2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

東京ホームタウン大学院

主体的な社会参加を広げるには? “東京のこれから”を共に考える
2020年度 東京ホームタウン大学院セミナーレポート

2020年6月13日(土)13:00-15:30
オンライン開催
2020年8月31日

登壇者:
・服部真治氏(医療経済研究機構 研究部 主席研究員・さわやか福祉財団エグゼクティブ・アドバイザー)
・日俣賢太郎氏(東急不動産株式会社 ウェルネス事業ユニット 事業戦略部 業務推進グループ グループリーダー)
・田中洋氏(プロボノワーカー/コンサル会社勤務 起業準備中)
・浦田愛氏(社会福祉法人 文京区社会福祉協議会)

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パネルトーク

嵯峨生馬(以下、嵯峨):
ここからは、他の3名の登壇者の方もお招きして、パネルトークを行いたいと思います。それぞれから自己紹介をお願いします。

日俣賢太郎氏(以下、日俣氏):
仕事は、東急不動産でシニア事業など、戦略立案を担当しています。昨年度は東京ホームタウンプロジェクトのライフシフトプロボノに参加しました。よろしくお願いいたします。

田中洋氏(以下、田中氏):
2015年からプロボノに携わり、普段は、IT関係のコンサルをしています。20代はベンチャー企業や外資系企業にて、アプリ開発やクラウドコンピューティングなどを扱っていました。地域づくりとは離れた仕事をしていますが、プロボノからのご縁があり密接に関わっています。

浦田愛氏(浦田氏):
文京区社会福祉協議会で、地域福祉コーディネーターという役割を担っています。地域によってはコミュニティソーシャルワーカーという言い方もしますが、地域の方が主体的に何かをしたいというのを伴走して支援しています。もともと文京区で1人目の地域福祉コーディネーターでしたが、現在は文京区に10名のコーディネーターがいます。まさに地域包括ケア、地域づくりは社会福祉協議会の組織としてのミッションでもあるので、今日はいろいろ意見交換をしたいと思っています。

「ちょっとやりたい」という声を拾って「孤立しない地域」を形作る

嵯峨:
地域福祉コーディネーターとしての取り組みや、その背景にある文京区の地域課題や住民からのニーズなどをご紹介ください。

浦田氏:
地域福祉コーディネーターは、文京区を4つにわけたエリアにそれぞれ2,3名ずつを配置し、加えて全域担当者も配置して、地域の中に入っていきます。今までは「何かあれば来て下さい」というスタンスでしたが、それでは「これをやりたい」「これに困っている」という声が拾いづらい。そこで毎日、自転車で地域に出掛けていって、夕方帰ってくるというようなことをやっています。いまはコロナで出づらい時期ですが。また、「フミコム」という市民活動センターを運営していて、福祉以外のネットワークも作っています。

「居場所づくり」をテーマに、数年間、さまざまな居場所の立ち上げや運営をサポートしてきました。その中でも文京区で有名になったのが「こまじいのうち」という取り組みです。「こまじいのうち」では、住民の実行委員会が主体となって作ったプログラムに、年間5,000人が参加しています。
参考:あえてつくる “ゆるやかさ”、楽しく巻き込む運営のヒント(地域づくりの台本「こまじいのうち」)

一番人気は、健康麻雀。あと、子ども食堂、こまじいキッチン、お母さんの集まり、中高生の勉強の場など、様々なプログラムをやっています。
居場所と言ってもいろいろあります。毎日取り組みを行っているところから、月に1回程度のものもあります。100人くらいが集まる子ども食堂や、介護予防の体操を皆で集まって行う場、不登校のお子さんをテーマにしたNPOと一緒に提供している居場所などもあります。
文京区は「居場所づくり」を地域包括ケアの要として、ここを通してご相談を受けて、専門職のネットワークにつないでいます。孤立によって、その後問題が大きくなってから発見されることが多く、孤立しない地域をどう作っていくかが私たちのテーマです。その方法として、居場所づくりが有効だと考えています。

嵯峨:
「こまじいのうち」などの区内の居場所は、何年くらいかけていくつぐらいの数に増えていったのでしょうか。

浦田氏:
常設型の居場所づくりは、こまじいのうちが初めてでした。それが6~7年前のことです。今では常設型の「多機能な居場所」と呼んでいるのが7か所。3か所ぐらいは工事したり、実行委員会など名前を決めたばかりでこれからスタートしたり、といったところもあります。子ども食堂は、この数年で一気に10か所くらいになりました。平成24年に地域福祉コーディネーターを配置して以来、様々なテーマ型の活動も何十か所と増えています。

嵯峨:
今でこそ何十か所ですが、裏を返すと、地域福祉コーディネーターの方々が仕掛けを打つ前は居場所のようなところは無かったということですね?

浦田氏:
そうですね。ただ、作りたいという思いが無かったかというとそうではなかったと思います。潜在的に、住民の方々も「やりたい」「こういうことが必要」と思っていらっしゃる方は多いが、どうやればいいからない、誰と組んでやればいいかわからない、など様々なモヤモヤがあって一歩踏み出せていなかったのだと思います。地域福祉コーディネーターは日々、地域に踏み込んでいくので、「ちょっとやりたい」という声をキャッチして、それを形作るお手伝いをしています。

嵯峨:
先ほど「孤立をしない地域」と言われましたが、孤立が進むと問題が大きくなるのですね。

浦田氏:
代表的なのはゴミ屋敷です。近隣トラブルなども、裏に福祉的な背景が隠れていることが多いです。ゴミ屋敷は、最初に認知症でゴミの日がわからないというところからスタートしたり、急に事故である日から動けなくなったり、糖尿病悪化で動けなくなるなど、さまざまなきっかけがあります。早くに把握ができれば、いろいろサービスもあるため、その地域で暮らし続けられることができます。早くに気づくことは非常に重要です。


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