プロジェクト詳細
清瀬市社会福祉協議会
生活支援コーディネーターのブログ発信 〜「何のために発信するのか」を問い直す。
多摩地域北東部に位置する清瀬市は、人口約7万5千人の近郊農業のさかんな住宅都市です。市では、社会福祉協議会のホームページ内に「支え合うきよせ委員会」というページを設け、第1層協議体、第2層協議体の活動や、生活支援コーディネーターからの情報発信(http://www.kiyose-f.net/publics/index/423/)を行っています。
最大の特徴は、各種会議の報告だけでなく、「清瀬市 生活支援コーディネーターのブログ(https://ameblo.jp/sasaeaukiyoseco/)」として生活支援コーディネーターからの発信を行っていることです。
「生活支援コーディネーターの活動を地域に届けたい」「地域の活動を、ブログを通じて情報発信したい」「ページを見てくださる市民の皆さんとコミュニケーションが図りたい」など、様々な目的と意気込みを持って開設したものです。
しかし、届けたい情報が実際に地域の方に届いているかがわからないまま、更新の頻度が少しずつ落ちるなど、なかなか軌道に乗せることができないという課題を抱えていました。
第1層生活支援コーディネーターである清瀬市社会福祉協議会の鍵和田卓也さんを中心に、「届けたい人に、有益な情報をスムーズに届けるにはどうすればよいのか」、共創力アップ・プログラムでの伴走支援を行いながら、共に考えました。
団体基本情報
- 団体名
- 清瀬市社会福祉協議会
- 所在地
- 〒204-0011 東京都清瀬市下清戸一丁目212番地の4
- ホームページ
- https://ameblo.jp/sasaeaukiyoseco/
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進捗率
進捗状況
【第1回ゼミ】
「ブログ運営のスキル不足」「ノウハウの不足」が原因と考えていた鍵和田さんでしたが、プロジェクトでの最初のアドバイスは「生活支援コーディネーター同士で、何のために発信するのかを対話し意識共有すること」でした。「何のために情報発信するのか」「何が伝わると嬉しいのかを考える」について、次回までに持ち帰って話し合うことからスタートし、年明けを目指し、具体的な発信体制の整備、スキルアップ、テンプレートづくりなどを行うことを目標に定めました。
【第2回ゼミ】第1回ゼミのアドバイスをふまえ、清瀬市生活支援コーディネーターで「ブログは、何のために発信するのか」を改めて話し合ったところ、その目的(現場から伝えたいこと)について、きちんと話し合ったり確認したことがないことに気づきました。「生活支援コーディネーターがどうかかわっているか、何をしているかを発信したい。地域づくりは楽しいもの、自分たちの地域が誇りを感じられる、前向きに感じられるような情報発信にしたい」などの意見もあり、「改めて自分たちの業務やあり方を考える場を持つことができたことは、とてもよかった」と鍵和田さん。 アドバイザーからは、発信の目的を確認できたこと、一度立ち止まって話してみる重要性にも気づきがあったのは大きな進展とコメントがありました。今後は、生活支援コーディネーターの見える化情報発信として、ブログのカテゴリーをつくることを目指すことになりました。
【第3回ゼミ】 清瀬市生活支援コーディネーターの皆さんで、ブログを発信者別、内容別に整理しました。その結果「イベント報告」が中心で「過程(プロセス)」の発信が少ないことがわかりました。今後は、1)市民の知りたいことをリスト化し、ブログのカテゴリー分けを進めることと、2)イベント報告などに偏りがちな発信を解決するため、モデル的な記事(書き方見本)づくりに取り組むことになりました。
【第4回ゼミ】第3回ゼミの「市民が知りたいことリストの作成」というアドバイスを受け、清瀬市生活支援コーディネーターブログを精査した結果、これまでの発信は専門家目線に偏っており、市民目線で、市民が知りたいことの視点が抜けていたことに気づきました。一方、約半年かけてコーディネーター間で情報共有が進んだ結果、ブログの更新頻度があがりました。 アドバイザーからは、イベント報告だけでなく、途中のプロセス(の発信)を大事にすること。その時に、第2層生活支援コーディネーターからあがってくる生き生きとした現場の情報を、そのまま発信することも大事にしてほしいとアドバイスがありました。 他の自治体でも、生活支援コーディネーターが組織内部での報告業務に時間が取られることが課題として挙げられています。清瀬市でブログをコア業務(報告業務)に正式に位置付けることができるような体制まで含めて、「清瀬モデル」をつくっていけると素晴らしいという未来図(目標)が描かれました。
成果
ブログでの情報発信のコツが、合意形成の過程や情報共有のヒントに!
プロジェクトで最初の、そして鍵和田さんにとって最大のアドバイスは、ブログ運営のテクニックではなく、「まず生活支援コーディネーター同士で、何のために発信するのかを対話し意識共有すること」でした。
お互いの対話から認識をすり合わせ、同じ目標(何のための発信か)を共有すること。その作業を通じて、発信する情報の多くが地域イベントの参加報告となっていたり、専門職の目線からの発信となっており、「市民の知りたいこと」になっていないのでは?という疑問、気づきにつながっていきました。
その後も、鍵和田さんを中心に共創力アップ・プログラムでのアドバイスを受けながら、生活支援コーディネーター間での対話を重ね、「市民が知りたい情報は何か?」を整理していきました。
結果、地域イベントの参加報告だけではなく、例えば実施にいたるまでの過程を発信すること、地域のインフォーマルな資源やその利用方法を紹介することなど、「市民が知りたいこと」に立った情報発信が進んできました。
鍵和田さんは、
・今後も、記事作成のアイディアやテーマをカテゴリー化した「市民が知りたいことリスト」の作成に取り組むなど、「何のために情報発信するのか」を対話を通じて掘り下げながら、活動を発展させていきたい。
・清瀬市では、平成30年度に第2層協議体が設立された。「市民が知りたいことリスト」が整理できれば、圏域に関わらず、情報発信する際の1つの考え方になるので、生活支援コーディネーターや協議体の委員が同じ方向を向いて情報共有したい
と語ります。
そして何よりも、生活支援コーディネーター間での情報、意識の共有が進んだ結果、ブログの更新頻度が上がったこと、上からの指示で何かをやるのではなく自分たちの主体性に基づく発信が行えるようになったことが大きな成果だったと鍵和田さんは言います。
今後は、ブログの認知度を高めるなど、多くの方にブログを見てもらえるよう、周知や宣伝に力を入れていくことも課題の1つです。
アドバイザーからは、第2層生活支援コーディネーターからあがってくる生き生きとした情報、その現場感をみなで共有するために、途中のプロセスを含めた発信を大事にしてほしいということ、また、他の自治体でも生活支援コーディネーターが組織内部での報告業務に時間が取られることが課題として挙げられている現状の中で、清瀬市でブログをコア業務(報告業務)として正式に位置付けることができるような体制づくりまでを含めた「清瀬モデル」をつくっていってほしい、との展望や期待が寄せられました。
鍵和田さんからは、プログラムへの参加を通じて、対話することや合意することの大切さを学び、今後は情報発信のみならず、生活支援コーディネーターや行政、協議体の委員など、様々な場面で合意形成に向けた過程を大切にしていきたいという感想をいただいて、プロジェクトが終了しました。