2025年の東京をつくる 東京ホームタウンSTORY

東京ホームタウン大学講義録

超高齢社会、自分らしく生きるための地域とは
「東京ホームタウン大学2022」
メインセッションレポート

メインセッション
秋野 暢子 氏
服部 真治 氏
広石 拓司 氏
2022年5月24日

開催日:2022年2月19日(土)<br>会場:オンライン<br>登壇者:<br>秋野 暢子氏(女優、一般社団法人0から100 代表理事) <br>服部 真治氏(医療経済研究機構 主席研究員)<br>広石 拓司 氏(株式会社エンパブリック 代表取締役)<br>動画:YouTubeにリンク

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「東京ホームタウン大学2022」の2日目のテーマは「これからの地域-目指す姿といろいろな参加のカタチ」。
メインセッションは「超高齢社会、自分らしく生きるための地域とは」と題し、誰も経験したことのない超高齢社会をいち早く迎えている日本で、健康で充実した暮らしを描くための鍵は何か。身近な関わりの中で自分を活かしていく、東京らしい社会参加・地域活動のあり方について、女優として活躍しながら人々の健康寿命をのばすための活動に取り組む秋野暢子さん、超高齢社会に対応した地域づくりに取り組む専門家のお二人を迎え、参加者のみなさんと共に考えていきました。

※以下敬称略

広石:みなさん、こんにちは。東京ホームタウンプロジェクトのアドバイザーをさせていただいております、株式会社エンパブリックの広石です。地域活動というと、自分のためというよりも、みんなのためにやるんだ、というイメージもあるのではないでしょうか。でも、実は自分らしく生きる場として、地域っていうのはもっともっと使えるんじゃないかな? ということを、みなさんと一緒に考えていければと思っております。

きっかけはブログに寄せられた一通のメッセージ

広石:まず、秋野さんからご自身の活動についてご紹介いただけますか。

秋野:一般社団法人0から100の代表理事をさせていただいています。0歳から100歳まで、皆さんの健康を一緒に考えて促進していきましょうということをテーマに活動を始めたのですが、最初のきっかけは東日本大震災です。大きな震災でたくさんの方が亡くなられて、私も何かできないかと東北支援を始めたのですが、続けているなかで今から四年ほど前に、やっぱりもう少し形にした方がいいなと思って一般社団法人を立ち上げました。

活動としては、皆さんの健康を考えることと、災害支援という二つの柱があります。災害支援については、私はずっと健康体操をやっているものですから、被災地で皆さんと体操をしたり、プロのネイリストやヘアメイク、フラワーアーティストなどの私の友人たちも参加してくれて、一緒に被災者の方々への支援・交流をしています。また、災害支援だけではなくて子どもたちとのつながりを大切にしたいと、絵本の会もやっています。お子さんたちに喜んでほしいのはもちろん、お父さんお母さんたちには普段の疲れを癒やしていただけるようにとヨガ教室などもさせていただいております。

広石:震災があった時に「自分に何ができるかな」とお考えになったということですが、おそらくあの時、多くの人が同じような思いを持ったと思うんです。でも、動き出せる人ばかりではないなかで、秋野さんはどのようにアクションを始められたのでしょうか。

秋野:実は、偶然なんですけども、私が何かしたいなと思っていた時に、私のブログに福島県いわき市の方から連絡が来たんですね。
と言いますのも、あの震災が起こった時に東京ではトイレットペーパーやティッシュの買い占めがあって、でも私はなんだか違うなと思って買わなかったんですね。そうしたら一カ月ぐらいで家中のトイレットペーパーがなくなりまして、さすがにこれは困るとお店を何軒も回ってやっと一つ手に入れたっていう話をブログで書かせていただいたんです。
それをご覧になったいわき市の管理栄養士の方がご連絡くださって、当時震災から二カ月ぐらいの時でしたか、結構いろいろなところに芸能人が行ったりするんだけれども、「いわきには誰も来てくれない。だからぜひ来てください」とお声がけをいただいたのです。
それで、手を挙げてくれた友人と一緒に、5月末ぐらいに30人ほどで行って、2500~2600食のお好み焼きやたこ焼きを作らせていただきました。少しですけども、助けになれたのかな。それがきっかけで、しばらくは私一人でいろいろな場所に行っていたのですが、そのうち一緒にやりたいとネイリストなどのプロの人たちも手を挙げてくれて、一緒に伺うようになりました。

