課題が予測されます。

    ――メディアで報じられているように、認知症の患者が今後増えていくことも実感していますか?

    上村 認知症は早期発見、早期対応が大切です。地域のつながりが弱くなっていくなかで、一人暮らしの方の増加などで、早期発見する機能が弱くなっていることは感じています。

    ――文京区といえば、昔ながらの落ち着いた町、文化的なイメージがあります。地域のつながりはもともとあるのでしょうか?

    上村 その話題になると、たくさんお話したくなります(笑)。文京区は、まさに文(ふみ)の都。森鴎外、夏目漱石、樋口一葉をはじめとした著名な文人の住まいや活動拠点があります。東京大学をはじめとして教育機関にも恵まれています。
    また、坂の町でもあるんですよ。名前のつく坂が115カ所、高低差は20メートルに及びまして、坂上と坂下では、それぞれ違った個性があります。さらに近年ではオフィスと住居のエリアでは、区内でも雰囲気が違いますね。

    ――さすがですね! 昔ながらのものといえば、町内会などの活動は活発なのでしょうか?

    上村 おそらく都内では町会の加入率は高いほうではないかと思っています。町会がなくなってしまうという話は聞いたことがありません。再開発を進めているなかで、ファミリー向けマンションが増えています。住民の方々が入会するのには、難しい部分があるのかもしれませんが。

    ――それでも、ほかの地域に比べれば町会が残っていると。

    上村 はい、でもその一方で、文京区は、何年かに半分の住民が入れ替わってしまうくらい、流動性が高いといわれています。

    ――それは意外でした。

    上村 地価が高くなっていますので、自宅の土地を売って転居、その跡地にマンションが建築されるといった流れです。

    ――そうした背景があると、地域福祉には難しい面もあるのでしょうか?

    上村 文京区だけではないと思いますが、同じ文京区に住んで同じ学校に行くかというと、10人のうち4人が中学受験をして、皆さんバラバラの学校に進学します。地域に住んでいることを感じにくくなっているのではと感じています。企業も同様ですよね。

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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