• サイトマップ
  • 都庁総合トップ
    • 大きいサイズ
    • 標準のサイズ
    • 小さいサイズ

    プロジェクト詳細

    練馬区 1DAY|スペース活用ワークショップ

    社会福祉法人キングス・ガーデン東京

    特別養護老人ホームを地域のふれあいの場に。庭での収穫祭など、施設活用プランを求む。



    練馬区・平和台の特別養護老人ホーム、練馬キングス・ガーデン。向かいに広々とした公園を望み、周りには保育園や学校もある、緑豊かな住宅地に位置しています。入居者50人の特養をメインとしながら、ショートステイ、デイサービス、訪問介護などを行っています。

    ここはアメリカのシアトルの高齢者施設をモデルに1996(平成8)年に開設され、キリスト教の理念をもとに、“最期までその人らしく、希望を持って生きていただけるよう支援する”個別ケアを特徴としています。

    例えば「入浴の改革」は、機械式ではなく、マンツーマンで家庭的な浴槽での入浴。移乗(乗り移り)といった介護スキルを使うことで職員の負担も減り、会話の中で「ふるさとに、もう一度行きたい」といった入居者のニーズを聞き取り、実現させたこともあります。こうした取り組みで、2011(平成23)年の第一回介護甲子園で最優秀賞を受賞しました。

    最期までその人らしく過ごすためのターミナルケア、看取り介護にも力を入れています。亡くなった後のお別れ会の開催、家族のグリーフケアのための「同窓会」などのアフターケアも行います。「職員が、介護職の幅と深みを体験できる現場です」と理事・施設長の中島さん。

    入居者と地域のボランティアとの交流もさかんです。金曜日には近所の人たちがシーツの交換に、土曜日には学生たちがおしゃべりの相手に。登録者数は100人、年間でのべ2000人が活動しています。
    周辺には保育園や学校があり、近くの工業高校からは毎週金曜に授業の一環として生徒が訪れています。「地域コミュニティーの拠点となる開かれた施設。それが私たちの目指す、高齢者施設の在り方です」と中島さん。

    ところが、まだ残念なこともあるといいます。例えば、施設には西洋風の庭があり、日当たりも良好です。小路には、デザインを手がけた人のストーリーに沿って、みかん、柿、イチジク、ザクロ、きんかん、ゆずなど、実のなる木がたくさん植えられています。
    もともと花壇だった場所を夏の間は農園にして、デイサービスの利用者と施設職員が、夏野菜を植えるなどしています。しかし木々が実りの季節を迎えても、散歩中の入居者の目を楽しませるだけで、つい収穫期を逃してしまうこともあるのだそうです。

    2拠点目として東中野にオープンしたキングス・ガーデンでは、施設内にカフェを併設して誰でも立ち寄れる憩いのスペースに。オープンイベントを定期的に開催するなどで、1年間でのべ1万人の人が訪れる、地域の交流スペースになっています。
    練馬キングス・ガーデンは昔にできた施設なので、最近の施設のように地域交流を目的とした広いスペースは設けられないものの、庭の果実を食べごろに収穫してジャム作りをするといった交流イベントも開けるかもしれません。

    施設をさらに開放したり、ボランティアの皆さんに活躍してもらう場を提供していきたいが、なかなか手が回らない――。
    練馬キングス・ガーデンの“資産”を再発見して上手に活用し、地域の方々が気軽に出会い、交流する場として活発に用いることはできないでしょうか? アクション・プランにつながるような課題整理、スペース活動のアイデアが求められています。



    (本記事は2016年度の情報をもとにしており、活動内容等は現在と異なる場合があります。ご了承ください)

    団体基本情報

    団体名
    社会福祉法人キングス・ガーデン東京
    代表者名
    理事長 泉田 昭 さん
    所在地
    〒179-0085 東京都練馬区早宮2-10-22
    ホームページ
    http://www.kg-tokyo.or.jp/

    解決したい課題別に探す
    カテゴリ別に探す
    支援内容別に探す
    地域別に探す
    プログラム別に探す

    進捗率
    完了
    進捗状況

    最終更新 2016.08.01
    2016.07.09

    事前オリエンテーションを実施しました。

    2016.07.13

    チームミーティングを実施しました。事前オリエンテーションに残念ながら参加できなかったメンバーへの情報共有、また今後のアクションについて確認しました。

    2016.07.24

    支援先の夏祭りに参加しました。支援対象である中庭も見せていただき、担当の方にお話を聞く時間もいただき、提案に向けた情報がだいぶ集まってきました。

    2016.07.28

    メーリングリストで提案内容についてブレインストーミング、本番のスペース活用提案に向けて最終調整中です。

    2016.07.30

    当日オリエンテーションを実施しました。

    2016.07.30

    プロボノワークを実施しました。

    2016.07.30

    成果物の提案を実施しました。

    2016.07.30

    支援先からのフィードバックを実施しました。

    2016.08.01

    成果物の納品を実施しました。

    成果

    外部の視点が入ることで、短所も長所へと変化。地域ニーズに応えるという使命を団体内で再認識する機会に。

    特別養護老人ホームの施設内にある中庭を、地域のためにどう活用できるか、さらにそこにボランティアを巻き込んでいくには?というテーマに対し、プロボノチームは事前に施設を訪問し、スタッフの皆さんからヒアリング。そこから7つの企画案を準備して1DAYチャレンジ当日に臨みました。

    議論の土台となる案を用意していたことで、当日は団体の皆さんとの議論も充実。活発な意見交換を経て、プロボノチームから最終的に提案したのは、地域住民の方が気軽に立ち寄れるようなオープンカフェ。高齢者の皆さんに加えて、地域の親子たちにも訪れてもらおうと、庭の木々からとれる実の収穫体験+ジャムづくり、朝市、自然体験などのイベント企画も提出しました。オープンカフェ開催に向け、立ち上げ、日常業務、集客等の実現手順も合わせて検討。具体的な実現手段が示されたことから、「自分たちでやれそう!」という前向きな空気の中で、プロジェクトを完了することができました。

    団体内では、今まで「手入れが行き届かない庭」という欠点だと思っていたものに対して、プロボノワーカーから、「鳥の巣がある」「昆虫がいる」といった自然のままの状態が子どもたちにとっては“魅力”になりますよ、といったコメントも。
    団体の方からは、「外部の違った視点では、短所も長所になりうるのだという気づきが得られたり、地域のニーズに応えていくという団体内での意識の共有ができました」とのご感想を頂きました。

    2019.07.18

    【支援のその後】
    プロボノワーカーから提案された中庭活用の具体案のうち、オープンカフェは実現していないものの、提案をもとに入居者が果実の収穫を楽しむイベントや、地域の子どもたちの遊び場にするための改修が行われました。支援から3年が経過しましたが、その成果は施設活用に留まりません。積極的な広報活動や地域貢献イベントの開催は、地域住民との繋がりを生みました。「進行する高齢化社会で今後、施設が担う役割は、地域包括ケアに変化しつつある」と施設長は話します。プロボノの支援は、その変化を職員に印象付ける出来事だったそうです。中庭活用は地域包括ケア推進への第一歩となっています。
    [2019年7月、津田塾大学 森川ゼミ・伊藤(由)ゼミの協力により取材]

    ページトップへ戻る
    Copyright © 2015-2024 Bureau of Social Welfare, Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.