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    東京まちかど通信

    自転車の交通安全教室で地域の安全に貢献

    ひまわりリング 中山 昭男さん 堀田 侔さん 平野 千鶴子さん 田中 雅巳さん 渡辺 庄三さん 谷口 豊さん 金森 典子さん 石井 由紀子さん 堀 智代さん 笹津 智榮子さん

    江戸川総合人生大学江戸川まちづくり学科の6期生が中心となって結成されたひまわりリングは、自転車の正しい交通ルールを広く知ってもらうために、寸劇や指人形劇を使った啓発活動を行っています。10名のメンバー全員が「みんな、それぞれ、自分にできることを」という姿勢で参加、活動は11年目を迎えました。具体的な活動内容やひまわりリングに参加して得たものなど、メンバーのみなさんにお話をうかがいました。

    共同代表 中山昭男(なかやま あきお)さんにインタビュー

    寸劇と指人形劇による自転車の交通安全教室を開催しています。

    ――ひまわりリングの活動内容を教えてください。

    自転車のルールやマナーの普及啓発活動によって自転車事故を1件でも減らすことを目標に、寸劇や指人形劇による交通安全教室を開催しています。寸劇はおもに高齢者を対象に行っています。内容は、交通安全に関する5幕20分間、その後の質疑応答10分間という計30分のプログラムです。内容は「自転車安全利用五則」にのっとって、飲酒運転の禁止、左側通行の順守、二人乗りの禁止、スマホ・傘差し(片手)運転の禁止、自転車盗難防止策(鍵かけの徹底)となっています。指人形劇は小学校低学年の児童が対象で、横断歩道の渡り方など20分間の劇、その後に人形に直接触れて遊ぶ時間を10分間設けています。当初、児童には紙芝居を用いていたのですがあまり興味を示してくれませんでした。そこでメンバーのひとりから提案があり、指人形を取り入れてみたところ、子どもたちが楽しみながら学んでくれるようになりました。実際に指人形と遊ぶ時間を設けているのも良いようです。

     width=寸劇:飲酒運転の禁止

    寸劇のフィナーレは全員で交通ルール
    をおさらい

    児童には指人形劇で交通安全をアピール

    指人形はメンバーによる手作り

    このふたつの活動を合わせて年6~7回ほど公演を実施していますが、会場によって舞台の広さがかなり異なるので、かならず事前に下見をするようにしています。公演先については、先方から依頼が来ることもあれば、自分たちからアプローチすることもあります。たとえば「くすのき南葛西クラブ」での公演は、主催者側とひまわりリングのメンバーの一人が知り合いだったことから実現しました。また、江戸川区立下鎌田西小学校の「すくすくスクール」のように、新1年生が入学する時期に定期的に依頼されるところもあります。

    ――ひまわりリングという名前の由来はなんでしょう。

    江戸川総合人生大学の6期生が中心となって活動しようとなったとき、「明るく楽しく活動できればいいね」ということで、明るさの象徴のようなひまわりを選びました。リングには「輪を広げよう」という思いが込められています。

    私もひまわりリングの立ち上げ期から関わっているので、もう10年になりますが、こうしたひまわりリングの一連の活動により、現役を引退した後も時間を持てあますこともなく、外で活動できるいい機会を与えてもらっていると感じています。 

    ――ひまわりリングの今後の抱負をお聞かせください。

    現在の交通安全教室の対象者は高齢者と小学校低学年の児童ですが、今後はお子さんのお母さんを対象とした教室も開催したいですね。というのも、電動アシスト自転車にお子さんを乗せたお母さんが危ない運転をしているのをよく見かけるからです。お母さんが自転車の正しい交通ルールやマナーを理解し、守ることは、そのままお子さんの自転車の正しい乗り方にもつながっていくのではないかと思います。

