地域づくりの台本
地域リビングプラスワン(板橋区)
ページ:2 / 7
地域リビングプラスワン」のご紹介
概要
板橋区高島平にある「地域リビングプラスワン」(以下、「地域リビング」と表記)は、マンモス団地で有名な高島平団地の一角につくられた、多世代が気軽に立ち寄ることができる明るくアットホームな雰囲気の「居場所」です。
代表の井上温子さんの「日常のシェアを通じて多様な人がつながる居場所を作りたい」という想いから、2013年に空き店舗を改装して運営を始めました。
「地域リビング」の利用者は地元の子どもから高齢者、子育て中の家庭や一人暮らしの方、障がい者や外国籍の方など多様なバックグラウンドを持つ方まで多岐にわたります。地域の多様な人々が出会う接点であるために、居場所の運営には様々な工夫やこだわりが施されています。
また、利用者の方が積極的に運営に関わっていることも特徴です。例えば、地域リビングで提供される食事は、30名を超えるボランティアの方によって作られており、それ以外のボランティアの方もあわせると総勢50名にのぼります。そういったボランティアの多くは元々利用者だった方です。
「交代で今日のごはんをつくったり、お互いに得意なことを出し合って学び合ったり、地域にもう1つ日常をシェアする『地域で共有するリビング』を持つことで、人と人とのつながりを生み出していけたらと思っています。そして、コミュニティの輪から地域をもっとHappyにする企画や社会起業を生み出し、誰もが孤立せず、一人ひとりが自分らしく暮らせるDream townを実現したいです。一人暮らしや核家族化が進む今、地域から新しいLIFE STYLEを発信して行きます。」
(地域リビングホームページから一部加筆修正)
基本情報
※掲載内容は、2019年1月時点のものです。
名 称 |
地域リビングプラスワン |
所在地 |
東京都板橋区高島平2-28-1-102 高島平団地イーストサイド名店街内 |
コンセプト |
世代や国籍、障がいの有無をこえて、日常のシェアからコミュニティを生み出す |
設立時期 |
2013年4月 |
時 間 |
11時~16時(「おかえりごはん」がある火・木・金は21時まで) (休みは不定期:平日は基本的にオープン) |
利用者数/ 開催日数 |
・おうちごはん 延べ約3,600名 / 約240日(2016年度実績) ・おかえりごはん 延べ約1,200名 / 約80日(2016年度実績) |
運営団体 |
NPO法人 ドリームタウン(代表理事 井上 温子 さん) |
スタッフ数 |
・スタッフ・有償ボランティア 8名 |
WEBサイト |
|
|
https://www.facebook.com/dreamtown.info/ |
周辺の状況
建設当時(1972年)は東洋一と言われたマンモス団地である高島平団地。団地周辺はスーパーや病院が隣接し暮らしやすい環境が整っています。一方で、団地周辺の人口減少や一人暮らしの高齢者数の増加といった課題に直面しています。
■高島平団地の状況(高島平2丁目・3丁目団地)
【戸数】 10,170戸
【築年数】 45年
【居住者数】 15,932人
【高齢化率】 47.5%
【高齢者世帯における一人暮らし率】 40.8%
【外国人比率】 5.6%
~2015年11月15日 高島平新聞より~
■アクセスマップ
高島平駅から徒歩7分
地域リビングの風景①
▲地域リビングは高島平団地の一角にあります。
コンクリートの土間があって、小上がりになっています。
▲対面キッチンの前は八丈程度の板の間になっていて座卓が並べてあり、
大勢が自由に座れるようになっています。
▲お昼には「おうちごはん」、夕方から夜の時間には「おかえりごはん」が開かれます。
ボランティアさんの手作りのご飯をみんなでいただきます。
事業の紹介
おうちごはん
事業開始 |
2013年4月 |
目的 |
高齢者や乳幼児親子の居場所つくり |
内容 |
地域のボランティアが「ごはん番」「おうち番」となり、今日のごはんを作り、地域の人たちとみんなで会話を楽しみながら食べる |
開催日数 |
約240日(2016年度実績) |
参加者 |
延べ約3,600名 |
<利用者の声>
- 「家ではあまり食べられないけど、みんなでだとたくさん食べられます。」
- 「家で1人分だと1品で済ましがちなので、栄養が取れます。」
- 「地域の子どもたちの成長を見守れることが生きがいになります。」
- 「子どもと2人きりで過ごす時間が長いので、地域の親世代と話ができて安心感があります。」
- 「子どもが動き回ってもやさしく見守ってもらえて憩いの場となっています。」
おかえりごはん
事業開始 |
2015年4月 |
目的 |
子どもたちの居場所つくり(子ども食堂) |
内容 |
小中学生や高校生が一人で帰ってこられる第二のリビングの提供及び保育園帰りの親子の地域とのつながりづくり。高齢者の参加も可。 |
開催日数 |
80日(2016年度実績) |
参加者 |
延べ約1,200名 |
<利用者の声>
- 「仕事と保育園の往復で、地域とのつながりが全くなかったので、地域に仲間ができたことが嬉しいです。」
- 「仕事が終わるのが遅いため、食事づくりをするのが難しいので助かっています。」
- 「仕事で帰りが遅くなってしまうと子どもを1人にしてしまうので、放課後の居場所として有り難いです。」
- 「家では子どもを怒っちゃうけど、ここではいっぱい褒めてもらえてお手伝いが楽しそうです。」
- 「学校の友達とは上手くいっていないので、子どもに居場所がみつかってよかったです。」
<ボランティアのコメント>
- 「“美味しい”と言われるのが喜びです。孫みたいな子たちもいっぱいできました。」
- 「ずっと夜寝られなかったのですが、ボランティアをしてから、ほどよく疲れてよく寝られるようになったのが有り難いです。」
- 「ボランティアを通じて、誰かの役に立てるのが嬉しいです。仲間もたくさんできました。」
地域リビングの一日
10:00 おうちごはんの準備
ごはん番さんとおうち番さんでごはんを作ります。
12:00 おうちごはん
利用者のみんながごはんを食べに来ます。
14:00 イベント
いろいろなイベントも開催しています。イベントスペースの貸し出しもしています。
16:00 おかえりごはんの準備
子供達が集まり始めます。
18:00 おかえりごはん
地域リビングの風景②
▲みんなでシェアできる作り置きおかずを作った時の風景。
子どもたちは奥のテーブルで何かに夢中になっています。
▲地域リビングのごはんメニュー表。
作る人の顔が浮かぶように、表記は「○○さんのごはん名」で統一されています。
▲地域リビング5周年記念パーティーで撮影した集合写真(2018年6月)。
設立からのあゆみをふりかえりながら、「誰もが来られる空間で居続けよう」、
「誰かの何かしたいがかなえられる場所でいよう」とこれからへの想いを共有しました。