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    プロジェクト詳細

    文京区 多世代交流プログラム開発

    NPO法人居場所コム

    「こまじいのうち」には、なぜ人が集まり、地域がつながるのか。居場所立ち上げのエッセンス。



    文京区駒込。一軒家の多い落ち着いた街並みの中にある、築60年の木造2階建ての一軒家、昭和の雰囲気あふれる佇まい。居場所づくりに関心を持つ人の多くが知っている、そして、東京で居場所の視察をするならばまずはここ、と言われる。それが「こまじいのうち」です。

    都心における居場所の取り組みとして、しばしばメディアに取り上げられ、また、各地の行政機関や福祉関係者からの視察を受け入れている「こまじいのうち」は、たとえ知名度こそ全国区であったとしても、その現場には、ローカルで、ふだん着のままの、ゆるくてやさしい空気がただよっています。

    「こまじいのうち」は、もともと、代表を務める秋元康雄さんが所有する空き家を、地域のために活用して欲しいという秋元さんの申し出からスタートした活動でした。町会の関係者など地元の人たちからも、地域のみんなが集まれる場所が欲しい、という声を受けて一念発起した活動でしたが、開始当初のエピソードには苦労話も交じります。

    「いざやってみたらみんな慣れないから最初は上手くいかなかった。お客さんも集まらなくってね。そこでバザーをやったらどうかと言われ、やってみたら周りの人が知ってくれるようになり、お手伝いしたいという人も増えてきました。お手伝いしたいという人が勝手にスケジュールを書いていってくれたりもしました。」

    「居場所を立ち上げたもののなかなか人に来てもらえない。」
    そんな悩みを抱える居場所運営者の皆さんにとって、「こまじいのうち」も、立ち上げ初期の頃は同じ悩みを抱えていたというエピソードには、ちょっと勇気づけられるものがあるかもしれません。

    現在の「こまじいのうち」は、初期の苦労を感じさせない、いろいろなプログラムが開かれる場所となっています。脳トレ健康麻雀、布ぞうりやビーズなどの手作り教室、学生さんによる落語会、子どもたちとの昔遊びなどなど。そして、いまでも年2回開かれるバザーは大賑わい。こうして、週5〜6日は何らかの形でこの場所が稼働しているのです。

    それだけのプログラムを毎週・毎月のように展開し続けるところには、ひとつのポイントがありそうです。
    「こまじいのうちは、行政の予算で運営している場所ではないから、いつつぶれてもおかしくない。だからここに来てプログラムを運営する人は、みんな自己責任。それぞれのプログラムを運営する人が自分たちで活動を回している。」と、その場に居合わせた男性が教えてくれました。

    「こまじいのうちの特徴は、各団体どうしの交流やつながりがあること。実行委員会をつくってその中でこまじいのうちの運営について話し合いながら、日々の運営は各団体に任せているというやり方をしています。」というのは、「こまじいのうち」の設立当初から関わり、地域のさまざまな関係者をつないできた、文京区社会福祉協議会の浦田愛さん。

    その浦田さん曰く、「他の居場所づくりをするときにも、こまじいのうちで実践したやり方は、ひとつの参考になるのではないでしょうか。」

    実は、「こまじいのうち」の立ち上げプロセスをもとに、2016(平成28)年に区内で居場所立ち上げに関心を持つ人に向けた「居場所づくり講座」を開講したところ、その後、「キーベースのしごと部屋」や「まちライブラリー@225.street.jp」といった新たな居場所が文京区内に立ち上がるという成果を収めています。

    居場所を立ち上げ、いろいろな団体がつながり、その場所に人が集まるようになるためには、どのようなプロセスを踏むのがよいのか。「こまじいのうち」が立ち上げから安定軌道に落ち着くまでの手順を跡付けるなかから、区外のさまざまな地域においても参考になるようなヒントを発見していきます。

    (本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

    団体基本情報

    団体名
    NPO法人居場所コム
    活動開始時期
    2016/平成28年12月
    代表者名
    秋元 康雄 さん
    所在地
    〒113-0021 東京都文京区本駒込5-11-4
    ホームページ
    https://hometown.metro.tokyo.jp/post_daihon/komajii/

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    進捗率
    完了
    進捗状況

    最終更新 2019.02.18
    2018.06.26

    活動現場見学・体験を実施しました。

    2018.07.17

    創設者・代表者インタビューを実施しました。

    2018.07.25

    「こまじいのうち」で開かれた、東洋大学の学生さんによる落語会にプロボノチームのメンバーが参加しました。落語会の後のお茶会でも、まさに多世代交流というその場のようすを拝見することができました。

    2018.09.16

    同じく多世代交流プログラムの開発に取り組む、ドリームタウンチームとの意見交換会を開催しました。

    2018.10.11

    プログラム構成提案を実施しました。

    2018.12.01

    チームミーティングを開きました。ここまでの取材・ヒアリングを通じて収集した情報をもとに抽出した「こまじいのうち」の活動のエッセンスをもとに、読み手の具体的な行動につながるような伝え方を実現するにはどうしたらよいか。成果物の最終化に向けた検討を行いました。

    2019.01.18

    「こまじいのうち」と同じ文京区にて居場所を運営する方に、レビューヒアリングを行いました。実際に運営に携わっている方の視点から、参考になるご意見や感想をたくさん頂きました。これらを元に、更により役立つものになるよう、ブラッシュアップを行っていきます。

    2019.02.18

    レビューヒアリングを踏まえて再編集し、まとめ上げた成果物の確認とご報告のため、こまじいのうちに最終訪問を行いました。約8カ月に渡ったプロジェクト。ご協力頂いた「こまじいのうち」のみなさん、ありがとうございました!

    成果

    あえてつくる “ゆるやかさ”楽しく巻き込む運営のヒントーー「地域づくりの台本」が完成。

    多世代交流の居場所の象徴的な存在ともいわれ、毎年、数多くの視察者が訪れる文京区の「こまじいのうち」。

    子どもから高齢者まで、老若男女が出入りする場づくりにおける、立ち上げから現在に至るまでの取り組みのエッセンスを「地域づくりの台本」としてまとめました。

    “こまじい”こと秋元さんや社会福祉協議会の浦田さんなど、立ち上げに深く関わった方々にお話しを伺うことで分かったのは、その立ち上げから運営が軌道に乗るまでの間に、現在の運営成功につながらる数多くのヒント、そして象徴的なストーリーが詰まっている事。

    更に、日々の運営の中での工夫など、「こまじいのうち」の運営の様子と、そこから読み取れる運営のヒントをプロボノワーカーの視点で引き出しました。

    成果物は以下のページより、ご覧になれます。

    チームメンバー

    PM
    伏谷さん
    メンバー
    磯崎さん 井上さん 起田さん 河村さん
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