ある日、東京都内でひとり暮らしをしていた50代で弟さんが、マンションの自室で孤独死していた。その厳しい体験が、NPO法人エンリッチを運営する紺野功さんを突き動かしています。
ゲームの制作会社などで長年勤めてきた知見を活かしながら、孤独に暮らすひとをつなぐためにできることとは何か。その問いかけから生まれたのが、いまや8400万人(2020 年3月時点)のユーザーを抱え国内で最も普及しているコミュニケーションツール「LINE」を活用した、見守りシステムでした。
エンリッチが提供する見守りサービスには2つのタイプがあります。ひとつは、個人で参加するタイプで、サービスを利用したいと思う人が、名前や緊急連絡先などの情報を入れると、定期的に「今日の名言」とともにメッセージが送られてきます。利用者は、問題がなければそのメッセージに対して「OK」をタップするだけで安否確認が完了となります。仮に「OK」のタップが24時間以上ないと、再度メッセージが送られてきます。それでも反応がないと、今度は紺野さんをはじめとする見守りサービスの運営事務局の人が実際に電話をかけてくるというしくみになっています。
いまのところ、電話でのフォローを行ったケースの大半は返信漏れによるもので、大事に至ったことはありませんが、本人に電話連絡が取れない場合は、家族・親戚や、近隣の地域包括支援センターなど、あらかじめ登録した緊急連絡先にまで電話をかけて安否確認をするようになっています。
もうひとつの見守りサービスは、グループで利用するタイプのものです。このサービスは、家族や友人など数人程度の小規模なグループでも、同窓会やサークルなど数十人単位のグループでも利用できる仕組みで、グループの幹事となる人が見守りサービスに登録をし、参加してほしい人のグループを作成します。そのグループに見守りサービスをお友達追加で登録します。
一度グループに登録したら「今日の名言」とともに定期的にメッセージが送られ、各参加者が「OK」とタップすることでグループ内で安否確認ができます。グループ内に、「OK」をタップしない人がいた場合には、23時間後にグループ内に通知が届きます。
いま、江東区社会福祉協議会では、コロナ禍で人が集まって顔を合わせることが難しい状況の中で、人のつながりをなんとかして維持するための方法を模索しています。そのなかで、ひとつの試みとして、エンリッチのサービスを区内の地域コミュニティに紹介していきたいと考えています。
想定するユーザーとしては地域の町会・自治会や、住民主体で介護予防に取り組む団体などをイメージしており、地域の方々をつなぐ仕組みとして、この仕組みに期待を寄せています。特に、一般の住宅地以上に高齢化が進んでいる団地などでは、見守りサービスのニーズが大きいのではと見ています。
高齢者がスマホを持つことも珍しくなくなっている中、それでも、LINEを活用したこうしたサービスの利用には慣れていないという人がほとんどです。そこで、エンリッチは地域で暮らす高齢者のみなさんにとっても理解しやすく、また、地域活動に取り組む団体の人がこの仕組みの活用を前向きに捉えることができるよう、サービスの意義や実際の利用イメージが直観的に伝わりやすい説明の仕方を模索しています。
LINEを活用して地域活動と住民とをつないでいく。ニューノーマルを体現したようなつながりづくりの新手法を、感染予防の正念場となるこの冬、実現させられるかどうか。たったひとつのLINEのメッセージが、誰かのいのちを支えることにどこかでつながっていくかもしれないという希望を込めて、今回のプロジェクトでは、見守りサービスの利用イメージがより伝わりやすくするための資料の要件や構成を整理します。
事前オリエンテーションを実施しました。チームメンバーの初顔合わせを行い、支援先団体の事前情報の確認や、本番当日までの準備の進め方などについて話し合いました。11月21日の本番が楽しみです!
オンラインで打ち合わせを実施しました。
オンラインで支援先へのヒアリングを実施しました。
オンラインで打ち合わせを実施しました。
当日オリエンテーションを実施しました。
前日までに団体へのヒアリングのうえ、準備を行ってきたメンバー4人それぞれのアイデアを提案するところからワークはスタート。これらの案からいいとこ取りをして午後の時間を使って方向性を整えていきます。
午後、改めてのプレゼンテーションを実施。サービス内容と伝えたい対象を絞り込み、さらにその対象のニーズについて、ディスカッションしながら深めていきました。
成果物の納品を実施しました。