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    プロジェクト詳細

    武蔵村山市 伴走支援

    武蔵村山市南部地域包括支援センター

    「歩いてすぐ」の場所に憩いの場を広げたい。そのとき、担い手はどう確保する?



    昭和40年代以後に開発された住宅地が広がる、武蔵村山市の南部地区。落ち着いた住環境と、近い将来のモノレール延伸計画などが寄与して、新たに転入してくる若い世代のファミリー層を中心に、いまも人口は微増を続けています。
    一方で、65歳以上の高齢者の割合は21.9%と東京都全体の平均とほぼ同じ水準。その多くが、高度経済成長期に働き盛りだった人たちが、定年後も住み続けている世帯です。
    「ご家族と同居というよりは、お子さんたちは都心や他地域に行ってしまっていて、高齢者世帯や独居が多いのがこの地域の特徴かもしれません。地縁が少なく、もともとのつながりがないので、認知症の人がいても、どう声をかけていいかわからない。そんな課題を抱えています」と、武蔵村山市南部地域包括支援センターの岡村美花さんは話します。

    センターでは、拠点となっている武蔵村山市民総合センターを活用して、介護予防のプログラムに取り組んでいます。数年前から、ゲーム、コーラス、手芸など、さまざまな活動への参加を呼び掛けており、それぞれに20〜30名ずつの参加者が集まり、毎月1回程度の頻度で会をスタートさせました。
    その運営の特徴は、会をいつまでも地域包括支援センターが運営するのではなく、参加した人たちが自主運営していくという意識づけを持つよう、会を始める最初のタイミングから伝えていることです。
    「1年たったら自分たちの会にしてくださいね、と言っていると、次第に、参加される高齢者の方たちの中には、自分たちが包括を助けてあげるんだ、という意識を持つようになる人もいるぐらいなんです」
    こうした仕掛けが奏功し、開始から1年が経過し、自主的な会として独立し、立ち上がっていったグループをいくつも生み出しています。

    同時に、活動を通じて、このような場所に来られなくなっていく高齢者の存在といった課題も明らかになってきました。
    武蔵村山市内には、鉄道の路線や駅がなく、市内の公共交通はもっぱらバス。地域によっては、バスの便も不足しているため、車で移動できることと、社会とつながることとが、密接に関係しています。それだけに、車で出歩くのが難しくなったときには、地域での支えが不可欠なものとなります。
    もっと身近な場所に、高齢者が集まることができる場所を作っていかなければならない。
    そのことから、武蔵村山市では、歩いてすぐに行けるような身近な場所に、憩いの場を創出し、地域の介護予防を推進していく、という方針を掲げています。
    これを受けて、武蔵村山市南部地域包括支援センターでは、担当エリアのとある自治会と連携し、地域の自治会館を借りて介護予防のためのサロンを2016(平成28)年の春からスタートしました。

    春先からスタートしたサロンは、毎週1回定期的に開催しています。第1・2週は、軽い体操や脳トレ、介護予防についてのお話など、第3週は老人保健施設の協力で理学療法士、作業療法士が無料で体操指導を行い、第4週は介護予防リーダーが担当し、プログラムが充実してきました。地域の人が少しずつ興味を持って足を運んでくる場所として、じわりと浸透し、来訪者数も伸びています。

    ところが、ひとつ新しい課題が見えてきました。
    地域包括支援センターとしては、以前の介護予防の取り組み同様、このサロンをゆくゆくは参加者による自主運営へと移行していくことを理想としていましたが、実際に始めてみると、このサロンに集まる人たちは、車ではなく徒歩で来る人たちで、ごく身近なご近所の人たちが中心。従来のセンターで開催してきたサロンやサークルには活発な人が多数集まっていた中で、地域密着型のサロンの場合、そこに集まる参加者だけに運営の「担い手」を託すのは現実的に難しいことが見えてきました。過去の成功パターンが、小さな地域に密着したサロンでは通用しないのです。

    「担い手を確保しようとボランティアの募集もしているが反応はいま一つ。でも、地域を見回せば、子育てをしているお母さんたちもいるし、介護予防リーダーが活躍の場を求めているかもしれない。地域で新しいつながりを求めている人をどうやって見つけて、どうつないだらよいか、それがいまの課題です」と岡村さんは言います。

    すぐに歩いていけるような身近な場所で行われるきめ細かさと、住民の主体性を最大限に引き出し持続可能性とを兼ね備えた、これからの介護予防の実践に向けて、武蔵村山市南部地域包括支援センターは、新しいチャレンジに取り組んでいます。「参加した人が将来の担い手になる」という従来の成功パターンを超えて、地域の力をどのように引き出し、介護予防を推進していくか。東京ホームタウンプロジェクトでは、新しい介護予防サロンの持続可能な運営を実現するための仕組みづくりを伴走支援によりサポートします。

