定期的に、LINEから「安否確認」のメッセージが届く。
メッセージ内の「OK」をタップすれば、問題なし。
でも、反応がない場合は、24時間後にもう一度メッセージが届く。
そこからさらに3時間経過しても反応がない場合は、本人へ直接電話が来る。
確認できない場合は登録された近親者に連絡される。
いまや、ユーザー数が8,000万人を超え(2019年3月現在)、日本で最も普及しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)となった「LINE(ライン)」。家族や友人などをつなぐコミュニケーションツールとしてひろく一般に普及しています。そのLINEを活用して「見守り」をしあうネットワークを作ろうと始まったのが、「エンリッチ見守りサービス」です。
このサービスを企画・運営しているのは、江戸川区在住の紺野功さんです。紺野さんは、数年前、52歳の弟さんを孤独死で亡くすという出来事を経験しました。そのことを機会に、孤独死の4割近くは60歳以下の人も占めているという現実を知り、高齢者も若い人にとってもわかりやすい、幅広い層を対象にできる見守りのしくみを立ち上げられないか、と考えるに至りました。
「私自身、もともとゲーム制作の仕事をしていました。前の仕事では、会社の事務所で毎晩寝泊まりするような生活をしていて、自宅に帰っても近所で知っている人は誰もいませんでした。弟に起こったようなことは、だれしも起こりうる問題だ、と感じました」
当初は見守りのアプリを独自開発することを考えましたが、大きな開発費用がかかるために断念。そこで、すでに一般的に普及しているLINEをプラットフォームとして、LINE上で動く見守りサービスというアイデアに至りました。結果的に、開発にかかる費用を大幅に抑えることができるだけでなく、利用者が新たにアプリをダウンロードする必要がなく、手軽に利用を始められるといったメリットが生まれました。
見守りサービスでは、利用者があらかじめ「毎日」「2日に1度」「3日に1度」などの頻度と、都合のよい時間帯を設定しておきます。すると、定期的にプッシュ通知で見守りサービスからの連絡が入ります。その際、利用者の興味を高めるために、古今東西の「名言」が一緒に届きます。利用者が「OK」をタップすれば、安否確認が完了します。
ここまでは、システムがすべて自動で処理しますが、利用者の反応がない場合、利用者が登録した本人や近親者の電話に連絡を入れる部分は手作業での対応になります。
「もし大きな問題がある場合は、民間や行政機関等と連携して対応出来るよう準備を進めています。ですが、いまのところ、電話フォローをするのは1日2〜3件程度で、大半は返信の押し忘れで、まだ深刻なケースは起きていません」
見守りサービスは、安否確認がタップされない場合、直接お電話するために個人情報の登録が必須です。
しかし、個人情報の登録に不安を持つ方が増えています。そこで、紺野さんが考えていたもうひとつのサービスが、個人情報の登録の必要がないLINEの「グループ配信」を利用したしくみです。
LINEには、複数の人でグループをつくることができる機能があります。友人や家族、サークルなどの連絡用に、一般的に利用されている機能のひとつです。グループLINEの中には、日々頻繁にやり取りをしているものもある一方で、小学校の同窓会や、会社の同期などは、一度グループを組んでも、やり取りが発生するのは数ヵ月に一度などという場合もあるでしょう。
やり取りが頻繁ではないが、そこにいる人たちが元気に過ごしているかどうか気になる。そんなメンバーが入っているグループLINEに安否確認のサービスを導入することによって、個人情報の提供といった面倒な手続きなしに、自分の仲間たちが元気に過ごしているかを定期的に確認しあえることができるようになります。
反応がない人がいれば、23時間後にグループ内に通知されグループの中の誰かがその人に個別に連絡を取るなどして、フォローする。同窓生や同期の仲間が、お互いに、お互いの安否を、時々気にかけてくれる。
そんなゆるい見守り合いの関係が、あちこちに生まれるでしょう。さらには、同窓会や同期会に限らず、マンションの管理組合や、地域の町会・自治会に、あるいは、同じ悩みを抱える当事者や家族の集まりなどに、LINEをつかった見守りサービスが広がることで、ご近所の新しいつながりが生まれたりするといった副次的効果も期待できるかもしれません。
このサービスを維持するためには、一定の運営費の確保が必要なため、個人向けサービスは無料とする一方で、グループLINE向け見守りサービスの利用料は、1グループにつき年間3,000円(税別)を想定しています。果たして、このサービスが“ブレイク”するかどうか。いままでにない見守りサービスの可能性を模索する試みが続きます。
(本記事は2019年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
事前オリエンテーションを実施しました。
インターネット調査を実施しました。
LINEみまもりサービスにメンバーで登録をし、活動を実際に体験しています。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。本日のワークはひとまずここで終了。新宿に移動し、全チームが集合しての成果報告会にて、本日の成果を発表。1日の労を互いに讃えあいました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
今回のプロジェクトでは、団体で新たに取り組んでいるグループLINE向け見守りサービスと、既に利用者を抱えている個人に向けた見守りサービスそれぞれの魅力を明確にし、より多くの人にサービスのメリットと意義を理解してもらうことを目指して三つ折り両面のチラシを提案しました。
プロボノチームは、高齢者やその家族、見守りを必要とする多くの人に向けて、LINEという新しい仕組みを使ったこの見守りサービスの意義を伝えるため、まずはより多くの方に、サービスに親しみを感じ、興味を持ってもらう事を目指し、情報の整理を行いました。