2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

東京ホームタウン支援先レポート

地域をつないで課題解決をめざす
文京区・千石のコミュニティカフェ

NPO法人風のやすみば
代表 加藤良彦さん
2016年5月10日

設立 2013年6月(2014年1月NPO法人格取得)
地域の人たちが協力して、住みやすい地域を創るべく活動を行う。現在は「どなたでも立ち寄れるカフェ」「ちょっとした困りごとを解決する、なんでも屋さん」を中心に活動。2015年度の「東京ホームタウンプロジェクト」では活動内容を紹介する印刷物(パンフレット)を作成するプロボノ支援を受けた。

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国、行政の届かない支援を住民の立ち位置で補う

悠々自適に暮らそうと思えばできるなかで、加藤さんが活動を始めた経緯を教えてください。

外観_0355加藤 今までは、わが子の成長とともに、青少年育成といった分野への支援をしてきました。しかし自分も周囲も年齢を経て、高齢化が爆発的に進む「2025年問題」を否応なく自覚することになりました。
ビジネスとしてあるいは組織として、どうやって取り組むかにも興味があった。自分の集大成的な活動をやりたい。「風のやすみば」は、そんな総括的な気持ちで始めています。
国なり自治体も課題解決に取り組んでいますが、個人のところまではなかなか届かない。では逆に地域から千石地域の課題に取り組んでいこうという試みです。

地域ということでいえば、町会といったネットワークもありますよね?

加藤 千石には7つの町会があり、私も町会の副会長を務めています。「風のやすみば」の副代表は町会連合会の会長なんです。夏祭り、運動会、防災訓練と、町会は横でつながることができる地域の最後のネットワークです。
組織として生活に一番密着している町会ですが、住民個人の困りごとにまでは、なかなか踏み込むことができないんです。「風のやすみば」はその間に入った、個人への支援ができる存在でありたいと思っています。

「話し相手になって」という依頼も

もう一方の柱、なんでも屋さんはどんな活動なのでしょう?

加藤 30分500円で、暮らしのちょっとした困りごとをお手伝いしています。事情でカフェに足を運んでもらえない方々には、こちらから行くサービスも必要ですから。
トラブルを避けるために2人1チームで派遣します。高齢になると大変な「電球の交換」の依頼が多いのですが、作業は一人でできますから、もう一方は話し相手になります。
おしゃべりの相手が求められるのは、なんでも屋さんの活動からも感じます。

2人で行って30分500円とは、こちらも良心価格ですね。

加藤 こうした依頼を無料サービスとして行う自治体もあるようですが、あまり利用が多くないと聞いています。お金が発生したほうが呼びやすいようなので、それをふまえた金額です。
30分を過ぎたから直ちに料金アップ、ということはありません。多めに払っていただいた場合は、残りは団体への寄付として預かっています。

予想していなかった依頼はありますか?

加藤 高齢者からの、部屋の家具移動、植木の剪定などは想定内でしたが、意外なものには出産直前の方から「ふとんを干してほしい」というものがありました。お腹が大きいと難儀してしまうんですね。その方は出産後に「おしゃべりだけしに来てほしい」という依頼もされました。
さすがに話すだけではなく、赤ちゃんの入浴を手伝わせてもらったりしましたが、聞いてみると、どうも、自分や夫のご両親とあまり交流がないようでした。「何かあったのかもしれないけど、会えば親も喜ぶよ」という話もしました。
私のようなおじいちゃんが伺うと、そんなことでも気軽に話しやすいのかもしれないですね。

加藤さん自身が、なんでも屋さんの活動もしているのですね?

加藤 まだまだ手薄なものですから。「どんな人が来るのですか」と心配されることも多いですしね。お話ししたように私は町会の副会長もやっていますので「町会委員が行きますよ」と言うと安心していただけます。
スタッフ募集についてはどうしたらいいか、悩んでいるところです。推薦がある人のほうがいいという声もあり、町会にかけて、人を紹介してもらうことなどを考えています。

「プロボノ」によるパンフレットが完成

2016-02-17 19.44.21地域の方へはどのように告知しているのでしょう?

加藤 昨年の「東京ホームタウンプロジェクト」でプロボノ(仕事のスキルを活かしたボランティアスタッフ)によるパンフレット制作をお願いし、この春に完成しました。団体立ち上げから3年、やっと一歩前に出て、活動を語ることができる段階にきました。

加藤 制作物まで手が回らないのはもちろんですが、自分たちで作るのとコピーライター、デザイナーといったプロに任せるのは全然違いました。
プロボノワーカーのみなさんは、制作の前に詳しい調査を行いました。全体の構成を聞き取り、地域のことを調べることで、完成したパンフレットをどういう人に配ったらいいのかということや、活動全体を見てどこが足りないかということまで分析してくれました。
パンフレットができたという目の前のうれしさとはまた別に、プロフェッショナルな人たちの仕事のやり方を見た経験は相当大きかった。こうした仕事ぶりを見ることが非常に勉強になりました。

パンフレットは役立っていますか?

加藤 いろいろな方が配布に協力してくれました。これを見てカフェに来てくれた人もいます。運営者としては作ったものが役立っていることがうれしい。
スタッフの側としても、渡せば趣旨を読んでもらえるので、一人ひとりに向けて説明するのに比べて、仕事が楽になる面もあるようです。非常にありがたい機会でしたね。


東京ホームタウンプロジェクトの支援先、参加者、協力団体などをご紹介します。

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