プロジェクト詳細
Local Life Friends
英語を通じて、熱意あるシニアに活躍の場を。地域に根ざした街角ボランティアがおもてなし。
2016年の1年間に東京都を訪れた外国人旅行者は1,300万人を超え、2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けては、さらなる訪日外国人の受け入れを見越し、都内各地で大規模なイベント施設の改修や、公共機関の整備などが進んでいる様子が見てとれます。
そうしたハード部分とともに、今後ますます充実した対応が求められるのが、いわゆる外国語でのコミュニケーションというソフトの部分。ホテルやレストラン、イベント会場といった一部の場所では、すでに英語をはじめ外国語を話すスタッフが常駐していたり、あるいは都内で電車やバスに乗れば、英語、韓国語、中国語での表示なども定着してきました。
「Local Life Friends」代表の川村さんが住む千代田区も、皇居をはじめ歴史的・文化的なスポット、日本のポップカルチャーが集まる秋葉原、古きよき街並みが残る神保町などが点在する、外国人観光客に人気の地域。また、在勤の外国人も多いといいます。
「私は、長く英語教師をしています。最初は、私の勤め先にいた外国人講師で、日本語を使ってボランティアをしたいという人がいたので、そういう外国人をサポートするような日本人ボランティアを育成したいと思っていたのですが、いろいろと活動する中で、『英語を使って外国人をおもてなししたい』と思っている、比較的高齢の方々がたくさんいるということを知りました。でも、有資格者でないと自治体などではボランティアガイドとして受け入れてはもらえず、そうした皆さんの活躍の場がないということも、同時にわかってきたんです。それで、もっと気軽な形で“街角英語ガイドのボランティア”を目指す『千代田Welcomers(ウェルカマーズ)』というグループを立ち上げることにしました」
千代田区の社会福祉協議会の協力を得て、広報誌や案内チラシなどで参加を呼び掛けたところ、60代を中心に10人ほどの参加者が集まりました。2016年8月を初回として、毎月1回の講座で、日本にやってきた外国人に交通手段を案内したり、観光地についての説明をしたりする練習をみんなでしてきました。使用するプリント教材は、川村さんの自作です。
また、ネイティブスピーカー講師を招き外国人観光客に見立てた会話やガイドの練習も取り入れています。
「参加している方々は、皆さん本当に熱心です。完ぺきな英語を話すことを目標とするのではなく、皆さんの英語のレベルやその情熱を活かせる場づくりをしたい。英語でおもてなしができるのはプロの通訳やガイドだけというイメージを変えて、高齢者でも、そんなに英語が上手じゃなくても、街角に出て、困っている外国人をサポートできたらいいと思うんです」と川村さん。
たしかに、英語での日常会話を苦にしない日本人が増えれば、「ちょっとこれ聞きたいな」と思った時に、助かる外国人がたくさんいるかもしれません。
1年間続いてきた、この、いわば高齢者のための英語学習サークル活動の締めくくりには、「折り紙教室」を企画。参加者がこれまで学んできた英語の実践の場として、日本の文化である折り紙を、英語を使って外国人の方に教えながら、交流を深める場になりました。
ただ、昨年立ち上がったばかりの「千代田Welcomers」の活動は、ようやく1クールを終えたばかり。ここから先の活動をどう組み立てていこうか思案中です。
「そう遠くない将来に、自分自身の定年退職も見えてきている中で、地域に何か残る、持続可能な活動にしていきたい。高齢になってもますます活発にボランティア活動ができる、交流コミュニティづくりにも貢献できる活動にしたいという思いもある。」と話す川村さん。今後、毎月の講座も、英語を学ぶだけでなく交流の要素を増やしていきたい、そうした時に、毎回の参加者をどんな手段でどう募集していくのか。講座自体の企画や実施までの流れ、実践相手となるような外国人の見つけ方、など、検討事項は多岐にわたります。今回のプロボノプロジェクトでは、これまでの活動を参加者の意見も聞きながら振り返り、次の1年間の活動スケジュールを立てていくことを目指します。
(本記事は2017年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- Local Life Friends
- 活動開始時期
- 2016/平成28年6月
- 代表者名
- 川村 貴美江さん
- 所在地
- 東京都千代田区
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進捗率
進捗状況
Local Life Friendsの活動拠点にてヒアリングを実施しました。
事前オリエンテーションを実施しました。
団体への質問事項をチーム内でリストアップし、団体の代表へ送付しました。
チーム側で団体の活動の課題と思われる点を事前に洗い出し、当日の団体さんとのディスカッションに備えています。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
手づくりしてきたコミュニティを継続的な活動に発展させていくため、2年目の具体的な取り組みを提案。
英語学習を通した高齢者の方のコミュニティ運営を始めて約1年が経った「Local Life Friends」。アンケートから確認できた、これまでの参加者の高い満足度は維持しつつ、「2020年には実際に語学ボランティアができるようになる」という目標に向けて、どのようなステップを踏んでいけばよいのか、プロボノチームと一緒に、解決の方向性を探索しました。
語学ボランティアとして活躍できる場面を実際に想定したフィールドワークをレッスン内容に取り入れることや、運営の協力者を、Local Life Friends代表者のネットワークから募っていくことなどを、プロボノチームからの案として提示。団体代表の川村さんからは、「団体の運営、あり方、参加者への働きかけについて、さまざまな角度からアドバイスを頂き、まさに目からウロコでした。今後の活動に明るい可能性と、何より必要としていた方向性が見えました」と感想をいただきました。
チームメンバー
- メンバー
- 遠藤さん 竹田さん 土田さん 比良さん