広石:なるほど。今もずっと活動を続けていらっしゃるのもすごいなと思います。

秋野:ただ、コロナ禍になってからは東京から伺うのは難しくなってしまい、読み聞かせも去年予定をしたのですが、実現できず残念です。

広石:秋野さんのような方が、実は地域の人たちと一緒に笑いながら体操をしているっていうのがとても素敵だなと思って伺っていました。

服部:SNSで福島の管理栄養士さんと女優さんがつながれるって、インターネットの時代はすごいですね。

秋野:はい。でも連絡をいただけなかったら私も入り口が分からなかったんですよね。私の友人たちもみんなそう思っていたようで、たまたま私が活動しているというので一緒に行くと言ってくれて。
みなさん、「自分はこの地域に貢献できているかな」「何かしたいな」という気持ちはあるけれども入り口が分からない。きっかけがないというか、誰に、どういうふうに連絡したらいいのかな? と迷われる方もいらっしゃるんじゃないかと思います。

広石:確かにそうですよね。やはりみなさん、震災だけじゃなく、日々いろいろなニュースを見たりするなかで「何か自分もしたいな」と思われている方が多いと思います。何か一つ接点ができると、そこから始まって、また広がっていくので、その入り口や接点をどう作っていくか、が大きなテーマなんじゃないかと思いました。ありがとうございます。

「2025年問題」とは?

広石:続いて服部さんから、超高齢社会に向けて今必要なことや、制度面もご紹介いただきましょう。

服部:まず高齢化の現状の確認ですけれども、日本の人口の推移を鎌倉時代ぐらいから追っていくと、明治維新後に急激に人口が増えていくのですが、2004年をピークに100年ぐらいで明治維新の頃まで戻る、ということになっているんですね。ですので、今を生きる私たちはおそらく、人口の急増と急減を経験するという日本の歴史上でも特別な時期を生きた日本人たちと評価されるだろうと思います。
この過程で高齢化率が上がり、4割を超えてくるのですが、急増急減があった後には、いわゆる人口ピラミッドと呼ばれる人口構造がいびつになるものです。人口の多い団塊の世代の方々が2025年にいよいよ75歳を超えてきますと、65歳以上の方を“支えられる人”だとしたときに、5人で1人を支えていたのが、1人で1人を支えるようになっていくと言われています。

高齢者が増えるということは介護や医療を受ける人が増えてくるということで、介護でいうと、85歳から89歳になると2人に1人は要介護認定を受けている。また医療については、75歳以上の方は96.9%とほぼ全員が何かしらの医療を受ける状況になってくるということです。
こうしたなかで東京はどうかというと、これだけ全国から人が集まってくる東京ですら、15歳から64歳のいわゆる働く人たちは増えず、むしろ2030年以降は減っていくんですね。一方で、75歳以上の方は2025年にぐっと増えて、さらに団塊ジュニア世代でもう一回増えると、今よりも1.5倍以上の人数になると言われています。さらに、世帯で見ると、2050年には4割が単独世帯となり、そのうち半分以上が高齢者の一人暮らしということになるのです。

そうすると、どうなるか、というのが「2025年問題」と言われていることです。総務省の資料によると、働く人が減っていく、まず税収が減ることによって役所の職員も減らさなきゃいけないということで、行政(=公)機能も落ちていきます。そして単独世帯が増えると、住民同士の関係性や地域の組織の機能(=共)といったものが減っていき、さらに市場が縮小すればサービス(=私)も減っていきます。こうして全てが低下するなかで住民のニーズにどうこたえていくのか?ということを考えると、公・共・私の新しい協力関係を作っていくことが必要だと、総務省では言っています。

私の専門の介護の分野では今、介護人材の不足が言われていて、東京の介護人材の有効求人倍率はもう6倍を超えてるのです。6人求人を出しても1人しか来ないということですから、サービスを希望していても提供されないということが実際に起きていて、今後さらに高齢者が増え、働く人たちは減っていくわけですから、本当に深刻な状況です。今の吉田内閣では成長と分配と言って、介護の職種の方々の賃金を上げるということもやっていますが、どこまで効果を上げられるのかといったところです。
そこで、社会に求められることとして、私からは今日は一つ「健康寿命を延ばしましょう」というお話をご紹介したいと思います。


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