人生100年時代と言われる長寿社会をむかえ、働くことへの価値観が変わってきています。これまでは、「ファーストキャリア=仕事」を終えた後に「セカンドキャリア=老後」というのが主流でしたが、これからは「ライフシフト」「パラレルキャリア」というように、現役のうちから、いろいろな場とのつながりを持ち、副業や地域活動、個人での仕事などを組み合わせながら、ポートフォリオのように人生やキャリアを考えていく人が増えていくと言われています。
シンクタンクにお勤めの山田さんも、まさにライフシフトに踏み出そうとご準備をはじめられたお一人。地域経営・行政経営のコンサルタントとして地域に関わってきた経験も活かし、ご自身に合った地域との新しい関わり方をじっくり考え、今後のアクションにつなげたいという想いから、大学院に参加されました。地域福祉の周辺領域に地域ビジネスの可能性があるのではないか、そのような問題意識をお持ちの山田さん。
今回の研究プロジェクトでは、「稼げる地域活動」をテーマに掲げ、経済的動機と共存する地域活動・地域サービスの情報収集・整理を行い、事例調査を通じて、新しい地域ビジネスのモデルや可能性のある領域を明らかにすることをめざします。
キックオフミーティングを実施しました。
研究対象となる事業モデルの整理と先進事例の調査を行いました。
チームの意見を集約しながら、ヒアリング対象先とヒアリング項目について議論しました。
ヒアリング対象先とヒアリング項目を決め、対象先にコンタクトをはじめました。
中間支援団体にヒアリングを実施しました。
コミュニティビジネスを支援する中間支援団体と企業にヒアリングを実施しました。
コミュニティビジネスを行う一般社団法人にヒアリングを実施しました。
中間共有会(第1回)を実施しました。
高齢者の就業を支援するNPO法人にヒアリングを実施しました。
はたらく人の協同組合にヒアリングを実施しました。
多世代交流のカフェを運営し、地域づくりを積極的に行っている介護事業者にヒアリングを実施しました。
地域の人同士でお困りごとを助け合う、スキルシェアサービスを提供する企業にヒアリングを実施しました。
成果物を届けたい対象者やアウトプットの枠組みについて、チームで議論しました。
居宅介護を支援する事業を核に、地域のまちづくりも推進しているNPO法人にヒアリングを実施しました。
最終報告会を実施しました。
当初「稼げる地域活動」のためのビジネスモデルの構築を研究目的としていましたが、検討を進める中で「稼げる地域活動」を実現するためには、収益を確保して報酬を渡せる(稼げる)「持続可能な地域活動」が必要との認識に至り、『参加者に報酬を提供し「持続可能な地域活動」を実現するため何が必要か』との問題意識のもと、その検討を行いました。
具体的な検討方法として、自ら収益を確保しながら地域活動等を俯瞰できる中間支援3団体と収益を確保して持続可能な地域活動等を実施している6団体にヒアリングを行い、(1)事業継続のポイント(46箇条)、(2)活動参加のポイント(21箇条)をとりまとめました。
このうち、(1)事業継続のポイントについては、1.資金源(2箇条)、2.収入源(15箇条)、3.雇用・人材(8箇条)、4.スキル・ノウハウ(5箇条)、5.提供サービス(16箇条)の5項目(46箇条)としてとりまとめ、「持続可能な地域活動を実現するためには、企業経営並みの経営能力と多寡は別として報酬は必要ではないか」と考えました。
同様に、(2)活動参加のポイントについては、1.報酬(4箇条)、2.心構え(9箇条)、3.スキル(8箇条)の3項目(21箇条)としてとりまとめ、「個人参加を促進するためには、「やりがい×報酬」による対価が必要ではないか」と考えました。
これらの知見をもとに、メンバーそれぞれの「持続可能な地域活動」感をもとに、多様な展開を図ります。
《(1)事業継続のポイント(46箇条)、(2)活動参加のポイント(21箇条)の詳細は、是非、成果物をご覧ください。》
【成果物】
持続可能な地域活動報告書