プロジェクト詳細
社会福祉法人六踏園 調布学園・第二調布学園
児童養護施設の子どもたちの世界を広げたい! みんなに開かれた「地域交流棟」を目指して。
さまざまな理由で親と暮らす事が困難な子どもたちが一緒に暮らす「調布学園・第二調布学園」は、大正14年に設立した児童養護施設です。
どこか懐かしい雰囲気が漂う広々とした園内には、学童寮、幼児寮などが季節を彩る植物や遊具と共に点在しています。
近隣にある園外養護寮(グループホーム)も含めて、ここには2歳幼児から18歳の以上も含めた幅広い年齢の子どもたちが100人以上、暮らしています。
「最近は虐待が増えています。学園にいる子どもたちの8割は虐待を受けた子なんです」と語るのは教員の横尾さん。様々な背景を持ち、ここに集った子どもたち。学園に来てからも、通っている学校での生活に適応できなかったり、不登校になってしまったりと精神的なトラウマを抱えたままの子も多く、1人ひとりにしっかりと寄り添うサポートが求められています。
学園では、子どもたちの学校外の時間を充実させるために、季節行事やお祭り、昔遊びやイルカセラピーといった学外の楽しいレクリエーションも多数行っていて、幸いこういった活動に対するボランティアの申し出は多くいただいているのだそうです。
しかし、もっと子どもたちの日常に密着して寄り添ってくれるような人にも来てもらいたいという願いもあると言います。
現在、学園にいる職員は95人。学園の職員は、家事、生活、教育の全てを担うほか、一人ひとりのケアや里親探し、自立に向けた支援への取り組み、一時的な園外児童の受け入れなど様々な業務にも対応しています。そして、不登校児が増えるということは、その分園内でのケアの必要が増えるということ。「健全な子どもを育てていくためには、今はもう職員だけでは抱えきれないのが現状」と学園長の石井さんは語ります。
心の不安を抱えた子どもたちのケアをボランティアに期待することはやはり難しくはありますが、「例えば、掃除、洗濯などをフォローしてくれる地域の方に来てもらえるようになると、職員が本来関わるべき子どもの生活、教育にもっと時間を充てることができます。子どもたちのことを気にかけてくれる、日常的に足を運んでくれる、そんな方に来てもらえれば」と言います。
たとえ2、3日に1回であっても、長い目で学園や子どもたちに関わってくれる人、地域に住む人生経験豊富な方々による見守りが増えるのはやはり子どもたちにとっても嬉しいことです。
そんな調布学園・第二調布学園ですが、今学園内の全ての建物の建て替える計画が着々と進んでおり、約3年という期間をかけて、子どもたちの居住空間を守りつつ、新たな姿に変わろうとしています。
「この敷地内に、新たに地域交流棟を作ろうと思っています。地域で子育てに困っているお母さんたちがいつでも逃げ込める場所にしたい。そして、高齢者をはじめ、地域の多世代の方に訪れて、この地域に関わる企業等も含めた様々な方に活用していただける、開かれた場所にしたいのです」。
交流棟の中は、朝晩は子どもたちの食堂として使われるスペースのほかに、宿泊できるような設備も整う予定。「完成後は看護師を配置するので、子ども達のほとんどが学校に行く平日の日中には、例えば地域の高齢者の方の介護予防体操、健康チェック、お悩み相談といった取り組みをここで行うことができます。日ごろボランティアに来てくださる方や地域のみなさんに対して受け身でいるのではなく、それぞれの力を発揮してもらえる場として、交流の場を作っていきたいのです」と学園長の石井さんは語ります。
そのうえで課題となるのは、地域交流棟の場の運用です。いつでも開かれた場であるために、常駐スタッフを配置し、地域の様々な方面からの支援を得ることで、真に地域で共につくる場にしていくことが目標です。
学園がある富士見町は調布市内でも高齢化率2位の地域。一方で、調布市は、再開発された駅前を中心に多数の企業が社屋を構える場所でもあります。企業による地域貢献活動の活性化の流れもある中で、同じ地域で過ごす多世代の、多様な人々が一体となって地域の輪をつなげていく。その拠点となる地域交流等の有効な活用に向けて、今回のプロジェクトでは、高齢者の方々をはじめとした地域住民、そして地元企業など幅広いステークホルダーからの協力を呼び掛けるための営業資料を作成していきます。
(本記事は2019年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- 社会福祉法人六踏園 調布学園・第二調布学園
- 活動開始時期
- 1945/昭和20年
- 代表者名
- 施設長 遠田 滋・石井 義久
- 所在地
- 〒182-0033 東京都調布市富士見町3-18-1
- ホームページ
- http://www.chofugakuen.com/
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進捗率
進捗状況
全員が集まってキックオフ準備ミーティングを行いました。初対面でもすっかり打ち解け、活発な意見交換を行うことが出来ました。多様なメンバーの個性を活かした活動が期待出来そうです。
キックオフミーティングを実施しました。ロジェクトの方向性の確認と、ヒアリング予定について調整を行いました。
個別ヒアリングを実施しました。
ヒアリング以外の調査・リサーチ作業を実施しました。
同じ地域で活動している他団体へのヒアリング調査を行いました。
調布学園に、これまでのマーケティング調査の結果報告と、営業資料の方向性について提案を行いました。また、営業資料を活用するための体制や方法について確認を行いました。
中間提案に対するフィードバックと承認を実施しました。
「東京ホームタウン大学」と同時開催した地域活動交流見本市の場で、団体職員によるテストマーケティングを行い、企業の方からの意見を伺いました。
作成した営業資料について団体との確認ミーティングを実施しました。フィードバックを含めて、最終打ち合わせで営業資料の再修正作業や今後の活用に向けたディスカッションなどを行う予定です
支援先に訪問し、営業資料ブラッシュアップを実施しました。ここでいただいた修正点を持ち帰り、最終版を作成します。
納品・打ち上げを実施しました。
成果
企業・地域団体・地域住民、様々な立場の人の交流拠点としての「地域交流棟」活用を促す営業資料が完成!
高齢者、子育て世代など、多くの人に開かれたコミュニティスペースとして新たに設けられる「地域交流棟」。その具体的な用途、必要な支援等について、企業、地域団体、地域住民のみなさんそれぞれに呼びかけるため、パワーポイントで作成した21ページにわたる営業資料を納品しました。
資料には、調布学園をはじめとした都内児童養護施設に通う子どもたちの教育支援が必要な理由、調布学園の子どもたちが地域と地域で暮らす様々な人々との関わりを持つ必要性などを紹介。その上で、地域交流等の活用のほか「支援を受けるだけでなく地域連携のネットワーク化を推し進め、地域に貢献もしていきたい」という学園の思いがわかりやすくまとめられました。
学園先生方は納品前に営業資料をもって「東京ホームタウン大学」でのテストマーケティングを実施。そこで得られた意見も反映したものとなりました。
「プロボノの取り組みによって、横割り的な活動が新たになり、且つ強化されていくものと思える。今回の出会いによって、新たな地平が生み出せた気がします」といったコメントもいただきました。
チームメンバー
- アカウントディレクター
- 一色さん
- プロジェクトマネジャー
- 関根さん
- マーケッター
- 岸さん 木村さん 正木さん
- コピーライター
- 齋藤さん