プロジェクト詳細
サーカス
表現することは生きる力になる。クリエイティビティの“機会均等”をすべての人へ。
「アール・ブリュット」という言葉、どこかで聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。「生(き)の芸術」という意味のフランス語で、一般的には、正規の芸術教育を受けていない人たちによる、技巧や流行にとらわれない自由な表現活動のことをいい、豊かな創造力、多様な価値観という視点から世界中で注目を集め、展覧会などが開かれています。
「サーカス」理事の広住道夫さんは、この道50年、生涯で120回以上の個展を開催してきた画家さんです。あるとき、知り合いからの依頼で、がんセンターで絵画を教えたことがきっかけで、これまで20年以上にわたり主に高齢者と障害者の方々のアール・ブリュット分野での支援活動を行ってきました。
「病院の患者さんたちは、長期間の入院で外に出る機会も少ない。そうした方々が絵を見たり音楽を聴いて元気になる姿を実際に見てきたし、亡くなられる前に『絵を描くことが私の人生の宝物』と話してくれた方もいます。芸術活動の持つ力をあらためて感じ、その後、傾聴や回想法(過去の経験や思い出を語り合うことによるセラピー手法)などを組み合わせた取り組みや、ぬり絵のワークショップをさまざまな地域の高齢者施設や福祉施設などでも実施するようになりました」
広住さんは、こうした芸術、文化的活動の機会をさらに広めたい、と、2014(平成26)年からは、多摩地域を中心に市や福祉団体、高齢者・障害者施設等の協力を得て、年齢や障害の有無にかかわらずだれでもが出品できる展示会「アートパラダイス」を開催。毎年、数十点の市民の作品が出品され、300〜600人ほどが来場するイベントとなっています。
そうした中で出会ったのが、「サーカス」発起人となった石谷太三さん。石谷さんは、障害者就労支援施設の職員であり、約15年間、施設内で絵のグループ展などを実施する中で、こんな思いを抱えていました。
「僕自身、小さい頃から絵を描くのが好きで、生活の中で絵に没入することで救われてきた面もある。芸術はないと生きていけないものだと思っています。また、障害者の方々にとっては、描いたものに対して社会からリアクションを得られる方が刺激にもなるし、新しい表現にもつながるはず。知らない人から感想が聞ける、絵を見た家族が喜んでくれることもご本人のエネルギーになると思います」
広住さんが開催する展示会に石谷さんのグループが作品を出品していたご縁と、「施設ではどうしても訓練や作業などもあってクリエイティビティの時間が削られてしまう」と広住さん自身も危機感を持っていたこともあり、実績を積んできた「アートパラダイス」をさらに発展させた活動として、今回、石谷さんたち仲間と一緒に「サーカス」を立ち上げたのです。
「年齢や性別、地域も超えて『いいものはいい』という芸術の普遍的な力を、まずは多摩地域を中心にと思っていますが、日本じゅう、ひいては海外の方々にもどう伝えていくか。情報を知るだけでは、心に届かない。自分がそこにどう参加し、協力することができるか発見できていない人への伝え方を、今回、プロボノチームの皆さんに一緒に考えていただきたいと思っています」
これまでの展示会運営メンバーは70代の方々が中心ということもあり、効果的な情報発信についてはあまり検討できていなかった、と言う広住さん。
次回、2019年3月に多摩市で開催の決まっている展示会を見据え、「サーカス」の活動、アール・ブリュットの魅力をFacebookページを通じて発信していきます。
(本記事は2018年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- サーカス
- 活動開始時期
- 2018/平成30年7月
- 代表者名
- 石谷 太三
- 所在地
- 〒190-0181 東京都西多摩郡日の出町
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進捗率
進捗状況
事前オリエンテーションを実施しました。
チームを代表して、班長さんが現場見学と団体代表の石谷さんにヒアリングをしました。
質問事項のリストアップを実施しました。
メンバー各自、Facebook更新のためのマニュアル下書きや投稿サンプルの作成など、当日に向けて準備を進めています。
プロボノワークを実施しました。
成果物の提案を実施しました。
Facebookページの立ち上げと共に、投稿マニュアル、投稿例と、1DAYチャレンジ当日に実施したインタビュー取材内容を記事にした投稿をプロボノチームが作成し、納品完了となりました。
成果
広く共感の輪を作っていくための情報発信の仕方を検討。当日その場でのインタビューもコンテンツの一つとしてFacebook投稿例やテンプレート、マニュアルも納品。
自身の内面から湧きあがる衝動のままに表現した芸術としても知られているアールブリュットなどの芸術・文化活動。その取り組みを続けてきたNPO法人SORA、アートパラダイス等の有志が中心となって立ち上げた「サーカス」。今回のプロジェクトでは、これから活動を本格化させていくサーカスという団体が、障がい者や高齢者の芸術、文化活動を広く発信していくためのFacebookページ立上げ及び更新に必要なマニュアルの提供、さらには、多くの人にこの活動に関心を持ってもらえ、共有と共感のネットワークづくりができるような発信内容の提案を支援しました。
事前オリエンテーションから本番当日までの間に、プロボノチームで出し合った質問事項を携えてチームの班長さんが施設を事前訪問し、情報収集。あわせて、Facebook掲載内容(プロフィール、過去の活動履歴、関連団体、作家、写真など)を検討しプロトタイプを作成しました。1DAYチャレンジ当日はプロボノチームが八王子郊外にある活動拠点の一つを訪問し、絵画など実際のアールブリュット作品が間近にある作業場でのプロボノワークを開始。団体側のニーズを確認してから、情報の取りまとめ、プロフィールの作成、Facebookの更新マニュアル最終化、投稿例・テンプレートなどをチーム内で役割分担しながら次々に進めていきました。質疑応答の中から出てきたアイデアで、当日その場で3名の作家へのインタビューも実施。このインタビュー内容もFacebook投稿例としてプロボノメンバーが記事化し、今後、サーカス側で投稿できるような準備をした状態で引渡しました。
チームメンバー
- メンバー
- 加藤さん 山田さん 鈴木さん 牧さん 竹内さん 田中さん 井上さん