プロジェクト詳細
たまりば・とうしん
新たな視点と斬新な知恵からユニークな仕掛けを生み出したい。
小さな「たまりば」の大目標。
東武東上線ときわ台駅から路地を歩きながら10分ちょっと。6月の蒸し暑い昼下がり、涼しげな浴衣を着た、赤ん坊ほどの大きさのキューピー人形がガラス越しに顔をのぞかせていました。中に入ると、サロンの参加者が作った小さなアート作品が棚に並んでいます。川越街道や環状7号線から少し入った住宅地、板橋区東新町にある「たまりば・とうしん」は、12坪の素朴で温かみのある場所です。
この場所を運営するNPO法人健やかネットワークは、2000(平成12)年の介護保険法施行を機に、板橋区からの委託を受け、ホームヘルパーの養成や、認知症予防のための教室の運営と若い世代向けには親の介護に備えた講座など、数多くの事業や学びの場を手掛けてきました。これらの事業の中で、実施回数や参加人数に限りがあることを実感し、「非日常から日常へ」と人とのつながりを持続するための場所が必要ではないかとの思いから、地域の居場所として空き店舗を借り上げ、「たまりば・とうしん」をスタートさせました。
入口近くのガラス面にはたまりば・とうしんの手作り予定表があり、ほぼ毎日のように予定が埋まっています。板橋区社会福祉協議会が推進する「福祉の森サロン」に属し、体操や小物作りなど幅広く活動する「サロン・はつらつ」、ランチを囲んだおしゃべり会「チェリーくらぶ」、回想法・音楽療法やアートセラピーなどを取り入れた「ブナの杜」など、担当者と参加者のカラーの出た活動プログラムが並び、誰でも活動内容・曜日・時間を考え自由に選べるようになっています。板橋区内の福祉団体の中でも、毎週という頻度で、複数のサロンを運営していることは、「たまりば・とうしん」の大きな特徴の一つです。
それでも、まだまだ本当に来てほしい人に来てもらえていない現状がありますし、様々な情報が地域住民に届いていないという課題があります。現在の参加者は70代以上が中心ですが、それを、子どもから大人まで、お母さんから企業人まで、世代を超えた関係性が出来ればと考えています。
「サロンのない日でも、ふらっと立ち寄ってお茶を飲みながら世間話が出来る、名実ともにたまり場を目指していますね。「認知症カフェ」や「子ども食堂」も検討中。有効活用が課題です!」と、理事の佐々木さんは、たまりばのさらなる活動の拡大・充実に目を向けています。
そこで求められているのが、より多くの地域の人たちが、この場所に足を運びたくなるような新しい仕掛けづくり。例えば、日々の健康状態を書き込む日記帳を、たまりばの利用者や近隣住民に配布し、専門職の協力を得ながら、その確認をたまりばで行うことで、利用者の健康をサポートするとともに、この場所に足を運び、話をするきっかけづくりにできるのでは、といったアイデアも浮かんでいます。
「地域包括ケアの重要性はわかっていても、スピード感をもって具体的な実践には至っていない。いま大切なことは失敗を恐れずトライすることでしょう。小さな地域で様々な可能性を先駆的に取り組んでみたいですね。一つの事例がきっと他の地域の参考になると思いますよ。新しいことをするために、新たな視点と斬新な知恵が大切です、地域を挙げて、いや国を挙げて取り組む緊急の課題だから・・・」
拠点となるこの場所と、現在の熱心な活動を活かしながら、もっともっと地域力を伸ばすようなユニークな活動をしていきたい。そんな団体の熱い思いに応える仕組みづくりに、地域とプロボノチームがタッグを組んで挑戦していきます。
(本記事は2015年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- たまりば・とうしん
- 活動開始時期
- 2001/平成13年1月
- 代表者名
- 佐々木 令三さん
- 所在地
- 〒174-0074 東京都板橋区東新町2丁目18番2号
- ホームページ
- http://www.sukoyaka-network.com/
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進捗率
進捗状況
「たまりば・とうしん」を訪問し、事務局によるヒアリングを実施しました。
「たまりば・とうしん」の佐々木さんに事務局にお越しいただき、プロジェクト準備説明会を開催しました。
本日、チームとして初めての会議(キックオフ事前ミーティング)を実施しました。まずは楽しく、みんな揃ってプロジェクトを終了しようというゴールを共有できました。
たまりば・とうしんを訪問し、キックオフミーティングを実施。わきあいあいとした中でありながらも真剣に、これから始まるプロジェクトの内容や目標を確認しました。
中間報告をWorkshop形式で実施しました。「東新町をもっといい街にするために必要なことは?」「団体でやりたいこと、実現したいことは?」という課題で検討を重ね、今後の事業計画立案のコアとなる新たな発見がありました。
基本方針提案を実施しました。
基本方針提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
事業計画立案ミーティングを実施、支援先への提案に向けた準備を進めています。
事業計画提案を実施しました。
事業計画提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
最終ワークショップを実施しました。最終提案をどう実行に移していくか、「たまりば」のみなさんの分担を決め、プロボノチームと共にさらに具体的なスケジュールを確認しました。「たまりば」の個性と魅力を活かした活動が続いていくよう、チームはこれからも見守り続けます。
成果
「たまりば とうしん」の事業計画立案
企画書を納品!!
単なる企画書納品で終わらせないために、最終納品日には参加者全員によるWorkshopを実施しました。その中のメインイベントとして、主要団体メンバー3名による、それぞれ個人に役割を与えられた案件に対する「事業計画プレゼンテーション大会」を行いました。「過去にプレゼンテーションを人前でやったことがない」とおっしゃっていましたが、いままで団体を支えてこられた強いお気持ちや使命感、そして豊富なご経験がそんな一抹の不安を一瞬にして吹き飛ばしました。
最後に代表の佐々木さんが「6ヶ月という短い期間で、団体メンバーが変化・成長してくれました。この年になって変化・成長もないかもしれないけどね。」とおっしゃった茶目っ気を含むコメントからも、プロボノワーカーと団体の両者が変化・成長できたと実感でき、共に寄り添った提案ができたのではと思います。ここでも団体が求める“互助の精神”に触れることができました。
▼ 内容に関心のある団体様等は、下記にお問い合わせください。
TEL:03-3958-0970
【支援のその後】
プロボノチームは事業計画立案書を納品し、運営体制や広報の見直しに貢献しました。また、団体の運営メンバー全員が参加してプロボノチームとワークショップを行い、「事業計画プレゼンテーション大会」などを通じて、事業運営のブラッシュアップも図りました。地域へのPRも功を奏し、会員数はかなり増えたといいます。
高齢の参加者の多い団体なので、今後は高齢者の見守りや認知症予防のワークショップ、まだ来たことのない人の呼び込みなどに力を入れたいそうです。そのためには、高齢化する運営サイドの後継者を見つけたり、地域の町内会との調整を行なったり、赤字になってしまっている資金面の問題を解決したりしていかなければならないと考えています。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- アカウントディレクター
- アムロ
- プロジェクトマネジャー
- まきちゃん
- ビジネスアナリスト
- アラッキー ゆかちゃん
- マーケッター
- たまちゃん うえしゃん