    (本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

    団体基本情報

    団体名
    武蔵村山市南部地域包括支援センター
    所在地
    〒208-8503 東京都武蔵村山市学園4-5-1 市民総合センター1階

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    進捗率
    完了
    進捗状況

    最終更新 2017.03.03
    2016.07.12

    今回のプロジェクトをサポートする、東京ホームタウンプロジェクトアドバイザーの、コミュニティビジネスサポートセンター(CBS)によるヒアリングを実施しました。

    2016.09.07

    実際に活動がスタートしている「おおみなみサロン」の現場を見学しました。参加者の様子や、実施されている体操の内容を確認した結果、こうしたサロンの担い手を広げていくための「サロンコーディネーター(仮称)」研修の必要性を確認。今後はアドバイザーであるCBSがサポートしながら、この研修の実施計画等を南部地域包括支援センターが主体となって立てていく予定です。

    2016.11.01

    これまでのサロンの実績を確認し、前回の会議で検討したサロンコーディネーター養成講座の内容や実施方法等について、アドバイザーであるCBSと打ち合わせを実施しました。

    2017.01.24

    住民の中でサロン運営の担い手となる「お互いさまリーダー」養成講座実施前の最終打ち合わせと、来年度の方針などについて打 ち合わせを行い、講義資料の修正や実習の際の注意事項などを確認しました。

    2017.02.06

    「お互いさまリーダー」養成講座の 1 日目を行いました。 約 20 名の参加者が、実際の体操も交えた講義を、とても楽しそうに受講していました。

    2017.02.13

    「お互いさまリーダー」養成講座の 2 日目を行いました。 ほとんど参加者が減ることもなく、皆さん、今回も楽しそうに講義を受講していました。 今後は、実際に活動をしているサロンでの実習となり、4 月中には全員が 3 回の実習を終 え、5 月中には認定証を渡す予定です。

    2017.03.03

    これまでの「お互いさまリーダー」講座の状況・結果やおおみなみサロンの運営状況など、 事業全体の振り返りを行い、来年度の「お互いさまリーダー」養成講座の運営方法、おおみ なみサロンや他の地域でのサロン運営・展開方法、予算、スケジュールなどを協議しました。

    成果

    最終的には市内に70のサロンを開設するという目標に向け、サロンの担い手を養成する「お互いさまサポーター」制度を構築。立ち上げから実際の講座実施までを伴走支援でサポート。

    これまで、センターでのサロン活動を中心に、地域住民の皆さんが自主的に開催するサロンの立ち上げを支援してきた武蔵村山市南部地域包括支援センター。しかし、歩いて行ける距離の地域密着型サロンの場合、そこに集まる参加者を確保することや、その参加者だけに運営の「担い手」を託すのは現実的に難しいという課題を抱えていました。

    東京ホームタウンプロジェクトアドバイザーはまず、センターや周辺の方々への聞き取りや活動見学を実施。地域での連携体制や参加者の年齢や身体の状況から参加者を中心とした運営の担い手を見つけることの難しさや、地域のネットワークから担い手を探す難しさが明らかになりました。一方で、武蔵村山市では、これまでも福祉に関する市民講座を毎年開いていて参加者が多かったことから、市全体としては社会貢献をしたい人が多いこともわかりました。

    そこで今回の伴走支援では、今回の対象地域だけの課題解決に留まらず、市全体の今後につながる解決方法を考えること、想いのある地域住民の皆さんを活動に巻き込むこと、この2つのポイントを意識した上で、次の解決方法を検討。サロンの担い手に直結する「お互いさまサポーター」というサロン運営の認定資格を始めることと、講座の中に複数回実習を含め、地域のサロン活動に実際に参加する機会を提供することをアドバイザーから提案しました。

    実施に向けて合意してからは、市や包括支援センター、社会福祉協議会などの関係者と共に、講座の内容や教材の検討、実施スケジュールやサロン活動予算の確保など、さまざまな面で協議を進めました。そして、広報活動なども行いながら募集を始め、実際に講座を開始するところまで行いました。講座や実習に参加した住民の中には、「自分の地域でぜひ実践したい」という人や、「自分の地域では色々抵抗があるけど、少し離れた地域でなら実践したい」という人、「サロンの運営は難しいけど、自分の特技を生かしたプログラムのお手伝いはしたい」人まで、さまざまな形で前向きな方がいらっしゃいました。そして、もっと実習を行っていきたい、早く自分でも運営を行っていきたい、そんな声もありました。

    講座開催後には、来年度の実施計画やサロンの開設方針、資格者の交流会などについても打ち合わせを実施。武蔵村山市内のサロンは、すべて「お互いさまサロン」という名前が
    付くことにもなりました。今後も多くの関係者と一緒に進めて行くことになった「お互いさまサポーター」制度。今後のサロンの広がりや担い手の増加に、期待が高まります。

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