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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    東京ライフシフト

    ライフシフトのテーマは「社会貢献」。自己分析と行動力で新たな自分に出会う

    地域活動×ライフシフト 実践者インタビュー
    岩木徹さん(住友林業グループ)
    2021年8月25日

    3年前に地域の社会福祉協議会の「認知症サポーター講座」でボランティア登録をし、ほぼ同時期に東京ホームタウンプロジェクトのプロボノに参加した岩木さん。それらの活動をきっかけに地域でコミュニティの立ち上げに参加され、現在は居場所運営や自治体の委員活動を行っています。自らのライフシフトのテーマをどのように見いだしたのか、また、岩木さんが感じた仕事と地域活動の違いや、その面白さについて伺いました。

     

    ※2021年6月30日に開催した「東京ホームタウン 入門講座『ライフシフト入門』」のゲストトークの内容を編集しています。

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    ライフシフトのテーマ「社会貢献」は、徹底的な自己分析でたどり着いた

    普段はどのようなお仕事をされているのでしょうか?

    住宅メーカーに長く勤めており、今は出向先の人事系のグループ会社で社員の研修を担当しています。3年ほど前、私がライフシフトを考え出したのと同じころから、企業全体でキャリアが非常に重視されるようになり、個々のキャリア支援に注力するようになってきました。ですので、ライフシフトを仕事の中で学んでいく機会も増えています。

    ライフシフトについて考え始めたきっかけは?

    グループ会社への出向を機に仕事のペースが良い意味でスローになり、退職後どういう働き方、生き方をしていくかということを考えるようになりました。それが、53歳くらいの時です。キャリア研修もやっていたものですから、まずは自己理解・自己分析をしなければと、いろいろな自己理解のセミナーに参加したり、本を読んだりしながら、自分のライフシフトのテーマは「社会貢献」だとたどり着いたのです。
    そして、「社会貢献」「福祉活動」などとインターネットで調べていくなかで、サービスグラントのプロボノに出会いました。また、同時期に社会福祉協議会の「認知症サポーター講座」を見つけ、まずは何でもいいから始めてみようと受講。そこから、ボランティア登録を進められて、今の居場所の立ち上げ、運営に至っています。

    2018年に東京ホームタウンプロジェクトで居場所運営にまつわる多世代交流プログラム「地域づくりの台本」に参加された理由は?

    「新プロジェクト発表会」に参加した際、「今年初めて居場所運営のコツや活動のエッセンスを抽出するプロジェクトを実施する」という話を伺いました。ちょうど社会福祉協議会から居場所の立ち上げの支援を打診されていたところだったので、地域の居場所のお手伝いもでき、さらに自分が居場所を立ち上げるうえでの勉強にもなって一石二鳥だと思い、手を挙げました。
    参考:多世代交流プログラム「地域づくりの台本」

    その時点で、ご自身が居場所を立ち上げる側の立場でもいらしたのですね。

    そこは、うまく社会福祉協議会の方に巻き込まれたといいますか(笑)。実は、地域の居場所を立ち上げたいという方が何人かいらしたのですが、リーダーに手を挙げる方がいなかった。そこで声をかけられたのです。ですから、私がアグレッシブに立ち上げたというよりも、呼ばれて行ったらリーダーにされてしまった、という感じで(笑)。とはいえ、もともと興味関心があったので、お受けしました。

    プロボノプロジェクト「多世代交流プログラム(2018) 」に参加時の岩木さん(写真左端)

     

    仕事とはまったく違う進め方や、価値観のぶつかり合いこそが面白い

    実際に地域活動に関わってみて、発見や驚きはありましたか?

    私が30年間関わってきたビジネスの在り方と、似て非なるものなんですよね。地域の問題というのは非常に複雑で、なおかつ、携わっている方が多様な価値観を持っています。会社というのは、課題の方向性が決まっていて、そこにチームで取り組む。場合によってはトップダウンでやってしまうこともある。でも、地域活動ではそれが通用しません。そこが一番違うことだと思います。また、進めるスピードがまったく違いますね。地域活動は永続的なものですから、ゴールと納期が明確なビジネスとは大きく異なります。
    そんななかで、東京ホームタウンプロジェクトのプロボノ活動は、まさにビジネスと地域活動の中間にあると感じますね。ビジネスと地域活動は違うのだけれど、しっかりと目指すところをすり合わせて取り組むことで、現役のビジネスパーソンがうまく関わり、フィットしているなと、最近すごく思います。

    ご自身に対する気付き・変化はありましたか?

    地域課題解決に対して、こんなに自分はモチベーションが高かったんだな、と今になってますます思うようになりました。私の場合は、仕事の延長で地域活動はしたくなくて、仕事とはまったく違う進め方や価値観のぶつかり合いに面白さを感じているんです。ぶつかればぶつかるほどモチベーションが上がっていく、そんな自分を感じます。レジリエンス(回復力)が高いんだろうなと思います(笑)。

    レジリエンスはもともと高かったのでしょうか?

    いろいろ壁にぶつかりながら高まった部分もあるとは思います。ただ、私は来年60を迎えますが、60歳以降やっていきたいテーマは「社会貢献」「地域福祉」だと、徹底的に自己分析をしてキーワードを見つけ出したことが大きなポイントかなと思います。ここがあいまいなまま次のステップに行こうとするとぶれてしまうのではないでしょうか。

    今後のライフスタイルの展望は?

    イメージとしては、来年からは仕事を半分にしようかなと思っています。残りは全部地域活動というわけではなく、趣味やスポーツボランティアなどもやっていきたいです。地域活動については、社会のシステムを変革しようとしている人とパートナーになって、そういう方をサポートしていくような活動をしていきたいですね。

    <「入門講座」参加者からのQ&A>

    Q.住宅メーカーでのご経験や人事業務でのご経験が、居場所づくりに役立ったと感じられた点は、どのような部分でしょうか?

    A.住宅営業や人事業務と同じく、居場所づくりも相手の立場に立って共感し寄り添う「人と人との関係性」が最も大切であるということです。営業時代のお客さまに対して、人事担当者としての社員に対して培ってきた姿勢が、共に居場所づくりをしている仲間や利用される方に対しても活きていると思います。

    Q.お仕事でライフシフト研修をされる際、参加者に前向きに取り組んでもらうためにされている工夫はありますか?

    A.ライフシフト世代の多くの社員は定年後の自分の姿を描いていません。キャリアの3要素である「自分がやりたいこと」「自分ができること」「世の中で求められていること」を客観的に『自己認識』することも大切ですが、今やVUCAの時代、人生100年時代という『現状認識』をし、そのためにもリカレント・リスキリングなどの『学び直し』が重要であることなどを伝えて、働き方・生き方の固定概念を一旦ぶち壊して組み立て直してもらうようにしています。そのためリンダ・グラットン氏の著書である「LIFE SHIFT」の内容や「プロティアンキャリア」の考え方なども引用しています。

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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