• サイトマップ
  • 都庁総合トップ
    • 大きいサイズ
    • 標準のサイズ
    • 小さいサイズ

    地域づくりの台本

    また明日(小金井市)

    ページ:6 / 7

    「また明日」を支える運営・構造

    「また明日」の運営について

    それでは、「また明日」の実際の運営について、さらに詳しく見ていきましょう。森田夫妻の想いが「また明日」の日々の運営に、どのように反映されているかを見て取ることができます。

    【デイホーム・保育所・寄り合い所の利用者】

    施設での過ごし方

    ・スケジュールやプログラムはない。

    ・利用者の自主性を尊重し、それぞれのペースに合わせて過ごしている。

    (天気が良ければ散歩へ行く、話をする、合唱する、昼寝をしたい子は寝て、したくない子は起きて遊んでいるなどそれぞれがしたいことをして過ごす。等)

    【スタッフ】

    求める資格、人物像

    ・資格不問

    ・自然と周りに敬意を払い行動できる人。

    ・何も言わずにお年寄りの前を横切る方はNG。

    ・てきぱき動く人は隙がなくお年寄りや寄り合い所へ来た方が声を掛けにくい。「また明日」では、のんびりとした雰囲気の人が良い。

    採用方法

    ・面談の後、応募者に1時間ほど利用者と同じ空間にいてもらい、その時の立ち居振る舞いや利用者への声かけの姿をよく観察し、採用を決める。

    理念をスタッフへ浸透させるための共有方法

    ・毎月のミーティングやその都度必要な時に説明する。

    ・「私はこう思うけど、どう思う?」というやりとりを通して、スタッフ自身が自分で考えて行動できるようにしていく。

    ・新人スタッフには利用者とベテランスタッフのやり取りを1年間くらい観察してもらい、具体的な動き(単なる作業ではない)を身に付けてもらう。

    ・利用者へ接する際、すぐに反応するのではなく状況を見極めて行動するように伝えている。何かあった時にそこに集中してしまうと、他への注意が行き届かなくなるため。

    役割分担

    ・毎朝のミーティングで打ち合わせを行い、デイホームと保育所の担当を決めているが、その場の状況に応じて、全員が臨機応変に対応している。

    ミーティング・研修

    ・ミーティングは毎朝のものと、毎月実施しているものがる。

    ・月例のミーティング時に研修を行うこともある。

    日誌の記録

    ・保育所主任とデイホーム管理者のみ毎日記録。

    周辺業務

    ・洗濯干しや洗い物の片付けなどの仕事は隙間時間に手が空いた人が行う。

    【その他】

    福祉施設と地域との関わり方

    ・その地域社会に受け入れられることが大切である。「また明日」の場合は地域の方と良好な関係を持つ大家さんと一緒に、最初にご近所へ一軒一軒挨拶回りに行った。

    ・森田夫妻は施設の上に引っ越してきてまず町内会に入った。そうすることで自分たちも生活者の視点が持て“地域密着型”のサービスを行うことができている。

    支援者

    ・立ち上げ時から「また明日」の構想を色々なところで話す事で支援者を増やした。

    ・人を紹介してもらう事で様々な障害を乗り越えられた。

    ・最初に良い人に出会うことは重要。

    ・理事のメンバーにはあえて福祉関係の人だけではなく、思想等の偏りがないようバラエティに富んだ人々にお願いしている。例えば、その土地で顔の利く人などがいる。

    動物

    ・施設で飼っている動物のための柵などはなく、基本的に施設の中を自由に行き来して、利用者と触れ合い過ごしている。

    ・デイホーム利用者の入院時など、飼育が困難な時に「また明日」で預かる事もある。

    「また明日」の建物の構造・レイアウト

    「また明日」は良い意味で施設感を全く感じません。田舎の大きな家で親戚一同が過ごしているような不思議な気持ちにさせてくれる居心地の良い空間です。
    そんな「また明日」の周辺環境や外観、室内環境についてお話しします。

    物件との出会い

    ・アパートの一階部分が全て空室だったのを見て、壁を取り払えば使えるのではと閃いた。

    ・大家さんも一階部分をグループホームにしたいと思っていたが、施設運営が困難で頓挫していた。

    ・森田夫妻との出会いは大家さんにとっても渡りに船だった。

    周辺の環境

    ・駅からもバス停からも少し離れた場所に位置し、住宅街の奥まった場所にある。

    建物

    ・2階建てアパートの1階5世帯の壁を取り払い1つの大きな空間にリノベーションして利用している。

    ・施設利用者が保育所の子どもや認知症のお年寄り、そして寄り合い所でもあるため、立ち寄りやすい1階部分であることは大切なポイントである。

    ・ベランダ側に入り口があり靴を脱いで入る。

    施設のレイアウト(下図参照)

    ・以下、平面図にある通り、デイホーム・保育所・寄り合い所と区分けされているが、実際にはそれぞれの場所に椅子・テーブル・ベッドが配置されており、利用者が過ごしたい場所で自由に過ごしている。それにより自然と交流が生まれる。

    ・両端の部屋はデイホーム利用者が個室としても利用できるよう配慮されている。

    施設内の什器

    【全体】

    ・施設内の家具は介護用ベッドを除き自宅で使用している普通の家具で揃えられている。

    ・装飾品(カレンダーや壁掛け時計等)も一般的な自宅で使用しているもの。

    【デイホーム】

    ・ダイニングテーブルと椅子が配置されている。

    【保育所】

    ・子どもたちが自由に遊べるように、おもちゃや絵本が用意されている。

    ・午睡用の布団はひとりひとつではなく、大きな布団を何人かで一緒に使う。

    バウンサーを利用して寝る子どももいる。

    【寄り合い所】

    ・ローテーブル(コタツ)を囲むように座布団、ソファーや椅子が配置されている。何となくみんながそこに集まり、話をしたり合唱して過ごすことが多い。

    その他設備

    ・床暖房完備で、靴を脱ぎ畳の上でゴロゴロと自由に過ごせる。

    ・太陽光パネルを設置しており、「また明日」発電所を併設している。天災時には近隣に施設を開放する準備がある。

     

    ページトップへ戻る
    Copyright © 2015-2024 Bureau of Social Welfare, Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.