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    東京ホームタウンSTORY

    2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

    支援先レポート

    歌って、動いて、笑って、楽しく介護予防
    高齢者が仲間とともに元気になる歌声広場


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    さりげなく高齢者に寄り添う「よりみち」のホスピタリティ

    いろいろな場面で笑いが生まれる明るい雰囲気づくりに、前田さんの軽妙なトークが大きな役割を果たしています。
    「その話術に惚れて前田さんをスカウトしたのです」と、代表の今井さんは語ります。

    最初は今井さんが、趣味のアコーディオンを通じて知り合った中西基起さんとの二人三脚で介護施設などを回り、細々と活動を続けていました。そんなある日、認知症対応型デイサービスへの出張で司会を務めてくれたのが、介護福祉士として勤務していた前田さんでした。施設利用者一人ひとりに目を配り、場を盛り上げる司会ぶりは、「よりみち」でも遺憾なく発揮されています。

    この出会いを、前田さんは「偶然ではなく必然だった」と考えています。互いが長年、介護現場で働く中で感じていた「これから必要なのは介護予防だ」という想いが一致したからです。アコーディオンの生演奏に導かれる歌には笑顔や生きがいを生むパワーがあり、必ずや介護予防に役立つと直感しました。それぞれのつてで伴奏者やイベントを手伝うボランティアスタッフがつながり、現在のスタイルが確立したのです。

    介護資格を持つスタッフならではの見守り視線も、高齢の参加者が居心地のよさを感じるポイントです。「よりみち」ではチラシを見て一人で参加する人も多く、最初は不安そうに来場しますが、面倒見のよいメンバーのテーブルに連れていき、「初めての方だから、いろいろ教えてあげてね」とお願いすることで、他の参加者に馴染めるよう配慮しています。そっと様子をうかがっていると、帰りがけに一緒にお茶をして、次の回には途中で待ち合わせて会場に来るほど親しくなったという例がいくつも見られます。

    「それでも出すぎたサポートは、かえって高齢者のプライドを傷つけます。私達がめざしている介護予防も、『まだそんな状態ではない』と拒絶反応を起こしかねないので、参加者に向けて掲げることはありません」と今井さんは語ります。

    こうした見守りが、認知症の早期発見につながったケースもあります。
    「八王子市から一人で参加していた87歳の女性は、いつも『中央線に乗りました』とメールを入れてきました。要所要所で乗り換えの指示をしていたのですが、ある時、『上野にいます』と連絡がありました。本人に迷っているという自覚はなく、乗り間違えのポイントとなった地点に戻れず、19時近くにようやく会場に辿り着いたのです。それが2回続き、これはもう一人で来るのは難しいだろうと判断し、江東区の地域包括支援センターを通して、居住地の福祉担当者につないでもらいました。長年、高齢者を見てきた私達なら変化に気づくことができる。同居家族が働いていると、親はいつまでも元気なものと見過ごしてしまいがちです」

    そんなエピソードを語る今井さんは、これからは地域包括支援センターが「よりみち」のような市民団体との連携を深め、地域の高齢者を見守る体制を整える必要があると考えています。

    東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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