    共同代表 堀田侔(ほった つよし)さんにインタビュー

    寸劇の脚本にはメンバーみんなのアイデアが盛り込まれています。

    ――ひまわりリング発足の経緯を教えてください。

    江戸川総合人生大学の在学中に、同期生と一緒にまちづくりについて考える中で、江戸川区は交通事故に占める自転車事故の割合が全国平均や東京都の平均よりも高いことを知りました。私たちも江戸川区で暮らしていますが、夜間に無灯火の自転車と遭遇してひやりとしたこともあります。そこで、自転車に特化した交通安全を訴えていく活動をしていこうということになったのです。同じ思いの有志が集まっても、卒業後は活動が途絶えてしまったり、グループが自然消滅してしまったりするケースもあるのですが、幸い私たちはこうして10年以上、活動を継続することができています。

    ひまわりリングのモットーは「全員でやる、全員で共有する」ということです。特定のひとりがリーダーシップを発揮して残りのメンバーを引っ張っていくのではなく、全員で情報を共有し、寸劇や指人形劇に参加します。そのため、私はメンバーへの連絡を担っているほか、葛西警察署さんなどとの打ち合わせといった渉外を担当しています。

    ――寸劇の脚本も堀田さんが書かれたそうですね。

    寸劇は、中山さんが紹介した5幕に加え、詐欺を取り上げたものもあります。これは自転車とは別の話なので、演目に加えない日もあります。脚本は、私が考えたのはたたき台までで、あとはみんなから出た「ここにこういったネタを入れるといいのでは」、「これだと流れがよくないからこっちの方に進んでみたら」、といったさまざまなアイデアを盛り込みましたから、メンバーみんなで作ったようなものですね。また、みなさん芸達者なので、お客さんの反応を見ながらうまくアドリブも取り込みつつ会場を盛り上げています。

    指人形劇は「優しいお兄ちゃん」という題目で、お兄ちゃんと妹が横断歩道を渡る場面とか、サッカーをしているときにボールが公園から道路に飛び出すといった場面を盛り込んでいて、子どもたちにも分かり易い交通安全教室となっています。

    ――最初に脚本のたたき台を作られた際、交通安全関係の情報収集はどのように行いましたか。

    まず区役所で、江戸川区の交通安全に関する啓発活動などの現状について話を聞きました。次に葛西警察署に足を運び、自転車のルールやマナーについて教えてもらいました。それから1年ほど勉強を重ね、その内容はすべてメンバーで共有していきました。

    実は、はじめはどこに相談したらいいのかわからず、いきなり警視庁に電話をしてしまったんです。事情を話したところ、葛西警察署の交通総務課を紹介していただきました。そのため警視庁から葛西警察署にあらかじめ連絡して頂いていたので、葛西警察署では非常にスムーズに話が進んで助かりました。

    会計 平野千鶴子(ひらの ちづこ)さんにインタビュー

    地域のみなさんに頼りにされるような活動を続けていきたいです。

    ――平野さんのひまわりリングでの役割を教えてください。

    会計としてひまわりリング発足時から参加しています。10人という少人数で活動しているので、誰もがいなくてはならない大切な人たちです。裁縫が得意な人は指人形を作り、運転ができる人は車で機材や人を公演会場まで運び、舞台にはほぼ全員が出演して、それぞれの役をしっかり演じています。各自が自分の得意分野で力を発揮することで、ひまわりリングという団体が成り立っているのだと思います。

    寸劇:傘差し運転や二人乗りはいけません

    寸劇:イヤホンで音楽を聴きながら
    自転車に乗ってはいけません

    寸劇の進行は分かりやすさが大事

    寸劇:盗難防止 鍵のかかっていない
    自転車を物色する泥棒

    公演が決まるとメンバーの日程調整をするのですが、10人全員の都合をそろえるのには毎回苦労します。また、気心の知れた仲間で行っている活動なので積極的に新規メンバーを募集しているわけではなく、ひとりでも欠けると大変です。

    ――活動のやりがいや、長く続いている秘訣はなんだと思いますか?

