プロジェクト詳細
杉並区地域包括支援センターケア24成田
地域住民との対話の積み重ねで、今がある。 住民同士のコラボレーションを生み出す時。
善福寺川沿いに広がる緑地をはじめ自然豊かな環境が魅力の杉並区。杉並区地域包括支援センターケア24成田(以下、センター)は、約30万世帯が暮らす区内において、北はJR阿佐ヶ谷駅南側の阿佐谷南3丁目から、善福寺川沿いの成田西と成田東の一部、一番南は京王井の頭線・浜田山駅付近の地域まで、地図上で見ると、南北の縦に長い区域の相談窓口を担当しています。
「担当区域の中でも、地域ごとに特徴が異なります。町会・自治会がしっかりしているところもあれば、人の結びつきが弱い地域もあるし、高齢化が特に進んでいる地域もある。その中で、地域包括ケアシステムの構築を見据えた時の共通の課題は、地域の活動を積極的に担う人材が必要で、地域活動をどう住民主体に切り替えていくか、ということです」と、センター職員の片岡早紀さん。
その課題解決に向けて、センターでは、2013(平成25)年度、2014(平成26)年度と、杉並区の地域づくりモデル事業として、小地域ごとの地域アセスメントを実施。どの地域にどんな人がいて、地域活動に利用できそうな場所はここにあって、何が資源として不足していて…といった細かな情報を把握し、キーパーソンとなり得る住民や、地域で育っていくかもしれない活動のサポートをしようと考えたのです。
「モデル事業にあたり、まずはセンター職員自身の意識の統一と、地域についての情報共有を円滑にすることを意識しました。9名の職員が、自分の担当していることしか知らない、ではなく、各職員が日々得ている住民からの生の声を全体で共有し、できるだけその声にはセンターとしてフィードバックをする。職員同士が話しやすい環境を心がけ、今でも、職員全員でのミーティングは毎日、朝と夕方の1時間ずつ。さらに週1回は全体の事業を確認する時間をとっています」
そう話すセンター長・川崎裕彰さんをはじめ、住民の声を大切にするセンター職員の皆さんの取り組みは、次第に地域住民との距離も縮めてくれるようになりました。
「ある住民の方から、『地域包括ケアについて教えてよ』と声をいただいたことがきっかけで、私たちが取り組んでいること、一方で地域の方々に取り組んでいただきたいことなどを直接お伝えする会を開くことができました。また、ポールウォーキングを始めたい方と、場所を提供くださるという方をお引き合わせし、センター主催ではなく、自主活動が始まった例なども出てきています。これからは、そうした住民の皆さん自身が主語になる、住民・地域団体同士のコラボレーションが生まれるような取り組みをしていきたい」
センターでは、今後、地域づくりに関心のある住民の方々が参加するワークショップを開き、地域でやってみたいこと、住民があってほしいと思う活動を、一つでも二つでも具体化したいと考えています。その主体は、あくまで住民自身。今回、そこに第三者として東京ホームタウンプロジェクトによるサポートが入ることで、より率直な住民の意見、そして主体性を引き出したい。さらに、片岡さんたちには、ここで実践することを杉並区内の他の地域包括支援センターにも共有したいという思いもあります。
「どの地域包括支援センターも、同じように試行錯誤しています。でもセンター内部だけで考えていたら、どうしても視野が狭くなってしまう。今回のプロジェクトで客観的なアドバイスを得ながら、私たちセンターの地域事業も見直す機会にしていけることを期待しています」
(本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 杉並区地域包括支援センターケア24成田
- 活動開始時期
- 2006/平成18年4月
- 代表者名
- 川崎 裕彰 さん
- 所在地
- 〒166-0016 東京都杉並区成田西3-7-4
- ホームページ
- http://www.sugi-chiiki.com/care24-narita/
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進捗率
進捗状況
今回のプロジェクトをサポートする、東京ホームタウンプロジェクトアドバイザーの、コミュニティビジネスサポートセンター(CBS)によるヒアリングを実施しました。
「成田なかまづくり計画〜地域の声からうまれる新たな絆〜」と題し、地域づくりに関心のある住民や地域団体の皆さんの集まりを開催し意見交換をしました。
7月の会の振り返りを踏まえ、今後、11月から予定している「地域資源向上ワークショップ(仮称)」の具体的なプログラム等についてCBSと打ち合わせを実施しました。
11月から予定している「小さな場づくり会」の具体的なプログラムや周知方法等について、アドバイザーのCBSと打ち合わせを実施しました。
地域の声を地域づくりに生かしていく「小さな場づくり会」を開催し、地域に関わる18名が参加しました。そこで、“地域に何が必要か”、“その実現のために何ができるか”をテーマにワークを行い、非常に活発な意見交換が行われました。 次回は1月に開催予定です。
第1回目「小さな場づくり会」の反省会を行い、第2回に向けて具体的なプログラムや周知方法等について、アドバイザーのCBSと打ち合わせを実施しました。
第 2 回「小さな場づくり会」を開催し、前回上がった地域課題の「孤立」というテーマにつ いて話し合い、解決方法や今後の活動などについて議論を行いました。
アドバイザーのCBSと共に、前回の反省会と次回の打ち合わせを行いました。
「小さな場づくり会」が始まるきっかけとなった「成田なかまづくり計画〜地域の声からう まれる新たな絆〜」の第 2 回を開催しました。これまでの「小さな場づくり」の活動報告を 参加者の方にして頂き、「自分には何ができるか」を参加者同士で話し合うワークショップ を行いました。
第3回「小さな場づくり会」を開催し、今後の活動の方向性や、住民が主体となって進める ことなどについて議論を行いました。
アドバイザーのCBSと共に、今年度の振り返りと来年度の進め方などについて打ち合わせを行い ました。
成果
本音を引き出すワークショップの手法等を学び、地域住民の自主性を活かすことに成功。地域住民が主体的に継続していく話し合いの場「小さな場づくり」が誕生。
地域の場所や人、行われているさまざまな活動など、地域資源の細かな情報を把握し、地域で育っていく可能性のある活動のサポートを進めてきた杉並区地域包括支援センター「ケア24成田」。地域の方々の場づくりとしてワークショップを開催してきましたが、 住民主体となるその後の具体的な活動や話し合いの場は、なかなか生まれませんでした。
そのような場づくりを実際に進めて行く中で課題となるのは、どうやったら地域住民と継続的な話し合いの場を作ることができ、住民自身が主体的に関わるようになるか、それがわからないということ。一方で、地域住民の皆さんも、継続的に集まるような場を求めていることは、これまでに行ってきた「成田なかまづくり計画」のアンケートなどを見ても明らかでした。
そこで、今回の伴走支援では、「成田なかまづくり計画〜地域の声からうまれる新たな絆〜」のアンケートで、「今後の場づくりに参加したい、しても良い」ということで連絡先を記入いただいた方々に声をかけて、継続的な「小さな場づくり」を立ち上げるところからスタート。最後には「小さな場づくり」という、主体性をもった地域の話し合いの場が無事生まれ、毎月の開催を基本とするところまでになりました。
最初は不安があった杉並区地域包括支援センター「ケア24成田」の方々も、立ち上げの 仕掛けが見事に成功し、その後も「小さな場づくり」の運営方法や、地域の方々の本音を
引き出すワークショップの進め方などのアドバイスを受け、実際に見たり行ったりするこ とで、自信がついたようです。
そして現在、地域住民の皆さんが中心となって自主的に行う勉強会の開催なども提案され、実施に向けて動いている「小さな場づくり」。今後の活動に期待していきたいと思います。