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    地域づくりの台本

    こまじいのうち(文京区)

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    「こまじいのうち」が大切にしているものとは?

    「こまじいのうち」が、立ち上げ当初から今に至るまで、多世代交流の居場所として大切にしているものとは何でしょうか?スタッフのみなさんを代表して、理事長の秋元康雄氏と現在も運営に関わっている文京区社会福祉協議会の浦田愛氏にお話を伺いました

     

    理事長 秋元康雄さん

    コミュニティにおける潤いのある場所を求めて、駒込地区町会連合会(12町会)の皆さんが立ち上がり、駒込地域活動センター、文京区社会福祉協議会、各種ボランティア団体のご支援を受けて、平成25年10月に「こまじいのうち」をオープン。様々なプログラムが立ち上がり、建屋のリノベーションや、さらなる事業の充実を図るためNPO法人を設立し、現在に至っています。 

    これからも、赤ちゃんからお爺ちゃん、お婆ちゃんまでの多世代が緩やかにつながり、笑顔の絶えない、潤いのある交流の場を目指してまいります。

    文京区社会福祉協議会 地域福祉コーディネーター

    係長 浦田愛さん

    平成24年に地域福祉コーディネーターとして駒込地区に配置され、平成25年から「こまじいのうち」の立ち上げに携わりました。居場所づくりがどういうものなのかよくわからない中でスタートしましたが、走りながら、その都度、色々な方と話し合い進めてきました。今では、多くの方の故郷のような場所になっています。文京区では「こまじいのうち」がモデルとなり、居場所づくりに関わる多くの人たちが、必要な要素を学びに訪れるようになりました。その要素を参考にしつつ、それぞれの地域性などに合わせてどのような居場所を作っていくのかを地域の皆さんと考えるプロセスがとても楽しいです。

     

    1:「こまじいのうち」の想いと、大切にしていること

    Q.「こまじいのうち」の想いとは?

    A.(秋元さん)

    私をはじめ、幼なじみのみんなも、昔は良かったよなという話から、こういう場所が生まれました。

    カギかけるのは寝るときぐらいです。

    寄ってらっしゃい、お茶でも飲んでらっしゃいと、ぞれぞれの家を行ったり来たりしたものです。しかし、今はそうじゃない。

    この場所は、私のプライベートルーム、応接間的な場所でした。学生時代の友達を呼んで、ここで宴会したりしていたから、人が入ってくる事に抵抗はありませんでした。自分たちが子どもの頃は、そういう生活自体に、全然違和感がありませんでしたから。今、思えば、うちの子どもたちだって面倒みてもらって育ってきました。だからこそ「こまじいのうち」が、誰もが気軽に立ち寄る事ができる場として昔ながらの存在でありたいと思っています。

     

    Q.「こまじいのうち」の立ち上げに対して心掛けてきたところは?

    A.(浦田さん)

    一番大きいのは「だれでもの居場所になる」というコンセプトでした。必要以上にテーマ型のプログラムをつくると誰もこなくなるので、不必要なプログラムはつくらないように意識しました。今は、意図的に隙間時間をつくっています。住民の中にも、「プログラムはいらないんだよ、ただ場所があればいい」と言った方がいました。全くないのは難しいので、過多にならない程度にしていますが。

    あとは、運営における「ゆるやかさ」も大事だと思います。

    誰かが苦しくならないような役割分担をというのは気を付けています。

     

    2:多世代交流について

    Q.浦田さんからみて「こまじいのうち」に多世代が集うようになった理由は?

    A.(浦田さん)

    多世代とはそんなに最初意識していませんでした。はじめはターゲットとして、高齢者・青少年・子育て世代に向けたプログラムを入れていこうという話をしていた程度です。

    「こまじいのうち」は2部屋にわかれていて、それぞれのプログラムを2部屋でわけてやっているうちに、だんだん混ざってきたというのが正直な感想です。

    今、「多世代妄想」というのがあるなと思っています。

    「こまじいのうち」では、同じタイミングで、子育て世代向けのプログラムや、中高生向けの学習支援プログラムを実施しているので、それだけで多世代だなと感じています。

    高齢者が集まるおしゃべりカフェ、小学生向けのプログラム、そこでも交流があります。別々の世代を対象としたプログラムを同時間にやったからたまたま多世代になった。そこを赤ちゃんを抱っこしたスタッフが手伝っている。そういったことが意図せず多世代になっていると思います。

     

    Q.多世代を横展開していくなかで、難しい面もあるのでは?

    A.(浦田さん)

    多世代を意識すると呼び込むのに労力がかかりますよね。同じひとつのプログラムで多世代が混ざり合うことは難しいと思っています。そもそも、興味関心が違いますから。

    そこに手をかけるよりは、赤ちゃんをつれたママがおしゃべりしている間、高齢者が抱っこしてしてあげるというようなことではないのかなと思っています。

    日本人って謙虚な方が多いので、頼まれないと動けないことが多いんです。

    でも、「人手が足りないから手伝って」と言われると「いいわよ」と。

    役割があることで、人と人とが交わるきっかけになるのではないかと考えています。

     

    3:居場所づくりを目指す人へ

    Q 今後、居場所を立ち上げていこうと考えている方に伝える事は?

    A.(浦田さん)

    立ち上げにあたって、初めからみんなで理解するプロセスを組織的に作っていくことが大切だと思います。なぜなら、後からだと人は巻き込めないんですよね。場所の名前を決めるとか、そういった場面が実は大事なんです。みんなで、理念やミッションを決めていくというプロセスを経て合意形成を行っていくことが大切だと思っています。

    私たちは、常設で多機能な場所を「居場所」と定義しています。多機能というのはたくさんの活動をしているという解釈になります。単機能というのは月一回のもの。中機能だと週一回で互助的な支えあいを意識しているものです。

    居場所といっても、喫茶店という人もいるし、コンビニのイートインが居場所という人もいますが、私たちが言う「居場所」においては「協議の場」というものが必要ですよという話をしています。

    多機能な、たくさんの活動をしている組織体においては、みんなで協議する場が必要であり、合意形成をしていく上では、地域福祉コーディネーターのような調整役も重要です

    居場所が特定の誰かの家のようになってしまってはだめじゃないですか。でも協議の場があると、“みんなの家”という認識が出来るんです。

     

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