プロジェクト詳細
めじろ台町会連絡協議会
みんなが何を望んでいるか、から始めよう。
町会の会館の将来に向けた第一歩。
昭和40年代の前半から分譲が始まった八王子市めじろ台。マイホームを求める人々が、テントを建てて泊りがけで行列に並び、瞬く間に街が出来上がった時代から、もうすぐ半世紀。いまでも、めじろ台は、駅前からすぐに広がる住宅街の落ち着いた雰囲気をたたえ、都心から50分弱の場所にして広々とした空間、ゆとりを感じる場所です。
その駅から徒歩1、2分の好立地にあるのが、めじろ台第一会館。
会館は、めじろ台の分譲と同時期に、この場所を開発した京王電鉄が建設し、地元に寄付する形で誕生しました。以来、地域住民が集まる施設として活用されています。
2階建てのうち、1階には板張りの多目的ホール。100平米ほどのほぼ真四角の室内は、ダンスの練習や簡単な体操教室などにも使用でき、また、イスやテーブルを並べれば50人から60人規模の集会ができそうな空間です。きれいに掃除がされていて、床もピカピカ。地元の人たちが、きちんと手入れをしている様子がわかります。
2階に上がるとじゅうたん敷きの洋室と和室があり、間仕切りを取るとひとつながりの部屋にもできるようになっています。ここは10人程度の会議などに向いていそうです。
この第一会館も、築40年以上が経過し、数年前に耐震化のための工事を実施。近頃は、老朽化が課題となっています。それと同時に、会館の「使い勝手」が、時代に合わなくなってきている、という声も聞かれるようになり、次第に、建て替えの必要性が取りざたされるようになってきました。
めじろ台には、1丁目から4丁目までの4つの町会があり、第一会館は4町会が分有しています。そして、めじろ台の住民で町会に入っている人は、1人当たり年間600円を、町会会館の運営費として毎年負担しています。つまり、会館は「みんなのもの」。
それだけに、会館の建て替えどころか、利用ルールの変更などにも、地域全体の合意を取り付けることが求められます。
会館の運営方針などを議論する立場にある町会の役員さんたちは、基本的に持ち回りです。
「自分が役員になったから真剣に考えるようになったが、それまでは関心があったわけではないですからね」めじろ台町会連絡協議会のみなさんからは、そんな本音も聞こえてきます。
それでも、今年、2016年度から、町会連絡協議会は、いままでにない「一歩」を踏み出しました。今年度の事業計画の中に、「第一会館の建て替えについての検討」という項目を、新規に追加したのです。これまで、あまり突っ込んだ議論にならなかったテーマを、あえて議題として取り上げて、議論を深めていこうというスタンスが、ここに明確に表れています。
町会の役員さんの中には、こんな意欲的な声もあります。
「地域包括ケアがうたわれる中で、地域のニーズを半歩先取りしたような施設にしないといけないのではないか。介護予防や、訪問看護・介護ステーション、高齢者あんしん相談センター(地域包括支援センター)などを誘致して家賃収入にするということも考えられるかもしれない」
かつて働き盛りがマイホームを買い求めた頃から時が経ち、地域の高齢化率は4割近くに上っています。こうした時代の変化、状況の変化に、町会の会館は、どのように応えていくことができるのでしょうか。
会館の建て替えに要する費用は、少なくとも何千万円単位となります。年々進む老朽化の中で、いずれは建て替えの時期はやって来るでしょう。しかし、建て替えか維持かという二者択一を迫られる前に、まずはこの第一会館という施設に対して、地域住民のみなさんが、どのようなニーズや要望を持っているのか、を調べるところから出発していくことが、まずは取りかかるべき作業です。地域住民の暮らしに、第一会館がどのように役立てるのか。“町会の会館をマーケティングする”ことで、地域における検討作業をママボノチームが後押ししていきます。
▼ママボノのご案内
http://www.servicegrant.or.jp/program/mamabono.php
(ママボノとは:育児休業などからの復職を視野に入れたママたちによるプロボノプロジェクトです。)
(本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)
団体基本情報
- 団体名
- めじろ台町会連絡協議会
- 代表者名
- 中村 和也 さん
- 所在地
- 東京都八王子市めじろ台
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進捗率
進捗状況
チーム編成を実施しました。
キックオフ事前ミーティングを実施しました。
めじろ台を訪問し、キックオフミーティングを実施しました。
アンケート調査を実施、回収した1,000枚近い回答を入力、これから集計作業に入ります。
ママボノ成果提案ミーティングにて、調査報告をしました。
最終成果物を整え、支援先の皆さまへお送りしました。プロジェクト、お疲れ様でした!
成果
町内の皆さんの活動や交流の場である町内会館。ママボノチームがアンケート調査で町内会の約1,000人の声を聞き、町内会館活用に向けた提案をしました。
めじろ台町内会連絡協議会のプロジェクトは、ママボノメンバーが町内会館を利用する市民のニーズを知るためのマーケティング基礎調査を実施しました。将来的な建て替えも視野に入れ、さらなる活用に向けて利用者の声を聞くとともに、普段使用しない市民にどうすれば活用してもらえるかを調査しました。
約2ヵ月という期間の決まった中でのプロジェクトでしたが、短期間でできるだけ多くの市民の声を聞くための、大規模なアンケート調査を実施。高齢者率の高いエリアのためウェブアンケートは使用せず、紙のアンケートを回覧板で回しご協力を依頼。住民2,647世帯中、995世帯(37.6%)の方がご回答くださるという大規模調査となりました。回答をママボノメンバーが入力し、集計をするという大変な作業となりましたが、お子さんを抱えながら、精力的に集計作業に取り組みました。
成果物は、アンケート結果だけでなく、アンケート回答から得られた会館活用へのヒントや要望の報告だけでなく、ママボノメンバーからの子育て世代利用に向けた提案もさせていただきました。
この調査を受け、めじろ台町内会連絡協議会の皆さんは会館の利用価値を再確認できたとのこと。将来的な建て替えに向けて予算・積立金の検討をし、具体的な計画を立てていく方向です。現在の会館の活用に留まらず、将来、新しい町内会館として建て替える際には、今回の調査結果やご提案を活かし、町内の皆さまの交流の場、活動の場としてさらに意義のある会館になることでしょう。
【支援のその後】
プロボノチームと作成しためじろ台第一会館の建て替えに関するアンケート、約1000世帯からの回答結果と分析は、回覧板で地域住民の皆さんにお知らせしました。また、アンケートに自由記述の欄があったおかげで住民の生の声も寄せられたそうです。現在は各方面からの支援を得て「まちづくり協議会」を立ち上げました。めじろ台を現在の住民にとって住みやすく、若い世代にも住んでもらえる町にするために、専門家の声を取り入れて活発な議論を行なっています。一方で周辺住民のまちづくりの重要性についての認識が未だ不十分と感じているため、より周知を進めたいということです。
[2019年8月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]
チームメンバー
- リーダー
- 富田さん
- メンバー
- 嶋川さん 小幡さん 糀谷さん 長瀬さん 鈴木さん