    わずかながらでも江戸川区のみなさんのお役に立てているのではというのがやりがいにつながって、10年続けてこられたと感じています。また、ひまわりリングのメンバーととても楽しく活動できているということが嬉しくて、それが長い活動の根幹となっていると思います。

    ひまわりリングがこれまで解散の危機もなく存続できたのは、一番にチームワークが良いことだと思っています。また、公演終了後に公演先へかならずお礼状を送るといったことも関係しているかもしれません。「公演してあげる」ではなく「公演させていただく」という姿勢を大事にしています。また、そこから別の公演先をご紹介していただくこともあります。

    ――ひまわりリングと地域とのつながりについて教えてください。

    葛西警察署には大変お世話になっています。毎月10日の「交通安全の日」には合同で交通安全のビラ配りなどを行っていますし、葛西警察署が主催するイベントでの公演も恒例となりました。「警察だけで行うのではなく、地域住民が一緒になって行っていることが大切」と、警視庁や葛西警察署、東京都交通安全協会などから感謝状もいただきました。今後も地域活動グループのひとつとして、地域のみなさんに少しでも頼りにされるような活動を続けていきたいと思っています。

    感謝状、活動への評価は励みになります!

    田中雅巳(たなか まさみ)さん

    私はひまわりリングを立ち上げたメンバーのひとりです。人前で話すのが苦手なため、寸劇は今も緊張します。覚えていたはずのセリフが飛んで頭が真っ白になってしまったり、練習ではうまくできていたのに本番では思い通りにいかず、残念な思いをしたこともあります。それでも楽しい仲間たちに出会えて、こうして一緒に活動できていることがうれしいので、今後も自分にできることをやっていこうと思っています。

    渡辺庄三(わたなべ しょうぞう)さん

    私は花壇の手入れをするボランティアをしているのですが、6~7年前に「寸劇のメンバーが足りない」ということで声がかかり、ひまわりリングの活動にも参加するようになりました。気の置けないメンバーなので、いつも楽しいですね。これもひとつの生きがいですから、このような活動がなにもない生活はつまらないと思います。これからも体力の続く限り、寸劇で役に立っていきたいですね。

    谷口豊(たにぐち ゆたか)さん

    江戸川総合人生大学在学中から自転車に関する啓発活動をしたいと思っていたところ、授業にひまわりリングの方がいらして活動内容を話してくれました。そこで「卒業後は一緒に活動したい」とお願いしました。正直なところ、活動内容に寸劇があることにあまりピンと来ていなかったのですが、今や自分も参加して演じているのですから不思議な感じがします(笑)。活動は楽しくやらせていただいています。

    金森典子(かなもり のりこ)さん

    ひまわりリングに参加して一番うれしいことは、地域に素敵な仲間ができたことです。私は定年までフルタイムで働いていたので、地域の人々とほとんど関わらない生活を長年続けてきました。定年後は自分の住んでいる地域のことがまるでわかっていないことに気づき、江戸川総合人生大学で学ぶことにして、ひまわりリングのメンバーと出会えました。地域に仲間がいることの心強さを、日々感じています。

    石井由紀子(いしい ゆきこ)さん

    複数のボランティアをかけもちしているので、ひまわりリングでは主に指人形劇を中心に参加させていただいています。江戸川区では、若い方の自転車のマナーがよくないようです。そこで現在は高齢者や小学校低学年の児童を対象とした活動をしていますが、今後は小・中学校のPTAでも寸劇を披露して、自転車の乗り方を考えてもらうきっかけが作れたらいいなと思っています。

    堀智代(ほり ともよ)さん

    江戸川総合人生大学の在学中は別の活動をしていたのですが、卒業と同時に解散のような形になってしまい、別のグループを探しているときにひまわりリングに入れてもらいました。私は自転車に乗れないのですが、歩道を歩いていて小さなお子さんやお母さん世代がルールを守らない乗り方をしていると感じることが多々あります。そのため、正しいルールを伝える現在の活動にはやりがいを感じています。

    笹津智榮子(ささつ ちえこ)さん

    メンバーのひとりと意気投合し、ひまわりリングに誘われました。活動していて楽しいのは、小学校でお子さんたちにたくさん会えることと、指人形に触れて喜ぶ姿を見られることです。また、高齢者向けの寸劇の場合、最初のほうはあまり気が乗らずによそ見していた人が、次第に集中して見てくださるときなどはうれしいですね。大きな拍手をいただくと達成感がありますし、次も一生懸命やろうという思いになります。

    (取材:2019年9月15日)

    ■プロフィール

    ひまわりリング

    設立/2009年

    共同代表 中山昭男さん、堀田侔さん

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