稲城市 伴走支援

稲城市福祉部高齢福祉課

“点”の活動を線へ、面へ。自主グループをつなぎ、地域の介護予防活動を活性化させる試み。



稲城市では、2003(平成15)年度から市内住民向けに転倒骨折予防教室を実施し、年10回の教室終了後も地域で自主グループを作って運動を継続できるようサポートしてきました。その結果、今では地域住民が主体となって活動する約30の自主グループが、転倒骨折予防体操を中心に地域の介護予防活動に取り組んでいます。

地域の介護予防活動のうちの一つである「矢野口地区介護予防ラジオ体操会」(以下、ラジオ体操会)に対し、2015年度の東京ホームタウンプロジェクトでは「事業評価」の支援プロジェクトを実施しました。ラジオ体操会の活動が地域の健康づくりにどれくらい寄与しているのかを、東京ホームタウンプロジェクトのプロボノワーカー(ボランティアメンバー)がチームを組み、客観的なデータ等によって評価・可視化する、という支援内容でした。

この支援プロジェクトでは、ラジオ体操会参加者の約200人に対してアンケート調査を実施。プロボノチームがその結果を分析したところ、会の活動がもたらした効果として、次のようなことがわかってきたのです。
「会に参加した独居高齢者の半数以上が、会の参加によって知人に会う頻度が増加した」
「会への参加をきっかけに、約7割の人が他の社会活動にも参加するようになった」

ラジオ体操会は、なぜこのような良い結果を得られているのか。その答えは、プロボノチームがプロジェクトの中でたくさんヒアリングをした、会の歴史やこれまでの活動における試行錯誤の中に見えてきました。
例えば、稲城市の地域展開型介護予防事業の開催という大きなきっかけを逃さなかったこと、それまでは各自で活動していた7つの自主グループの「連絡会」を作って情報共有が進んだこと、積極的に情報収集し活動場所の確保に努めたこと…。そうした多くのプラスの要因が積み重なって、ラジオ体操会という自主グループの活動が活性化していたのです。

このプラスの要因、つまり活動拡大・継続のためのノウハウを、一つの自主グループの中だけに閉じておくのはもったいない。この事例をプログラム化すれば、他の自主グループの活動にも役立つのではないだろうか?と考えたプロボノチームと、自主グループ同士の横のつながりを強化し、地域全体の介護予防活動の活性化につなげていきたいという稲城市福祉部高齢福祉課の思いが一致し、今回、伴走支援プロジェクトが立ち上がりました。
総勢9人のプロボノワーカーが稲城市担当者の伴走役として全面協力し、稲城市内の介護予防活動グループリーダーが一堂に会する、稲城市主催のワークショップを開催することとなりました。

「リーダー会は、今までも定期的に市で実施していましたが、もっとリーダーの方同士の情報交換を促したり、前向きな場にしたいと思っていました」と、稲城市福祉部高齢福祉課の森橋さん。

プロボノワーカーはまず、自主グループのリーダー向けに、自身のグループの活動を振り返るための質問票を作成。これは、ラジオ体操会を一つの事例として、活動の活性化につながる項目を整理・集約したものです。「活動メンバーをどう集めていますか」「活動場所はどのように手配していますか」「リーダーを担う人はどのように決めていますか」といった計20の設問に答えてもらうことで、各グループの活動活性度を目に見えるようにする狙いです。グループの活動について誰かが一方的に評価をするのではなく、自分達のグループの強みを知り、それをグループ同士で共有し合う前向きな機会を作ろうと考えました。

ワークショップ当日は、このアンケート結果をもとに、プロボノワーカーという第三者が進行役となり自主グループのリーダー同士で情報交換を行っていただく予定。互いの活動のうまくいっている部分を共有し、逆に課題となっていることについては解決のヒントを得てもらうのと同時に、自主グループ同士の横のつながりを強化していくことが今回の目的です。初めてのワークショップがどのような場となり、自主グループ活動の活性化にどう影響を与えていくか。注目の試みが始まります。


(本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

団体基本情報

団体名
稲城市福祉部高齢福祉課
所在地
〒206-8601 東京都稲城市東長沼2111番地
ホームページ
http://www.city.inagi.tokyo.jp/

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進捗率
完了
進捗状況

最終更新 2016.10.15
2016.08.26

稲城市高齢福祉課における今回のワークショップの位置づけや、ワークショップ当日に向けての流れなどについて、稲城市担当者とプロボノワーカーが打ち合わせを行いました。

2016.09.21

稲城市が定期的に開いている市内の介護予防活動自主グループ向けの連絡会内にて、10月15日開催のワークショップについての趣旨説明会を実施。各グループの活動を振り返っていただくための質問票を配布して回答に協力いただけるよう依頼し、記入方法等を説明しました。

2016.10.05

回答締め切りまでに24の自主グループから、質問票への回答をいただきました。

2016.10.15

24グループ・約30人の自主グループ運営の皆さんに出席いただき、ワークショップを実施しました。

2016.10.15

今回、稲城市担当者の伴走役としてワークショップを企画運営した、総勢9人のプロボノワーカーの皆さん。

成果

“他を知る”ことで自身の強みと課題を再認識すると共に、第三者の視点を活かしたワークショップ体験の効果で前向きな振り返りの機会に。

今回のワークショップの呼びかけに対し、市内24の自主グループが参加。プロボノチームは、各自主グループに配布していた、活動を振り返ってもらうための質問票への回答を事前に分析し、ワークショップの場でぜひ共有してほしいこと、自主グループ運営の上で課題となっていそうな項目を整理してから当日に臨みました。

ワークショップの場では、いくつかの自主グループごとにテーブルを囲んでの情報共有。客観的な視点をもつプロボノワーカーが進行役として入りながら、各グループの活動の工夫や強みをお互いに紹介し合いました。運営上、課題となっていることについては「うちのグループではこうしているよ」と別のグループからアドバイスがあるなど、自然と会話が弾みました。

ワークショップの最後には、「今日のような会は、初めての体験で楽しかった」「これからも自主グループ同士の交流をしていきたい」「今日の皆さんの話を聞いて、大変だけど私達も頑張ろうと思った」といった参加者の皆さんからの嬉しいコメントが。ワークショップ後のアンケートでも、参加したグループリーダー全員が「他のグループの話を聞いて参考になった」と回答し、当初の目的通り、前向きな機会として捉えていただいたことがわかりました。今回の試みがその後の自主グループ活動にどう活かされているかは、今後、稲城市が開く自主グループの連絡会等を利用して参加者にヒアリングしていく予定です。


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