プロジェクト詳細
めじろ台安心ねっと
次々とカタチにしてきた、地域の安心を支える仕組み。
担い手拡大で、さらなる安心へ。
昭和40年代から宅地分譲が始まった八王子市めじろ台。約4,000世帯が広がる住宅地では、現在、65歳以上の高齢化率が4割近くに達し、一人暮らしや高齢者夫婦などの高齢者世帯も増えています。
こうした中、いくつになっても、ここめじろ台で安心して暮らし続けられるような活動を展開しているのが、めじろ台安心ねっとです。
めじろ台安心ねっとが2008(平成20)年に結成されて、最初に行った住民アンケートの結果を元にして取り組んだのが、「救急医療情報キット」の配布でした。これは、半透明の筒状の容器の中に、本人のかかりつけ医やお薬の使用状況、既往症などの基本的な医療情報や緊急連絡先が記載された紙を入れたものです。これを、ふだんは自宅の冷蔵庫の中に入れておきます。万が一、救急車が必要な状況になったときに、救命隊員が駆けつけて冷蔵庫の中を確認すれば、知っておくべき基本的な情報を容易に把握することができ、初動時の対応に役立てられます。町会や老人会などと連携してキットの配布を進めたことで、約1,000世帯の高齢者世帯に、この仕組みが行き渡っています。
もう一つ、安心ねっとが取り組んだのが、「安心ノート」とタイトルが付された、いわゆるエンディングノートの作成です。他地域の事例などを取り寄せたりしながら、めじろ台としてオリジナルのエンディングノートを作りました。開いて見ると、本人の履歴書や財産のこと、医療情報や終末医療に関する希望、葬儀についての希望、家族や親族の情報、といった、最低限の重要な情報が24ページの冊子に記載できるようになっています。これらを4,000部印刷し、すでに2,000部以上が配布済み。地域外からもこのノートを分けてほしいというリクエストが寄せられるそうです。
さらに、安心ねっとでは、2015(平成27)年6月から、めじろ台3丁目に常設のふれあいサロンをオープンしました。週2回、10時半から午後3時半まで、地域の高齢者が集う場として、また、地域の医師や保健師の講座などを通じて健康に対する意識を高める場としてにぎわいを見せています。また、広報誌「めじろ台安心ねっと便り」を作成し、町内の全戸に配布しながら、介護や医療に関する、必要性の高い情報を届ける取り組みも継続的に行っています。
このように、新しい取り組みを次々と展開してきためじろ台安心ねっとでは、今後、救急医療情報キットを設置した高齢者宅へのフォローを充実していきたいと考えています。
「当初は月1回程度フォローができたらいいね、と話していたこともあったのですが・・・」と、委員の中村和也さん。現在は、1〜2年に1回程度、高齢者宅を訪問して、キットがきちんと備え付けられているかどうか、最近新しく付け加えるべき情報がないかなどのフォローを、メンバーの皆さんが手分けして行っています。限られた役員さんたちで、1人で何十軒もの家を訪問する活動は、現状では、あまり頻繁に実施できていません。「いちばん気になるのは、担い手の問題です」という声が、異口同音に聞こえてきます。
「実際に訪問してみると、年々お年を召して、状況が変わってきていることは切実に感じます。訪問すると、30分とか、それ以上、話し込んだりしてしまうこともあるけど、それが大事なのですよね」
こうした中、現在、めじろ台安心ねっとでは、役員さんたちを中心に、ボランティアの方たちと一緒に地域の高齢者世帯を訪問する活動を企画しています。そこで、東京ホームタウンプロジェクトでは、地域住民のみなさんをはじめ、めじろ台を行き交う学生さんなども視野に入れながら、新たなボランティアを募るためのチラシ作成に取り組むことで、地域の安心を築くこの活動を後押ししていきます。
(本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- めじろ台安心ねっと
- 代表者名
- 嶺 学 さん
- 所在地
- 〒193-0833 東京都八王子市めじろ台3-5-10
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進捗率
進捗状況
事前オリエンテーションを実施しました。
事前のチームミーティングを実施し、メンバーで課題を共有しました。
質問事項のリストアップを実施しました。
活動体験・現場視察を実施しました。
当日オリエンテーションを実施しました。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
支援先からのフィードバックを実施しました。
成果物の納品を実施しました。
成果
町会の回覧板という配布先の特徴にも配慮した、思わず参加したくなる明るい印象のボランティア体験案内チラシが完成
「安心ねっと」では、今回、初めてボランティア体験イベントを企画。プロボノチームはその参加者を募集するチラシを作成することになりました。団体は、めじろ台町会と連携して活動していることもあり、イベント案内は、まず町会の回覧板を通じて行われます。また、「安心ねっと」の知名度は高いとはいえないため、「町会」の名前をきちんと表示することで参加者の信頼度向上につなげよう、と、チーム側もチラシに反映するなど細かい配慮がなされました。
「気軽にボランティアに参加してほしい」という団体の思いをくみとり、チーム側から提案した明るい印象のデザインを団体の皆さんもすぐに気に入り、また、イベント当日のスケジュール等を記載するための話し合いを通じて、イベントそのものを具体的にイメージすることができた様子でした。
【支援のその後】
プロボノチームが作成した募集チラシで新たに3名のボランティアが集まりました。この1、2年以内に「救急医療情報キット」の更新を行うのでその際にも再びチラシを活用する予定ですが、配布手段を増やしてより多くの人に見てもらいたいと考えています。また、めじろ台安心ねっとは去年から生活支援サービスを行なっています。日常生活のちょっとした不便の解決をお手伝いするものです。現在の課題は、地域の高齢化に伴ったメンバーやボランティアの高齢化です。サービスが行き詰まってしまう可能性があるため、若いメンバーに参加してもらうことで地域の活性化を図りたいと考えています。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]